こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

空はこんなに広いのに

2020年10月01日 | 自然災害・事故・感染症
今夜は中秋の名月。空は朝から厚い雲に覆われ、小雨が降ったり止んだり。念のためにと傘を持って出てきたが、午後にはすっかり止んだようで帰りには美しいお月様を無事拝むことができ、傘は置いて帰った。今日から10月、今の勤務先に移ってから1年。この間、大病もせず、人間関係に悩むこともあまりなく過ごすことができたのは幸いだった。一人病理医としての仕事は重圧を感じるが、それを上回るやりがいもある。私の病理医人生の総仕上げの場としてこれ以上のことを望んではなるまい。そして子育てという社会貢献も終わり、次なる社会貢献が何かを模索しなくてはいけない時期でもある。

通常ならあっという間の1年という表現が適当なのだろうが、新型コロナウイルス(COVID-19)の出現により、この1年は単にそう片付けるわけにもいかない、きわめて特異なものとなった。銃弾爆弾であればそれからそれらを避けたらいいし、放射能ならばそれを検知し逃げることもできる。ペストやコレラ、それにノロウイルスも衛生環境を改善することでほとんどを防ぐことができる。だが、COVID-19はそんなわけにいかなかった。一人一人が他者との接触を最低限にするため、今はまるで釉薬をくぐらせた焼き物のように、地球が被膜によってすっぽりと覆われているようだ。私たち人間はそれを押し上げながら行動している。その向こうの空はとても広くて果てしないのに、被膜によって覆われた空は一見広いようで、その実全ては塞がれていて息苦しい。息苦しさはマスクをつけていなくてはならないからというだけではない。

昨日、国立国際医療研究センターが新型コロナウイルスの入院患者6000人余りの経過についての解析結果を明らかにした。糖尿病、高血圧などが必ずしも予後とは関係がなさそうだというのは、それらの疾患を有する人には朗報だろう。ただ、糖尿病も高血圧も、腎疾患、心疾患、脳血管障害の基礎疾患となるわけで、これらをどれほど区別できるのか疑問は残る。感染者数を日々気にすることは大事なことだが、それよりも今一度COVID-19に関する知識を自分なりに整理し、適切に対応すれば治癒する感染症であるということを知って行動すべき時だ。

油断しない

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