ある男は歩いている。
前にはインテリが歩いている。
ある男とインテリのスタートラインは同じであったが、
いつの間にか。。。
いや、ある男は
少しずつ離れていくのを明確に認識していた。
ある男はインテリに全ての要素で負けている。
差がついたのも避けられない現実だった。
しかし、ある男は差を詰めようとはしなかった。
明らかに負けているにも関わらず追い付くための努力をしなかった。
周りはある男に注意や叱責したりと奮起を促し差を詰めようと煽りたてた。
。。。しかし、ある男はマイペースを貫く。
あたかも周りも遮断しているように歩く
インテリはある男の存在や振る舞いを気にしながらも前を進む。
時々はメガネのズレを直している。
ついにはある男から視界にインテリがいなくなる。
一体ある男はこの距離感を楽しんでいるのか?
左右の景色を楽しんでいるのか?
劣等感で落ち込む事はないのか?
そもそも身体的に詰める事は出来ないのか?
何故か誰にもわからない
ある男は語らない。
ゆっくりと。。。
だけど確かに
ある男とインテリは離れていく。