このアルバムはもう十年以上聴き続けてきた。購入してデータをパソコンに落とし、数回聴いたら後は忘れてしまふやうなアルバムがたくさんある中で、このアルバムは私を魅了し続けてきた。「The Mirrors of Life」として、英語のアルバム名をつけて売られてゐることもある。

 このアルバムの中で「Eastside Sunset」は特に好きな曲で、私は目覚まし用に利用してゐる。

 

 レイ・サンドバル(Ray Sandoval)の作品で最初に手に入れたのがこのアルバム。とても気に入つたので、この人のアルバムは全て買ひ漁つたのだが、他のアルバムにはこのアルバムで感じた何かが含まれてゐなかつた。

 漠然とバンドの構成員が変つたのだらうと思つてゐたのだが、しばらくしてこの作品と他のアルバムとの決定的な違ひはベーシストの演奏なのだと気付いた。このアルバムでは、ベース奏者が主役を差し置いて弾きまくつてゐる。時にベースの音がサンドバルの弾くギターの音を掻き消すのではないかと思へるほどの音量で収録されてゐることから推測すると、かなり格上のベース奏者が参加してゐる可能性が高い。
 このベース奏者が参加しただけで、これだけアルバムの完成度が上がるのだから、よほど凄いベーシストなのだらう。

 そんなことを考へて調べてみると、このアルバムでベースを弾いてゐるのは
「Rene Camacho」といふ人。

 この人がベースを弾いてゐるアルバムを聴きたいと思つてインターネットで調べてみても、はつきりとこの人だと特定できるベース奏者にたどりつくことができなかつた。多分この人ではないか、と思ふ人は見付けたのだが、演奏を聴いてみると何かが違ふ。まあ、ちよつと聴いただけでは判らないのかも知れないけれども。

 なかなか難しいものだ。

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