無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

脱穀後の秋処理(その2)耕起区 ミニ耕運機(ホンダ:こまめ)による秋起こし

2018-10-09 06:56:52 | 日々の自然菜園

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本日、ときどき


ここのところ晴天つづきで、昨日は、絶好の脱穀日和でした。

教室なので、午前中は、なぜ秋処理が大切で、3年後を見据えてどのように秋処理していくのかレクチャーした後、
稲刈り、脱穀が、秋起こしにつながるようにどのようにするのかなど、実践できな内容を紹介してから、
ハ―ベスターで午後自然菜園スクール「自然稲作発酵コース」のお米を脱穀しました。

本科生は、一緒に育ててきたお米をもらえるので、ひときわ力が入っていたかもしれません。


さて、前回のブログ脱穀後の秋処理(その1)の続きです。

左側の不耕起区は完了しているので、右側の耕起区のその後の処理「秋起こし」です。

ワラの分解は、地温が18℃以上が最も進みますので、寒冷地の当地では、1日でも早く、しかも効率的に行う必要があります。
そのため、稲の脱穀後、すばやく、ワラをカットばら撒きしました。




ワラを敷きつめた後、翌朝の朝露で、ワラや切り株が濡れているうちに、うっすらと米ぬかを散布しておくと、ワラに米ぬかが付着して分解促進になります。






その後、草払い機のチップソーの刃のかけた古いものの再利用で、地上部に出ている切り株を切断します。

切り株のワラは、掘り起こすと根もワラも分解しずらくなるので、ミニ耕運機の場合、掘り起こさないように工夫しています。






今年は、草の発生を抑制するといわれている、水口のマコモの葉を収穫の際に貯めておいた3束を切断して切りワラマルチに重ねました。






切りワラマルチしてから、3日後の昨日の朝、米ぬかのボカシの半端と、クン炭(モミガラの炭)を散布してから、ミニ耕運機(ホンダ:こまめ)で、






鋤き耕をしました。

土寄せ機の羽をとったもので、切り株の条間を鋤くように土を反転させながら、切り株を掘り起こさないように、切り株の上に土が乗るように、ワラが地上15㎝以内に土とあっさり混ざるように起していきます。

秋に土を起こすように耕すので、「秋起こし」と呼ばれます。

この田んぼは粘土が強く、冬期土乾かして、サラサラにしたいので、秋起こしの際に、鋤き耕で凸凹に表面積が広くなるように起しております。

「秋起こし」と「春起こし」で、縦横1~2回。しっかり春までにワラが分解できるように、土が乾くように起こすのが大切です。







最後に、うっすらと米ぬかを散布し「秋起こし」完了です。

今年は切りワラを全量の2分の1ほど鋤き込みましたが、農薬・化学肥料を使ってきた田んぼでしたので、初年度は米ぬかのみ、翌年自家製完熟堆肥と米ぬかといったように、
土がワラを分解できる力が着くまで、3~4年は、生のワラを戻さず、田んぼのワラを分解する微生物が増えるように工夫しました。

当地は寒冷地で標高600mなので、冬は長く、雪も降ります。
「秋処理」は、各地の地域風土を踏まえて、田んぼをまず水平にし、水路(入水・排水)を整えた上で、草が生えにくく、稲が喜ぶための大切な野良仕事です。
稲は作物なので、全くの自然環境では、草は適地適育で旺盛に育つため草に負けやすく、ちょっと工夫をして稲が喜ぶ環境を整えるのが、野良仕事です。

今年は、初夏:夜低温⇒夏:干ばつ⇒9月長雨⇒10月晴天つづきと極端でした。
米処の当地でもお米の収量は、2割減っているといわれています。

まだ正確に計測しておりませんが、うちのお米は、遅植えの成苗だったこともあり気候による生育や収量は例年並みかと思います。
後は食味検定次第ですが、工夫とタイミングがよければ、草も生えず、食味良く、そこそこ量も獲れることが小さな田んぼの自給稲作だからこそできることが実感としても分かってきました。

中山間など小さな田んぼは機械化が難しく、空いた田んぼが目立ってきました。
無農薬の自給稲作が広がれば、自給率も上がり、適度な運動とレジャーにもなり、美味しいお米を食べることができ幸せになりながら、耕作放棄地や獣害被害、水質悪化も減ると思います。

次回の自然稲作発酵コースは、11/3~4ダイズの収穫・調整&田んぼの自然堆肥づくりです。



次回は、

2018年土内容充実で、
城山公民館「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。
毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

今年度は、いつもの第1水曜日に
長野市城山公民館 18:30~21:25(当日、記録用動画撮影いたしております)
18:30~19:45座学
19:50~21:25質疑応答


