私が住む小さな集落に2つだけある市営住宅のうち1つに、薬中の母親とその子供が越して来たのは2年ほど前だったと思う。
何度も警察沙汰を起こし、遂に裁判で母親としての権利を剥奪され、今は1人で犬と暮らしてはいるが毎日、その家の客人には釣り合わない高級外車に1人で乗ってやって来る男(顔ぶれは毎日違う)らが出入りし、そこで売春が行われているのか、それとも薬の受け渡しが行なわれているのか知らんが、男らは必ず30分ほどで帰って行く。

子育てに良い立地条件でこの家を買ったが、こんな女も市営に入居して来るのだと現実を知り、市営住宅に越してくる人にこれほど差があるのかと怖くなった。
子供を外で遊ばせる際、私は急に襲われでもしたらどうしよう、薬でオカシクなった奴が襲い掛かってきたならば・・と思うと、専用公園で遊ばせる間も、常に気が抜けなかったし、ポケットには工具を忍ばせていた。
もしも私や子供を襲ってきたら工具で刺すしかない・・本気でそう思いながら遊ばせている。

度重なる警察沙汰だけでは追い出す理由にはならず、しかしながら今回は女が1人で暮らしているのに3ベッドルームの戸建てに住んでいるのは大きすぎるという理由から、この家を追い出される事になった。
女は1ルームの戸建てに越すらしい。
それに今の家は車が無ければ買い物にもいけない為、女には週70ポンドを上限としたタクシー代が支払われているが、これも高額であるため、市内の戸建てに移るらしい。

市営住宅に住む条件下にある人は、ある一定以下の収入であるから市営に住める。
しかし、うちの村に住むもう1つの市営住宅入居者の場合、夫が市バスの運転手であるから市営に住めるという条件の人もいる。
しかしながら今回の女のような場合もあり、次はどんな家族が来るのか・・と思うと、あの家に対して構えてしまう。

警察沙汰に何度もなり、一度は隣人を襲撃したから、この女が薬物で酩酊状態にある時は何をしでかすか分からんという恐怖が私達にはあるが、しかし追い出す権利も拒否する権利もない。
誰かの隣人に必ずなり得るわけで、事件が起きたら追放できるかもしれない・・という程度であると以前、市の人が言っていた。
市営住宅には、こういう状態の人が住む事もあるという現実を受け入れ、注意しながら生活する、それしか方法はないのだと、市VS住民説明会で聞いた。

この木曜、女は越す。
越せば再び市、つまりは税金から家の内装工事が開始され、別の家族が移って来る。
この家族が警察沙汰を起こさない家族であればよい、今はそう思う。

何年か前に日本のニュースで、都内の青山という高級住宅地とされる場所に子供の施設か何かが建設される事を反対している人々のニュースがやっていた。
また同じ時期、幼稚園だか保育園だか忘れたが、それを作る事を近隣住民が反対するニュースもやっていた。
それを見ながら、市と住民は合意点など絶対に見いだせない、そう思った。

私はこの薬中女のおかげで、という言い方はオカシイが、この女と2年ほど同じ村で暮らし、警察に逮捕される現場を何度も見た事で、この人のバックグランドが大きく影響している事、しかしながら女がいる事で恐怖である事も事実、また誰かがこの女の隣人になる事は避けられず、これが永遠と市と住民との間で繰り返されて行くのだなと実感した。
ひとまず女はいなくなる。
人気ブログランキングへ