こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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医学部入試の得点調整で考えること

2018年10月16日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

東京医科大学を端緒とした医学部入試での得点調整。今度は昭和大学でも同じようなことが行われていたことが公表され、記者会見が行われた。似たような事案はこのあともゾロゾロ出てくるだろう。男子の合格率が高かったというほかの医学部はどうなっているのだろう?ただ、私も男性医師、あまり調子のいいことを述べるのは控えたほうがいいだろう。

ところで、この問題が発覚してから、入学者の調整を行うのなら、”入試要項であらかじめ公表したらいいのに”という意見を散見する。どこまでそういう合格者の調整というのはできるのだろうか?

地方国立大学医学部でも入学定員の半分ぐらいしか全国枠としてとっていないところがある。そうでもしないと、地元に残ってくれる医学生がほとんどいないからで、仕方ないだろう。地元出身の人、地元に残ってくれる人、外科とか産婦人科に進んでくれる人、というような選別はすでに行われている。

性別、年齢もこのようにしてしまえばいいのだろうけど、これはそうはいかない。入学要綱に男子何人、女子何人とか何歳以下とかいう表記があったらどうだろうか。何れにしても男女で区別することは社会通念上難しい。ジェンダーによって、少なくとも資格のある職業を分けることにどれだけ意味があるかはわからない。では、年齢はどうか。防衛医大のように、入校時21歳以下と明記しているところもあるにはある。考えてみると、”あの大学は本当の意味で体力が必要だから”というのもなんとなくそうなだけで、現役生よりもよほど体力のある多浪生だっているはずだ。留年したらどうなるかということもある。いくつかの大学で行われている社会人入試は意味合いは違うが、年齢だけ見たら最初から多浪生ということになる。だから年齢による区別というのは根拠が薄い。

師弟枠というのはどうみても日本では受け入れられないだろう。でも、アメリカなどでは、多額の寄付金をすればそれだけで名門私立大学に入学できるというというのは特に問題なく受け入れられている。そういう多額の寄付のおかげで他の優秀な学生が勉学に勤しめるという考えもあるようだ。

いずれにしても今度のことで、日本の医学部入試は来年から大きく変わっていく。そして、30年後にはその答えが見えてくるはずだ。運よく、生き延びていたら私の寿命が尽きる頃だ。死ぬときは家の窓から夕焼け空でも眺めていたいので、できたら住んでいる地域にいい医者がいて欲しいとは思う。そうやって死ねたら、医者が年寄りだろうが、男女どちらであろうが関係ない。

医者は生老病死のお手伝いをするだけ

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