〔今、電話してもいいですか?〕

と、地元の後輩。

ちょうどコンビニ行こうかな?と思ってたから

〔いいよ、どした?〕

すぐ鳴る電話。

「今から俺の家来れたりしませんか?」

「何事?ちょうどコンビニ行こうとしてたけど、髪ボッサボサなのと、パジャマやで?」

「ちょっと来てもらえたら…」

と濁すので、とりあえず向かう。

〔家の前着いたよ〕

〔すぐ出ます〕

何事?胸ざわつくわ…

と思ってたら

すぐに出て来た後輩が、

「会って欲しい人が居て…」

「誰?笑」

「ボックさん怒ると思うんですけど…」

「誰?笑」

「ちょっと連れて来ます…」

人の話聞けや!!!
誰か聞いてるやろがい!と思いながら、

いつもと様子の違う後輩に
あんまりキツく突っ込んでもなと思ってたら

出てきたのは、

後輩の紹介で以前うちで働いてたけど、
2年程前に飛んだトオル君。

飛んだって言い方、あんまり良くないな、

いきなり消えた、トオル君。

「トオルやんけ!笑」

と笑う僕に

神妙な顔つきで

「すみません…」

「とりあえずコンビニ行くから車乗ってw」

「ボックさん、ほんとすみません」

こいつら2人とも、ほんま人の話聞かんなw

「ちゃうねん、煙草ないねん、俺怒るで?笑」

「あ、すみません」

「とりあえずコンビニ行きながら話聞くわ」

「はい」

と車に乗せて

「ごめんなさいは?」

「本当に迷惑かけてすみません」

「ごめんなさいは?」

「ごめんなさい」

「許したからいいよ」

「え?」

職場から、仲間内から、
いきなり消えるのは
俺のせいでもあるんだろうな
と思う

多分、辛いとか、苦しいとか、
理由はわかんないけど、
なんかしらの合図も、
俺が見逃してたんでしょ?

って話したら

本当に泣きそうな顔するから

「俺も未熟でごめんね」と謝って。

今日なら、
仕事しながら話聞いてあげれるから
ちょっと一緒に時間過ごす?

と僕の提案に

「今自分でもどうしたらいいかわからくて」
って言うから、

3時間程かけて現状を聞く。

「で、どうして欲しいの?」

「可能なら、これからも相談に乗って欲しいです…」

「どうせまた飛ぶくせに?笑」

「いや、もう飛ばないです…」

「いや多分トオル君は、明日からまた頑張ろう!って今思ってるけど、
俺と別れて1人になった瞬間に、
ボックやっぱめんどくせーなーって思うんじゃない?」

「思っても飛ばないです」

「あ、やっぱり、
めんどくさいのはめんどくさいん?笑」

「あ!いや、めんどくさくないです!!笑」

なんて笑いながら。

元気にやってるなら
それでいいし

なんかあった時に
どうしようもなくなった時に、
帰って来れる場所でありたいなと思う

「明日、午前中なら時間あるから、
どうしていきたいかもっかい考えて、明日聞かせて」

と今日は一旦解散。

物理的に
何かしてあげるのは
根本的な解決にならない事が多いけど

精神的にはいつだって、どんな状況だって、
味方でありたいな
と思う。

僕に誰かがいつでもそうしてくれてるみたいに
トオルのそれになれたらいいなと思う。