西京極 紫の館

サッカー観戦、映画や音楽鑑賞、読書などなど、
日々のなんやらかんやらを書いてみようかな、と♪

騎士団長殺し 第2部 還ろうメタファー編(上・下) 村上春樹/著 新潮社

2019年04月25日 21時13分39秒 | 西京極の本棚
        
【紹介文】
雑木林の小径を抜けて、肖像画のモデルとなった少女が山荘を訪れる。屋根裏に隠された絵と「私」の描いた絵…パズルのピースのように、四枚の絵が一つの物語を浮かび上がらせる。谷の向かい側から銀色のジャガーで現れる白髪の紳士、奇妙な喋り方で主人公に謎をかける「騎士団長」。やがて、山荘の持ち主の老画家をめぐる歴史の闇も明らかになるが、真夜中の鈴は、まだ鳴り止まない  

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆☆☆
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
第1部では事件らしい事件が起こるでもなく、主人公“私”が現実と虚構の狭間を行き来する様を読み進めてきましたが、第2部の半ばにきて“私”を廻る物語の円環は開き、何人かの関係者を巻き込みながら回転し、やがて閉じてゆく。だがその円環は完全に閉じる事はない。“私”の描いた絵が未完成のままであるように。伏線のいくつかは回収されないままに。不完全なままの方が自然であり、その方が読み終えた後の余韻を楽しめる。そんな不思議な小説でした。

人気ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