私が子供の頃、学校から帰宅すると「友達と遊んでくるわー!」とランドセルを放り投げ、公園に行って夕方まで友達と遊んでいた。
当時は滅多に友達の家に行くという事はなく、ほとんど外で遊んでいた気がする。
私の家があった近くには大きな公園と団地、大手会社の社宅などがあり、その団地や社宅の合間合間に大小様々な公園があった為、遊び場に困った事は無かった。
当時、両親は経営していたお店が忙しく、いちいち私に「どこに行くのか」と聞いた事も無かったし、今日どこの公園に行っているのかなど把握する事は無かったと思う。

日本で子育てをしていないので、今も日本の子供はそんな感じで遊んでいるのか否か分からないが、学校やお稽古事、お友達の家への送迎必須のイギリスで子育てに慣れてしまった今、子供を1人で歩かせるという事そのものが未経験の私。

私が暮らす集落は外部の人間が勝手に入って来る事がない。
来るとするなら郵便配達員かゴミ収集車、月1来てくれる窓掃除の人、あとは何処かの家に来ているペンキ職人さんや職人さんなど、その程度である。
その為、集落の年寄組は見た事の無い車などを見るとすぐに車に近づき、どこの家に用事で来ているのか探り把握する。
そういう意味もあり、私はここで子供を育てるにおいて、非常に安心感を持てる。

今も公園の遊具を使う事を禁止されているイギリス。
とは言え、私の暮らす集落には集落専用の公園と広場があり、集落の人が犬の散歩に歩く程度で誰もが顔見知りである中、うちの子供が「広場でフリスビーやって来てもエエ?」と聞く。
たいてい、それは夕方4時頃で私はまさに夕飯作り開始時間と重なる事が多い。
一緒に行く事が自分の安心感であるが、しかし行けば1時間は遊ぶ子供、そうなると一緒に行くより目の前の広場に子供だけで行かせれば自分が夕飯作りに集中できる。

外部の人がほとんど来ないのだから大丈夫やろ、私が子供の頃は何処でも1人で行ってたんやから・・と思う自分と、いやいやアカン・・安心したら取り返しのつかへん事になるかも知れんと追い立てる自分の葛藤である。
日本で子育てしていたら、きっと娘が小4なのにこんな事に葛藤する事も無かったかも知れない。

2年前、娘が友達サムの家に遊びに行った時の事。
お友達の裏庭は森に通じており、やはりそこに住む住民らしか使わない森がある。
サムの両親は在宅型の自営業である為、日中は一人っ子のサムが1人で森に行き遊ぶ事を5歳から許してきたとサムのお母さんから聞いた。
一応トランシーバーを持たせ、その電波が入らなくなったら引き返すというルールを決めているらしいが、客と電話で話していたりすれば、その電波が今通じているのか否か分からず、気休めであるもトランシーバーが安心材料なのだと言っていた。

それを聞くと、私はビビり過ぎなのかと思う。
兄弟2人で集落専用の公園に行く事くらい、もう始めても良いのではないか・・
見た事の無い人が来たらすぐ家に戻る事を言い聞かせているのならば、大丈夫では無いか・・

こんな小さな葛藤とチャレンジの日々である中、昨日のニュースで去年の夏に山梨県のキャンプ場で行方不明になった女子の捜索が再開されたニュースを見た。
状況はまるで違うかも知れないが、あんなに人がいたキャンプ場で目撃されずに行方不明になった事を考えると、まだ時期早々かと尻込みしてしまう。
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