トラブル修理-BMW 116(F20/N13B16A)エンジンオイル漏れ修理 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

BMW F20のオイル漏れ修理です。

同業者さんから整備振興会の方を通じてお仕事をご依頼頂きました。

 

 

オイルフィルターハウジングから漏れているのか、

それともプレッシャースイッチ根元から漏れているのか??

 

オイルフィルターハウジングに関しては、

今までのBMWとは比べ物にない位見え難くて作業しにくい構造にありまして・・・

 

 

ネット上でも、殆ど情報が出ていないエンジンでしたので、

今後作業される方の参考になればと思いブログにアップしてみました。

 

 

 

 

BMW F20 です。

ダウンサイジングターボです。

 

 

 

 

 

事前に頂いた写真ですが、

オイルプレッシャースイッチの根元部分にオイルのしずくが付いています。

 

 

 

 

 

 

オイルフィルターはバルクヘッド間際に装着されています。

フィルターカートリッジを交換するのは問題ありませんが、

このハウジング本体を取り外すには、周辺を取り巻いているウォーターバイパスホース(金属製)を取り外す必要もあり、

更には、ハウジングを固定しているボルトには触媒が密接していますので、触媒の取り外しも必要となります。

 

なかなかの整備性の悪さです(笑)

 

 

 

 

 

オイルフィルターハウジングを下から見たらこんな感じです。

F系以前でもあれだけ漏れの多かったハウジングなのに、

何故にこの様な整備性の悪い構造になってしまったのでしょう(^^;

 

ま、私より遥か頭の良い人達が考えて作り上げたエンジンです。

文句言うよりも、手を動かしましょ!

 

 

 

 

 

まずはマフラーパイプを外していきます。

触媒後ろから出口まで一体の、長い長いパイプ(^^;

続いて、SSTでO2センサー取り外し。

これまたかなり狭い所に付いていますので、

この様な形状のオキシジェンセンサーレンチが無いと外せません。

 

 

 

 

 

邪魔になって来るので、オイルフィルターキャップ&フィルターカートリッジを取り外しておきます。

この後、中に溜まっている古いエンジンオイルを吸い出しておきます。

 

一部固定ボルトが既に取り外されています。

他にも所々ボルトが外されているので、

途中まで手を入れられたのでしょう(^^)

 

 

 

 

 

冷却水を抜き、ウォーターバイパスホースを抜き取ります。

この金属ホースが、触媒とオイルフィルターハウジングを綺麗に取り囲んでいますので、取り外しに掛かります。

 

 

 

 

 

タービン冷却用ホースごと抜き取ります。

これが本当に外れ難かった!!

しかも、先端に付いているOリングは見るからにアウト!

交換しないと漏れる事必至です。

(下の方で詳しく説明しています)

 

 

 

 

 

下からは既にいくつかのボルトを取り外していますので、

後はこの固定バンドを外せば、触媒が外れます。

 

 

 

 

続いて触媒の裏にあるヒートシールド(遮熱板)を取り外します。

 

 

 

 

 

これでようやく、オイルフィルターハウジングの全貌が見えました。

 

 

 

 

 

 

取り外したオイルフィルターハウジング。

使われているのは、E系の頃から何ら変わらない、

後々絶対漏れるガスケットでした(^^;

 

 

 

 

 

 

 

それよりも気になったのが、このオイルプレッシャースイッチです。

 

一体になっているゴムパッキン。

こんなので、常に掛かる油圧に耐え続けられるの???

 

 

 

 

 

幸い、プレッシャースイッチ側に辛うじての土台がある事、

そしてオイルフィルターハウジング側にもしっかりした土台がある事から、今回は柔らかめのアルミガスケットを噛ませてみます。

 

そもそも本来の造りと違う事をする事に少しためらいながらも、

でも、こんなゴムパッキンでは、圧と熱が思いっきりかかるこの場所で耐え続ける事は出来ない可能性が高く、

かと言ってこのスイッチを定期的に交換するというのもちょっと・・・

 

これがどの程度功を奏してくれるかどうかは、以後の経過を観察という事になりますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

オイルフィルターハウジングのエンジン側当たり面です。

 

 

 

 

 

 

古いガスケットや汚れを、オイルストーンとパーツクリーナーを使って綺麗に掃除します。

 

 

 

 

 

 

現状のガスケットです。

冷却水側はかなり押し潰されています。

エンジンオイル側も、一部、特に触媒側に位置する箇所のガスケットがかなり押し潰されています。

 

 

 

 

取り外して、溝も綺麗に掃除。

 

 

 

 

 

 

オイルプレッシャースイッチの取付面も綺麗にします。

 

 

 

 

 

 

 

新品のガスケットを組み付けました。

こうして見ると、かなり厚みがあるのが分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

プレッシャースイッチ部に使うガスケットは、サイズドンピシャの物を!

 

 

 

 

 

トルクレンチを使って、既定トルクにて締め付けます。

 

 

 

 

 

熱のかかる場所にはスレッドコンパウンドを塗布してから組み付けています。

 

 

 

 

 

遮熱板、触媒の順に元に戻して行きます。

 

 

 

 

 

取り外すのが大変だった、タービン冷却用ウォーターホースです。

上記で説明した通り、Oリングはアウト!

 

 

 

 

 

行き帰りがありますので、もう一本刺さっています。

こちらも抜けません(^^;

 

 

 

 

 

ようやく抜けてました。

Oリングはやっぱりアウト!

 

 

 

 

 

 

新品のOリングです。

右側のは取り外したOリングです。

 

 

 

 

 

 

タービン側の差込口も綺麗に掃除します。

 

 

 

 

 

組み付けて、既定トルクで固定。

 

 

 

 

 

金属製のウォーターバイパスホースは、

エンジン裏側の見えない所に差込口があります。

この場所は、鏡を使っても、上からも下からも、殆ど見えません。

 

相手側Oリングがずれたり潰れたりしない様に、

冷却水を先端に塗ってから取り付けます。

 

 

 

 

 

どんどん元に戻して行きます。

 

 

 

 

 

オイルフィルターカートリッジも新品に交換です。

エンジンオイルと冷却水を充填。

トランクルームに入っていたカバー等、ある程度分かる所は組み付けておきました。

 

 

 

 

完成後、試運転と下回り点検を何度か繰り返し。

 

コンピュータ診断機も接続して、フォルトメモリーのチェック。

サービスインターバルも表示されていましたので、

そちらも内容を確認の上、リセット作業をしておきました。

 

 

 

今回のオイル漏れ修理では、

上記内容も含め以下の作業を行っております。


 ・オイルフィルターハウジングガスケット/オイル側交換(部品持込)

 ・オイルフィルターハウジングガスケット/冷却水側交換(部品持込)

 ・タービン冷却クーラントパイプ上下Oリング交換

 ・オイルプレッシャースイッチガスケット取付

 ・エンジンオイル交換

 ・オイルフィルターカートリッジ交換

 ・BMW用アンチフリーズ(冷却水)交換

 


ご用命、ありがとうございました<(_ _)>


 
 <参考データ:車両走行距離  62,100km>

 

※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はご遠慮下さい。

 

 

 

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