こんにちは!
先日はじめて鬼滅の刃の映画を見た良玄です(*^▽^*)
昔からミーハーな性格で
ブームに乗るのが大好きなのですが
今回もあっさり流されるまま見に行きました
漫画も全く読んだことがなく
主人公の名前すら知らないなかで
事前の情報はゼロだったのですが・・・
もう感動
ただただ胸を打たれました
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ですので今回は急遽予定していたテーマを変更して
鬼滅の刃に見る仏教の心
でいきたいと思います
差し出がましいようで大変恐縮ですが
勝手に鬼滅の刃で仏教を語らせてください
まずは今回のブームの発端となっている
煉獄(れんごく)さん
彼の言動や行動にムネアツだった人は多いと思いますが
彼の生き方こそまさに仏そのものであります
老いることも死ぬことも
人間という儚い生き物の美しさだ
老いるからこそ死ぬからこそ堪らなく愛おしく尊いのだ
(煉獄杏寿郎のセリフより)
私たちはどうしても永遠不滅のものに憧れ
老いることや死ぬことに抗ってしまいますが
それこそが人間の美しさである
だから人は人を愛するし
大切な人が亡くなったときに涙を流すことができる
儚さゆえの人間の尊さ
それを永遠が手に入るという鬼に勧誘された際に
間髪を容れずに返答する煉獄さんの言葉に
ただただ仏教の真髄を見たように思いました
そもそも『煉獄(れんごく)』という言葉には
キリスト教において死者が天国に入る前に
その霊が火によって罪を浄化される場所で
天国と地獄の間を表します
作者の名前の意図までは存じ上げませんが
まさに悟りを得ている煉獄さん(仏さま)が
迷い苦しむ衆生(私たち)の罪を
あの炎によって浄化してくれているようにも見れます
そして何より
煉獄さんは真っ直ぐです
自分の使命を果たすために
今この瞬間において自分のやるべきことを
一所懸命に行じ続けます
たとえそれが自分より強く
命を奪われるかもしれない鬼に対しても…
禅はよく「今この瞬間を精一杯生きる」
と説きますが
それを実行する背中を煉獄さんは見せてくれています
しかもその使命というのは
自分を生み育ててくれた母親の遺言です
自分に命を与えてくれた恩に報いるために
強き者として弱き者のために必死に戦うのです
決して自惚れるわけでもなく
炭治郎のもつ強さに敬意を表しながら…
ただただ格好いい煉獄さんですが
まさに仏さまという存在が偶像崇拝の対象ではなく
実際に鬼滅の刃の世界で生きる存在であるならば
煉獄さんのような道を歩むのだろうなと感じておりました
もちろんエンディングのネタバレはできませんが
煉獄さんの生き様に観客が感動する姿からも
私たちの心には必ず仏の心があると説く
仏教の教えが裏付けられているように思います
そしてもう一つは主人公の炭治郎が戦う鬼と
列車の人間が惑わされる夢の世界
夢の世界では自分の欲しいものが手に入り
自分の都合のいいように物語が進み
自分の理想とする境地が描かれます
これは私たちの現実世界でも同じこと
そもそも生きている間において
自分の思い通りになって欲しいとは
誰しもが考えることだと思います
しかしながら現実はそんなに甘くなく
自分の思い通りにならずに
悩み苦しむこととなります
このように私たちは
夢の世界では生きることができない
けれどもどうしてもその夢にすがり
欲しいものを貪ったり
夢と現実との不一致に怒ったり
むやみやたらと悩んでしまいます
そんな悪い夢を断ち切るために
炭治郎は必至に自分と戦い
それが夢であることに気づいていきます
これこそ仏教の悟りのステップである修行と同じで
坐禅では自分を内観して
この現実世界の真理を探究して
諸行は無常であり諸法は無我であることを
仏は自覚します
夢を願うのだけれども
それはあくまで夢であって
だからこそそれは夢であることを知った上で
夢をもって精一杯この現実世界で生きていくしかない
そんな姿を主人公の炭治郎や
仲間の伊之助や善一が鬼と戦う姿からも
学ばせてもらったように思います
僧侶である私自身も
ついつい夢見心地で過ごしてしまいますが
そんな時こそ坐禅やお経を読むことで
改めて自分の立っている現実世界を
しっかりと見つめ直していきたいと思います
兎にも角にも鬼滅の刃は感動するし
ど真ん中に心に突き刺さるし
大人になるにつれて忘れていたことに
気づかせてくれる有難い映画でした
興行収入が更新されるのかどうか
『千と千尋の神隠し』も大好きな映画なので
20年ぶりにその記録が更新されるとしたら
まさに「よもやよもや」でございます
ちなみに私の好きなシーンは
冒頭の煉獄さんの登場部分
美味いものを「うまい」と素直に表現し
いつ何時でも「心を燃やしている」姿に
まさにあっぱれでございました
良玄合掌
P.S.
次回は前回記事からの引き続きで
『お坊さんの一日 仕事編』をお届けします
奇跡はどこか遠くではなく身近にあるもの
軸をブラすことで大切なものが見えてくる
禅の修行から丁寧に生きるヒントを学ぶ
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