職場復帰してからは、私の勤務日だけ子供は学校に行っている。
学校に行っているとはいえ、授業は行わないので、ほぼ預かってもらっている状態である。
息子は2年なので、この7月末までは給食が無料ではあるが、弁当に憧れを持っていた事と、今は給食室が閉鎖されており、パサパサのパンに具を挟んだサンドイッチしか出ない事もあり、息子にも弁当を持たせる事にした。

息子は「ツナマヨの寿司を入れてくれる?僕好きやから」と私に言ってきた。
私は娘の時の経験が頭をよぎり、とっさに「分かった。せやけど、まず初日はサンドイッチを持って行こうね」と言い聞かせてしまった。

パソコンで学校課題の詩を作っていた娘が私の顔をチラリと見たあと、息子に向き直し「お母さんが何で初日はサンドイッチにしようかて言うたのはな、私が寿司やおにぎりを持って行った時、クラスメイトのみならず、ホール(給食を食べる部屋)にいた他の学年の子までもが私の弁当を変だ、気持ちが悪い、マズそうだと言い、私はとても傷付いたから」と自分の弟に話してくれた。

「きっとジャパニーズ弁当を持って行った時、アナタも同じような事を言われる事が必ずあると思う。でも決して傷付く事はない、泣く事さえ無駄。だから言われても言い返しては駄目。理解できないから時間の無駄、分かる?何故それを言のか、それは無知だから。ここから出た事のない、他の国の美味しい食べ物を現地で食べた事の無い人間は見た事、味わった事の無い物を否定する。だから日本の食べ物を知らない人達なんだと思えば気にならなくなる。それが出来るなら寿司弁当を持っていきなさい」と姉自ら弟に言い聞かせてくれた。
息子は「大丈夫!美味しいって僕が知ってるから、それで良い」と言った。

仕事でなかなか寿司を作る暇がないのだけれど、今週はツナマヨの海苔巻を入れてみようと思う。
私が身構えてどないする・・娘に弱気を悟らせてしまった・・強き母であるべきなのに。
娘は「大丈夫。私も乗り越えたんやから」と私の膝に座り、頬を寄せて来た。
体験者の娘から背中を押された日である。
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