カーライルのあちこちで道路工事が行われ、学校終わりで子供の習い事に連れて行くのも大渋滞で大変な今日この頃。
いつものように私はラジオを聴きいていた。
今回はイングランドにおける5歳~12歳までの子供の肥満の深刻化についてを政府が検討する云々の話であった。

現在、子供の肥満が過去最高に達したイングランド。
給食メニューの改善と食に関する教育時間を増やし、子供達にジャンクフードが体に与える影響を教える事が検討されているという。

娘が車内でコレを聴きながら「いやいや・・学校でそんなんやっても無駄無駄。ジャンクフードは親が買って与えてんねんから、大人が勉強せな意味ないやん」と言った。
娘よ、ド正論や・・
娘のクラスに肥満女子がいる。
インド人の父親は医者、母親は看護師、平日週3マクドナルドが夕飯、土曜の昼も決まってマクドナルドである。
父親はインド料理を知人のインド料理店で毎日食べるため、妻と子供とは食事を共にしない。
妻は大好物がマクドナルドであるため、必然的に子供もマクドナルドを週4で食す事になる。
出される食事が生まれた時からそうなのだから、子供に選択肢は無く、学校でそれを学んだとしても、親に危機感が無ければどうしようもない。
この子は気性が激しく、ほぼ毎日学校で児童とモメるのであるが、母親も又、落ち込みの激しい人である。
娘はその子と仲良しであるため、家の中に散乱しているマクドナルドのゴミの量に驚いた記憶からそう言ったのだと思う。

私が仲良くしている精神科医の友人が数年前に「今、高校生のウツ的症状や気持ちの落ち込みを訴える患者が増えてんねんけど、その子達は普通の一般家庭の子でありながら、著しい栄養失調が共通してる。食べ物を買うお金が無い、食べる物が無いという意味の栄養失調では無く、栄養が偏り過ぎる程に偏っていると言えば分かりやすいかな。いわゆる野菜と肉、魚などのいわゆる家庭料理という食事を家庭内で食べていないのではないか?と想像できる」と言っていた事があった。
食事はさほど精神治療面から重要視されて来なかったが、実は大きく左右していると友人は言っていた。

現状、医師は落ち込みを少し安らげる内服とカウンセリングで治療を行うのが主であるが、家庭内における食事はどうしても保護者の責任。
家庭環境によって食べている食事は医師の指導で改善される事は無いという。

肥満問題は今に始まった事ではない。
数々の専門家やシェフがこの取り組みをやってきたが、成果が継続した試しがない。
子供の学校でも調理実習を取り入れ、豆や野菜料理を多く紹介してきた。
私も以前、キャベツパテやカリフラワーチーズパテなど、スナック感覚で食べれる野菜料理を調理実習の担当に見せた事があったが、そもそも「キャベツは絶対に食べないと思う。家庭内で食べた事が一度も無い生徒がほとんど」だと言われた。
野菜料理を食させる工夫をしても、子供達に馴染みがなさすぎるという大きな壁がある。

年々、抗うつ剤の服用数が増加、しかも低年齢化も加わっている。
今は国から無料で薬が支給されているが、もしもEU離脱でドイツなどから良い薬品が高額でしか買えなくなった場合、しわ寄せはどこに来るのだろうか、考えすぎかもしれないが、私はそこまで考える。
もう何年も何年も「肥満が過去最高」とニュースで聴きながら、結局のところ、これを誰が危機感を持って受け止めているのかと、いつも疑問に思っている私である。
我が子だけはちゃんとした食事をさせる、それしか無い。
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