岡弁(岡山県倉敷市の弁護士)ブログ

岡山県倉敷市で法律事務所を経営する弁護士(若手→中堅)が日々の雑感をつぶやきます。紛らわしいですが岡山弁護士会の公式ブログではありませんのでご了解ください(笑)

民事裁判手続のIT化

内閣官房の肝煎りで始まった民事裁判手続のIT化に向けた議論がここのところ急速に進んでいるみたいです。

このたび岡山弁護士会では、民事裁判手続IT化に対応するためのプロジェクトチームが立ち上げられ、私もそのメンバーに入っているのですが・・・。

現在は法曹三者と研究者等による「民事裁判手続等IT化研究会」が議論を進めている最中で、つい最近報告書案がアップされたのですが、これは問題山積ですね。

 

報告書案はこちらのサイトで公開されています
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

www.shojihomu.or.jp

 

まずは、オンライン申立ての義務化という話から始まります。

【甲案】(原則義務化)、【乙案】(士業者のみ義務化)、【丙案】(任意)という見解に分かれているのですが、報告書案では「国民の司法アクセスが後退しないことを条件として、【甲案】を実現することを目指しつつ、その過程において【乙案】を実現することとしてはどうか」となっているのですが・・・。

そもそも、IT化によって「国民の司法アクセスが後退しないこと」が実現するというシーンが、ほとんど想像できない・・・。

言うは易し、行うは極めて難し。

裁判を受ける権利は憲法で保障されている人権なので、極めて少数の例外すら許されないわけで。

裁判所による本人サポートは「司法機関としての中立性」に鑑みて限定的なものしか期待できないなどとされ、「士業者団体等によるサポート体制の構築が必要」とされていますが、ちゃんと予算は付くんでしょうかね・・・。

まさか「無償」あるいは「低廉報酬」で押し付けられるなんてことは・・・。

まさかね・・・・・・(無いと信じてる)。

 

 

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