熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

映画 SKIN/スキン

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2019年アカデミー賞短編映画賞を受賞したガイ・ナイーヴ監督、ジェイミー・ベル主演の長編作品「SKIN/スキン」を観てきました。

先ず今回の作品は、短編作品とは内容が異なるものの、2003年に米国で発足したレイシスト集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライオン・ワイドナーが脱会、更生していくまでを辿った作品です。主人公のブライオン・ワイドナーには、リトルダンサーやロケットマンのジェイミー・ベルが、また、彼を愛し更生に導いていく女性で後に妻になるジュリー役には、短編でのネオナチの妻を演じたダニエル・マクドナルドが共演しています。

物語では、ブライオンが自分を育ててくれた組織のリーダー夫妻の恩と犯罪を犯すことへの葛藤、愛する家族を得たことで脱会を決意し、組織の報復の中で家族と共に生きようとする姿が全身に刻まれた差別の象徴である入れ墨を除去するシーンと共に描かれています。ジェイミー・ベルの迫真の演技には心を震わせ、母のような愛で包み込むダニエル・マクドナルドの心身共の包容力が印象的でした。

サイト上で期間公開された短編は、残念ながら見逃しましたが本作とは異なるものの、予告編や解説などを観る限り部分的にレイシストの夫婦に育てられたワイドナーとかつてのネオナチの夫と別れ三人の娘を育てるジュリーの関係性に共通項を持たせ、実話の中にうまく脚色されています。

今回の映画を観て、コロナ禍の中で、全米で巻き起こった警察官による黒人男性暴行死に端を発したデモの際に話題となった過激な行動をやめるよう諫めたカーティス・ヘイズ・ジュニアさんの動画を思い出しましたが、短編、長編の共通する差別への報復では何も解決しないことを強く感じます。肌の違いや思想信条を越えて次に世代が差別撤廃への共通の認識を持って進んでほしいなと思っています。

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