久々の更新します。
本日はさる3月、WEB上で行われた四谷大塚の中学入試報告会の概要をお伝えします。
一、総論
1、2019年における出生数は86万4千人。ついに90万人を下回った。
2、一人当たりGDPも9位(1990)→26位(2018)とがた落ち。
3、AI時代を迎え、
①破天荒な空想力②論理的課題解決能力が要求される。
中学入試でもこれを反映して、
開成算数大問3のように、条件に沿って論理的に考えなければ答えが出ない、パターンを覚えるだけでは解けない問題が出題された。
つまり、、未知の問に答える力、やり方を覚えるのではなく、やり方を考える力を要求される問題が増加しているのである。
4、また、読書も必要である。東大合格者のアンケートによると、「両親は欲しい本を買ってくれた」という問いには 86.9%、「自宅に百科事典や図鑑がある」という問いには74.1%が肯定しているのである。
さらに「親に勉強しろと言われた記憶がない」ものが約80%を占める。
二、算数
1、計算、一行題、文章題と並ぶパターン(桜蔭、JG、豊島岡、海城、早稲田など)と
文章題のみが出題されるパターン(開成、麻布、筑駒、栄光、駒東、武蔵、渋幕など)
2、解法を覚えるだけでは解けず、「なぜそのような解法なのか」を理解できなければならない問題が増加している。また、現場で考える問題が増加している。
しかしながら、図形問題などでは類題を説いた経験が大きくものをいう。だから、典型題についてはしっかり演習すべきである。
それに加えて、典型題について、「なぜそのように解くのかという本質を理解する必要がある。
三、国語
1、素材文の総字数は7400字、説明的文章+文学的文章の2題構成、読解問題は12.6問(配点は80%)、知識問題は9.2問(配点は20%)というのが平均的入試問題である。
2、素材文の字数的には
11000字位~明大明治、KSFC、日本女子大付属、
8000字位~桜蔭
5000字位~渋幕、開成、JG
4000字位~筑駒
であった。
3、平均記述字数については
男子校~220字、女子校~300字、共学校~150字 であった。
4、設問数については
選択肢問題~57% 記述問題~26%、
抜き出し~14%、適語を書く~3% であった。
5、傍線部の近く(形式段落1段落以内)を読めば解ける問題が約60%
6、素材文は直近5年以内に書かれたものが63%を占める。
7、開成、海城1、サレジオAで「君たちは今が世界(すべて)」、KSFC、海城2次、暁星1次、学習女子で 「14歳日和」、鷗友2次、東京農大1次、筑波大附属で「対話をデザインする」、芝2次、渋幕2次、国学院久我山ST1次で「科学と非科学」が出題された。
8、近年の入試問題の特徴は、①予備知識のないテーマについて、②ポイントを文中から拾い、③論理的思考により答えを導くことが要求されていることである。
三、理科
1、平均解答時間は35.6分、平均出題数は33問であった。
2、生物、化学、物理、地学の出題割合は大体均等。
3、実験、観察を切り口とした問題、与えられた条件の整理が必要な問題、観察力が問われる問題が増加している。単純な知識問題は減少している。
四、社会
1、出題バランスは地理が34%、歴史が37%、公民が27%。
2、目立ったテーマは、
地理~プラスチック問題、自然災害
歴史~元号、新紙幣の人物
公民~消費税、SDG‘S、オリンピック・パラリンピック、移民問題
である。
3、資料、史料の読み取り問題が増加している。
4、来年度の出題予想としては、「コロナウイルス」「東京知事選」「オリンピック・パラリンピック」「飛行機の新飛行ルート」「新紙幣」などについてであると考えられる。
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