光(大森立嗣監督) | 大原浩の金融・経済地動説

光(大森立嗣監督)

備忘録:映画レビュー:観た映画

★光(大森立嗣監督)

井浦新、瑛太、長谷川京子、橋本マナミ他

145点

 

あるドキュメンタリー番組で、まったく何の変哲もない一つの風景映像が、効果音のつけ方で、ラブロマンス風になったり、ホラーになったり、はたまたコメディになったりすることを検証していた。

 

本作品は、まさにそのような効果音のつけ方の「教科書」になりそうである。冒頭からクライマックスまで、効果音で物語の緊張感が一気に高まる。

 

物語そのものも、どんよりと暗いロンドンの空そのものの陰鬱なストーリーなのに、不思議とライトビールのような味わいである。

 

瑛太と井浦新の演技も、怪演と呼んでもよいインパクトがある。あえて抑制的になっていると思われる物語展開が、二人の怪演を引き立たせている。

 

長谷川京子と橋本マナミも、十分期待に応えてくれる演技である。

 

「芸術は爆発だ!」というのは、岡本太郎の言葉だが、「映画は芸術だ!」ということを久々に思い起こさせてくれる質の高い作品である。

 

https://eiga.com/movie/85872/