パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「自殺行為って何?」と聞かれた

2019年12月13日 08時13分28秒 | 子どもたちのこと

どのような経過で出てきたか忘れてしまったが
その場にふさわしくない「自殺」という言葉が会話にあがった
昨日の外国人を親に持つ小学生の勉強の手伝いでのこと

木曜日は3年生以上で、まだ可愛い我儘な低学年とは異なり
体も大きくなって少しばかり智慧のついた子どもたちを
机に向かわせるのは一苦労する

昨日は小学校は親との懇談会があって下校時間も早く
この勉強会もいつもより早くスタート
集まりも少ない
大いに手こずるNくんだが相棒のGくんがいないのでつまらなそう
「今日は宿題をやって帰る!」と書取のノートを開く

でもやはり集中はできない
少し書いては何かを隣の女の子に話しかけたり鉛筆の動きを止めたりする
そんな中で何故か出てきたのが「自殺」という言葉だった
「俺は自殺なんかしない」
身長は既に自分と同じくらいになって生命力に満ちた彼は言う
それを聞いて、いい機会だと!自分の心に残っている辛い経験を話した

「昔、サッカーのコーチをしていた時の子がね、大きくなってから自殺してしまったんだ。
  すごくショックだった。自分で自分を諦めてしまったこと。
 自分で自分の人生に意味がないと決めてしまったこと。それがとても悲しい。
 生きていなくて良い人間なんていない。
 だからね、僕は君たちに自分で自分を諦めない人間になってほしくて、その少しでも手助けになれば
  と思って来てるんだよ」

彼はまた言う
「おれは絶対自殺なんかしない」
そして聞いた
「自殺行為ってなに?」

「それはね、例えば試験があるとすると
 普通は試験の前に勉強して試験に備えるよね
 それをしないで遊んでいると、いい成績は取れなくなってしまう
 このような自分で損なことをしてしまうことを自殺行為  というんだよ」

「ふーん」
なんとなくわかったみたい
「だからね、君のように頭が良くて、字もうまくて元気もある子が
 この時間を自分からムダにするようなことをするのは自殺行為ってことになるよ」

「そうだ、これからは集中できていなかったら自殺行為をしてる、、と言おうかな」

彼は自分の行為が自殺行為だと認識したようだ(今後集中してできるかは別問題だが)
小学生の6年生(NくんやGくん)がどのくらい抽象的な話を理解できるかわからない
だが、昨日の会話は彼の体の中に確かに吸収されたような感じをもった

「よし!これからここまで(漢字を)書く間、おしゃべりはしない」
そう言って彼はノートに集中する
だが、2行ほど書くと隣の女の子に話しかける
「おいおい、自殺行為だぞ」

彼は納得して書き進める

子どもたちとの交流は少しづつしか進まない
週に一度だけ会って勉強だけの接点、それは「しなければならない!」
ことの監視でしか無いのならそれは勿体無い
彼は自分で言った
「おれが真面目にやらないのは勿体無いってことだね!」

その通り、でもきっとすぐに忘れて相変わらずマイペースで我儘な行動をするだろうな(と想像する)
その時は「おいおい、自殺行為をしてるぞ!」と言ってやろう
しばらくは彼の頭には残っていそうなことだから



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