「星野修さんのメルマガ」より


【志を教える】上甲晃 著


何よりも信用を大切にしなくてはいけない「人間力を高める教育」第二の柱は、信用を高める。


これが松下幸之助が、私が新入社員の時の研修で話したことです。


「君ら社会人になってな、お金が一番大事だと思ったらあかんぞ」


これを聞いたときはびっくりしました。


それまでずっと、金、金、金と思っていたからです。


初任給をザーッと調べて、ボーナスもザーッと調べて、大体松下電器に入ったらこれぐらいはもらえるだろうという計算をしていました。


第一、 お金を稼ぐために社会人になったと思っていました。


そんな私からすると、「お金を一番大事だと思ったらあかんぞ」といわれても、ちょっと待ってくれという気持ちでした。


松下幸之助がいわんとしたことは何か。


それはこういうことです。


「もちろんお金も大変大事であるが、お金は失っても取り戻せる。」

「けれども、人生にはいったん無くしてしまうと取り戻せんもんがあるんや。」

「あるいは取り戻すのに大変苦労するものがある。」

「そういうものを何よりも大事にせなあかんぞ」


では、なくしてしまうと取り戻せないものとは一体何なのか？


「それは信用や」と松下幸之助はいいました。


「信用を大事にしいや。信用を失うと、すべて失うんやで。だから何よりも信用を大事にするんやで」


この一言が強烈な印象として、私の脳裏に刻み込まれています。