◆次回以降の予定
【テーマ】
新年度スタート「これならできる!自然菜園入門講座~野菜編~」
10/3(水)秋の土づくり(堆肥や緑肥作物の導入法)、越冬野菜の定植・種まき。 比べて納得野菜講座「ネギとタマネギ」
11/7(水)冬の土づくり/畑の片づけ方、土壌分析、冬の米ぬか利用法、野菜の収穫・越冬保存のポイント・越冬野菜の越冬のコツ。比べて納得野菜講座「シュンギクとホウレンソウ」
12/5(水)2017年の菜園の反省を来年に活かす。比べて納得野菜講座「エンドウとソラマメ」
お楽しみに~



◆◇◆お知らせ◆◇◆

千曲市戸倉創造館で2018年3~2月に開校中~
『無農薬無化学肥料でもしっかりやればできる!自給稲作入門講座』
次回は、10/11(木)『堆肥づくり、田んぼの土づくり』
田んぼで生産される稲ワラ、米ぬか、モミガラ、畦草などを利用した自然堆肥づくり、ボカシづくりなど田んぼで草が生えず、稲が育つ土づくりを学びます。
田んぼの土の改良や田んぼの1年間の総合的な土づくりや堆肥づくりのゴールデンルールをご紹介します。

「草を抑え、美味しいて、稲を育てる田んぼの土づくり」です。


場所:戸倉創造館2階会議室
日時:第2木曜日 18:00~20:45まで(全12回座学のみ)
受講料:1回1,500円、一括申し込み15,000円
対象:米の自給をしたい方。米作りが初めての方大歓迎!
参考テキスト:『自給自足の自然菜園12ヶ月』(宝島社)153~174ページ

●問合せ・申し込み先●
千曲市役所経済部農林課農業振興係服部
電話026-273-1111(内線7244)
Email:nousin@city.chikuma.nagano.jp(件名を「自給稲作入門講座」として送信下さい)




現在、『竹内孝功さんの自然菜園講座オンライン動画サイト試験発信中~
※有料サイトの都合、登録などの際に一部英語表記になっております。

※最新動画、「畑での野良仕事(実技編)」前編・後編もアップグレードできました。

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5 コメント

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冬の野良仕事 (中川 ナオミ)
2018-10-11 19:21:45
こんばんは、いつもお世話になっております。

うちの畑は減反だった場所で、何も施さず畝を作り、2年目から不耕起に挑戦しています。
野菜を定植する前にクラツキ(米ぬかぼかし、くん炭、米ぬかなど。)し、なんとか収穫できていましたが、根が張らないのか、ある程度成長したら枯れることがありました。来年、より良い収穫ができるように今からできることはありますか? 混まぬかぼかしが少し残っているので、それと米ぬか、くん炭などを浅く鋤き込もうと思っています。 どうでしょうか?
ご質問ありがとうございます。 (竹内孝功)
2018-10-12 08:49:54
中川 ナオミさんへ

そうですか。減反=元田んぼだったところは、不耕起は水はけが良くなり向いております。

ところが、元田んぼの性質はなかなか抜けず、

①緑肥や深く耕す(50㎝以上下)の硬盤層(鋤き床層)を壊さない限り、根本的な水はけが改善されないのが現状です。

②なお、元田んぼの場合、畑の微生物がほとんどいないため(水の中でも生きることができる微生物優勢)、水はけもよくなり、畑の微生物を増やす目的で、腐葉土堆肥やモミガラ堆肥も活用したいところです。

③それらの根本を解決すると、自然に毎年よくなるので、本当はそこが大切なのですが、大変だという方が多いので、野菜も大変だと思います。

④元田んぼの根本的な解決にはなかなかつながりませんが、
まだ畑が未熟なうちは、秋に、表層に米ぬか、クン炭などを耕すのは、葉ものや野菜の全般の初期生育にはとてもよいですね。

今回の場合、水はけが悪い場合、腐葉土とバーミュキュライトも一緒に鋤き込むと、いいかもしれませんね。

⑤その際に、一部スコップで土を掘り起こし、野菜や草の根がどのように生えているのか観ると、土の硬さ、色、匂い、根の生える深さなどが土の診断になるので、とても大切です。

⑥後は、野菜に聴いてみて、それでも駄目な場合は、しっかり田んぼの畑化(根本的な解決)がお奨めです。
ご質問ありがとうございます。2 (竹内孝功)
2018-10-12 08:52:24
中川 ナオミさんへ

それと、緑肥作物での元田んぼの改良について、
現在発売中の最新号「野菜だより」2018年11月号
https://hon.gakken.jp/magazine/18847

に緑肥特集を監修させていただきました。参考にしてみてください。
Unknown (中川 ナオミ)
2018-10-13 08:56:07
詳しい返信有難うございました。

一部の畝では緑肥で様子を見ていますが、毎年の野菜作りが楽しみなので、なんとか今の状態で少しでも改善できればと思っています。

腐葉土と、バームキュライトですね。 ありがとうございました!
コメントありがとうございます。 (竹内孝功)
2018-10-13 20:18:37
中川 ナオミさんへ

そうですね。野菜と相談しながらやってみてください。

来年が楽しみですね。

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