日本の親族間殺人です

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私の頼りになる情報提供者はもちろん仲間ですが、
実は割と頼りになるのが、我が家のワイドショーをなめるように見ている母です。

そして昨日その情報エージェーントである母より寄せられた、
ワイドショーデータに「日本の親族間殺人」という項目があり、
さっそく今朝番組をチェックしてみました。

すると日本の親族間殺人は増加傾向にあり、
殺人事件で検挙中の件数のうち親族間殺人の割合は
1999年には41.8%だったのに対し、2015年には60%にも及んでいるそうなのです。

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ひぇ~!って思いますよね。
日本で起きている殺人事件のうち、半分以上は家族の中で起きているんですよ。
でも、現場で悪戦苦闘している私には、この数字に対し、
「そりゃそうだろうよ!」と憤りと共に、納得する気持ちがあります。

とにかく日本は家族間のこじれた問題に対する解決策が、
「家族で良く話しあって」と、家族の責任にしてしまうことですよね。
だから行政だって、支援体制だって成長しないじゃないですか。

そしてこういう支援体制が成長しないゆえに、多くの国民は情報を知り得ないため、
メンタルヘルスや、虐待などの問題で思考が停止しています。
「親の育て方が悪い」「愛情に飢えている」「親としての自覚を持て!」
などという精神論ですね。
正確な情報でないだけでなく、役にも立たないことですが、
支援体制が整っていないので、「じゃぁ、どうすりゃいいの?」と考えが浮かばず、
思考の落とし所として、こう言うしかないんですよね。
そして「腹を割って話し合え!」なんて偉そうな説教をするわけですよ。

だから追いつめられた家族はこう思う訳ですよね。
「話し合いなんかできる状態じゃない。でもそんな状態になったのも私が悪いんだ。
だから、私が責任を持って、この子を殺すしかない。そして自分も死のう。」
相談に繋がってきた人の多くがこう語りますよね。

また逆に毒親を持った場合に、束縛や虐待、暴言や暴力で、
がんじがらめにされていても、その上尚、
「親は大事にしなくちゃならない」「育てて貰った恩がある」「親の言うことを聞くのは当たり前」
という呪縛や世間の声からのがれることができずに、
憎悪と絶望から親を殺してしまうケースだってあるでしょう。

学校は誕生学なんて役に立たないどころか、一部の子供を傷つけているような代物を導入せず、
むしろ「こんな毒親からは逃げていい!」ということのほうを教えてあげて欲しいものです。

日本の家族偏重傾向は、すでに限界に来ているのに、
現在の政治の流れは、益々家族主義に走っていて、社会保障費は削られて行く一方で、
暗澹たる気持ちになります。

こういった「家族のことは家族が解決するのが当たり前」「家の恥をさらしてはならない」という考え方、
そして何よりも「どこに言ってもどうにもならなかった・・・」
という事態が、この親族間殺人の多さとなって現れているのではないでしょうか?

それは依存症問題でもあります。
私がここ数年に起きた親族間殺人で、根底に依存症問題があったと思われるものは、
パット思いつく限りででもこんなにあります。

調布市祖父殺人事件(2017年)
*金の無心を断られ殺害
東京・調布市の殺人事件 金の無心を断られ殺害か(Yahoo!ニュース-TOKYO MX)

寝ていた母親を娘が殺害(2016年)
*記事には出ていませんが、当時の記事ではお母さんのアルコールの問題で喧嘩が絶えなかったとのこと
母親の頭を踏みつけた娘逮捕 母親は死亡

62歳母を殺害、借金で口論
*母親を殺害後も金を引き出しパチンコをしていたとのこと
62歳母を殺害 借金で口論

92歳父、65歳の息子を殺害
*お酒とギャンブルに問題のあった息子の将来を悲観して
https://sirabee.com/2017/12/25/20161433859/

このように、依存症問題が進行し、本人がお金欲しさに家族を殺害したケースと、
度重なる、お金の無心に家族が追いつめられ将来を悲観してというケースもあります。

そしてこれら親族間殺人の中でも全く別のパターンとして、
私が何と言っても忘れられないのは、古い話しになりますが、
自分の息子や夫を殺害してその保険金を愛人に貢ぎ、
その愛人はその保険金を全て競艇につぎ込んだという、
長崎・佐賀連続殺人事件です。
長崎・佐賀連続殺人事件(NEVERまとめ)

ギャンブル依存症で子供たちが殺されたこと無念でなりません。

このように依存症問題に対し、家族だけで対応していたあげく
追いつめられ、悲劇が生まれるケースは何度も起きています。
日本は、家族の限界を知り、支援体制をもっと強化して欲しいと心から願っています。

ちなみに、このワイドショーで、何故なのかハッキリした理由は言ってませんでしたが、
なんとドイツの親族間殺人は28.6%なのだそうです。

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ただし、クリスマス休暇で家族が集合する前後には、
親族間殺人が増えるのだそうです。
この辺にキーワードガありそうですよね。

日本の司法は是非、ドイツではなぜ親族間殺人が少ないのか?
理由を調査して、欲しいと思います。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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