職場の売り場でおじいちゃんが1人、子供用の商品を見ていた。
周囲に奥さんがいるでもなく、顔に近づけ熱心に見ていたので、困っているかもと思い「大丈夫ですか?」と声をかけてみた。
イギリスのお店では、よく店員が客にかける言葉である。
するとジジイは「何だね!?私が病気とでも思うのかね?!」と突っかかって来た。
冗談の顔では無い、マジの怒り顔である。
私は「いえ、サイズや色など見つからないようであればお申し付け下さいと言う意味でお声掛けしました」と説明したが、ジジイは「要らん!あっちへ行け」と言った。
ボケているのだろうか…普通の攻撃性には思えない。
その後レジが忙しくなり、私はレジにはいった。
中国人観光客がワンサカ来ていて、レジで並ぶイギリス人と横入りする中国人でごちゃ混ぜになっていた。
すると先ほどのジジイが来て「老人に順番を譲りたまえ!」と一喝した。
イギリス人のおばちゃんは怪訝な顔でジジイに譲ったが、英語が分からん中国人観光客らは譲らなかった。
私はおばちゃんに「先にお待ち頂いていたのだから、譲って頂かなくて結構ですよ」と言ったが、おばちゃんは「いいの」と諦めの顔で言った。
ジジイは中国人に睨みを利かせ、当然の顔でレジの前に来た。
すると6人の中国人観光客が一斉に中国語でジジイに言い始めた。
分からないが、多分、順番を抜かすな的な内容ではないかと思う。
ジジイは「スピーク イングリッシュ!!」と中国人観光客に向かい言ったが、中国人は絶対に譲らなかった。
「年寄りに譲らないのか!」と怒鳴ったが、中国人観光客は大量の商品をレジに乗せ、平然としていた。
こんな時ほど中国人観光客らのハートの強さを尊敬した事はない。
あんな強さが私にあれば、イギリスを1000%楽しめるであろう…