民事裁判手続のIT化
内閣官房の肝煎りで始まった民事裁判手続のIT化に向けた議論がここのところ急速に進んでいるみたいです。
このたび岡山弁護士会では、民事裁判手続IT化に対応するためのプロジェクトチームが立ち上げられ、私もそのメンバーに入っているのですが・・・。
現在は法曹三者と研究者等による「民事裁判手続等IT化研究会」が議論を進めている最中で、つい最近報告書案がアップされたのですが、これは問題山積ですね。
報告書案はこちらのサイトで公開されています
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まずは、オンライン申立ての義務化という話から始まります。
【甲案】(原則義務化)、【乙案】(士業者のみ義務化)、【丙案】(任意)という見解に分かれているのですが、報告書案では「国民の司法アクセスが後退しないことを条件として、【甲案】を実現することを目指しつつ、その過程において【乙案】を実現することとしてはどうか」となっているのですが・・・。
そもそも、IT化によって「国民の司法アクセスが後退しないこと」が実現するというシーンが、ほとんど想像できない・・・。
言うは易し、行うは極めて難し。
裁判を受ける権利は憲法で保障されている人権なので、極めて少数の例外すら許されないわけで。
裁判所による本人サポートは「司法機関としての中立性」に鑑みて限定的なものしか期待できないなどとされ、「士業者団体等によるサポート体制の構築が必要」とされていますが、ちゃんと予算は付くんでしょうかね・・・。
まさか「無償」あるいは「低廉報酬」で押し付けられるなんてことは・・・。
まさかね・・・・・・(無いと信じてる)。