こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生はあっという間だな、あと少しの間どうやって生きよう

幸せな時とはいつのことをいうのだろう

2020年09月30日 | 生き方について考える
あの時はよかった、あの頃に戻りたい、そう思うことが少なからずある。ただ、今になって思い返すとよかったなと思うあの時あの頃、自分は幸せだなどと思っていただろうか。今までの人生で一番良かった時に戻ったとして、自分が自分のことを幸せだと思うかなどわからない。
人生でいいことなど一つもなく、それでもあの時に戻ったら巻き返すことができるから戻りたいと考えることもできる。でも、戻ったところでの新たな選択は果たして必ず今に幸せをもたらしてくれるだろうか。

幸せ、とは一体なんなのだろう。その瞬間のことを指して言うのか、それともその前後のことか。例えばスポーツ選手が世界一を取った時がそれなのか、それともそれからしばらく続く余韻を指すのか。私が医学部の小さな大会で勝利したときのことを思い返すと、その瞬間よりも、そのあとにつづいたその勝利の余韻のほうが幸せだったのかもしれない。勝利は具体的な目的ではあったけど、勝利がもたらすものが幸せの実体だったということになる。そうだとすれば幸せとはなんなのかわからなってしまう。その時の思い出を抽出すれば、その思い出は私に幸せな気持ちを思い起こさせてくれるが、その時に戻りたいとは思わない。スポーツに例えてみたが、学生が入試で合格した時、俳優がオーディションに通った時、大きな仕事を成功させた時、勲章をもらった時、愛する人と結婚した時、幸せの瞬間はそれこそ数えきれないほどある。だが、どれだけの人が、その瞬間に戻りたいと思うだろうか。その時に戻って再スタートしたいと思うだろうか。

幸せを掴んだ瞬間に戻ることができたとしたら、その後の人生をうまくコントロールしなくてはならない。でも、その時よりもより幸せになることはできるのか。そんな保証はまったくない。そして幸せの絶頂、ということはその頂きを過ぎたあとは下っていくしかない。人はその幸せで稼いだ余禄で生きていくのだ。そうすると、幸せとは、その後の人生を含めた絶頂であって、どの時点であるかを特定することはできない。

幸せというのは、あまりにも漠然とした言葉であって、一体何が生み出すものなのか、私にはわからない。心というものがあって、そう感じるものなのか、それともただ単に、勝利とか合格とか出世とか具体的に言語化されたものにすぎないのか。ただ、この世に生まれてこなければ、幸せになることはできない、かといって幸せを知ることもできなかったのは確かだ。
人生のうちでいつが幸せな時なのだろう。それは、今なのではないか。命あり、生きている今。軽々しいことを言ってはいけない時節であることはよくわかっている。だが、これまで生きてきたからこそ、幸せを感じることができたのは確かだし、生きていればこそ、この先幸せを感じることができる機会もあるというものだ。
楽しく生きる

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