計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

気温の日較差の月別変化

2024年03月25日 | 気象情報の現場から
 新潟県内4地点(相川・新潟・長岡・高田)における「気温の日較差」を月別に「箱ひげ図」の形で集計してみました。

 ここで、気温の日較差とは「最高気温(Tx)と最低気温(Tn)の差(Tx-Tn)」の事です。この値が大きいほど、一日の中での気温差が大きいということです。今回は「平年」に相当する「1991~2020年」の観測値を使用しました。

 相川・新潟・長岡・高田の順にグラフを掲載します。ここで、箱ひげ図の他に記載されている「〇」は外れ値、「×」は平均値を表しています。グラフから日較差の変化傾向を読み取ると、冬と夏は極小となる一方、春と秋は極大となることが判ります。特に春(4~5月)の日較差が顕著です。






 これからの時期は特に体調管理にも注意したい所ですね。
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サクラサク・サクラチル

2024年03月10日 | オピニオン・コメント
 春の足音を感じるこの時期は、受験や合格発表の時期とも重なります。

 試験なのでもちろん「咲く桜」もあれば、「散る桜」もあります。それでも、日々のひたむきな積み重ねは、決して無駄にはなりません。ただ違いがあるとすれば、それは「見える花」になったのか、それとも「見えない糧」として蓄えられたのか、ただそれだけです。

 しかし、蓄積された「糧」はやがて、大輪の花を咲かせる大きな「力」となります。花を咲かせることはもちろん大切ですが、大地にしっかりと根を張ることもまた大切です。目の前の目標に向かって、全力で取り組むことができたかどうか、それこそが「真の価値」なのです。

 受験勉強は確かに大変だと思います。しかし、その努力はただ単に「合格」するのみならず、その後の「高度な学びのための基礎学力」および「自ら学ぶ習慣」を身に着けるプロセスでもあります。そしてこれらは今後の人生の財産となります。これらの基礎・土台を自らの中に構築することにこそ、受験勉強の意義があるとさえ感じます。

 そして、学べば学ぶほど、知識は増し、また視野も広がります。その一方で、自分の知識が未だ微々たるものに過ぎないと言う事実を、あらためて突き付けられます。どこまで学びを進めても「もう十分だ」と思えることは無く、むしろ「まだ全然足りない」と焦燥感に駆られるのです。古代ギリシアの哲学者・ソクラテスが唱えた「無知の知」の境地と言えるでしょう。
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新潟県内の花粉飛散の傾向分析

2024年02月18日 | 気象情報の現場から
 新潟県内3カ所(新潟・長岡・上越)の花粉飛散傾向を調べました。気象要素は「気象庁の観測値」、花粉の飛散量は「環境省花粉観測システム(はなこさん)」を用いています。

 まずは、2009~2020年の年別(各年の2月~5月)の花粉飛散量を集計しました。棒グラフの比較から、シーズンを通しての花粉飛散量は年によって大きく変動することが判ります。また、箱ひげ図の比較からは、新潟よりも長岡・高田の方が多く飛散しています。



 続いて、旬別の平均的な傾向を集計しました。棒グラフの推移から、旬別平均では「3月上旬~4月中旬」が大きな山となるようです。累積比率のグラフを見ると、この時期の大きな上昇カーブが現れているのが良く判ります。



 続いて、新潟県内の花粉飛散量と前年の気象要素の関係について調べてみました。今回は「山間部に多く分布するスギの花粉が平野部に拡散される」過程も考慮し、山間部での観測結果も分析対象に加えました。この結果、前年8月下旬の平均気温および9月下旬の降水量と相関が見られました。

(1)新潟の花粉と新潟・津川の前年気象の関係


(2)長岡の花粉と長岡・守門の前年気象の関係


(3)高田の花粉と高田・関山の前年気象の関係


 ちなみに、気温と降水量を同時に考慮する場合は「重回帰分析」を行うことになります。しかしながら、花粉データについて環境省花粉観測システム(はなこさん)の情報配信サービスが既に終了しております(現在公開されているのは「過去のデータ」のみ)。従って、改めて予測を試みたとしても、その予測結果の検証が出来ません。ここが、ちょっと悩みどころですね。
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2024年02月05日の関東の雪

2024年02月06日 | 気象情報の現場から
 2月5日は南岸低気圧の東進に伴い、関東地方でも大雪となりました。興味深い事例なので、メモとして記事を上げておきます。

 以前、2018年の1月に「南岸低気圧に伴う関東地方の降雪を考えてみる」と言う記事を書きました。まずはその内容を簡単に振り返ってみましょう。

 南岸低気圧の接近時、関東平野に流れ込む南東~北東の風が、北から流入する寒気を堰き止めることがあります。この結果、関東平野では寒気が滞留します。

 また、低気圧に伴う雲から滞留寒気に向かって雨粒が降り注ぎ、これら雨粒が蒸発すると、下層空気の冷却が進みます。これは雨粒の相変化に伴い、周囲の空気から潜熱が奪われるためです。こうして「地上から上空まで」十分冷えた状態が形成されます。

 従って雪から雨に融けにくくなるので、その分「雪の状態を維持したまま」地上に到達しやすくなります。


 さらに、低気圧の後面では融解層も下がるので、上空の降水が雪のまま地上に到達することがあります。この場合は「雪から雨に融けるよりも、地上に到達する方が早くなる」のです。



 さて、件の2月5日は前線を伴った低気圧が日本の南岸を東に進みました。さらに上空の寒気も南下しており、東日本の太平洋側の地域でも、北東の流れに伴う寒気の流入が見られました。



 北東から関東山地に流れ込んだ寒気は、南岸低気圧に伴う南寄りの風によって堰き止める形となりました(この点は冒頭の構図とは異なります)。さらに、上空寒気の南下に伴い融解層も下がったことで、上空の降水が雪のまま地上に到達しやすくなりました。



 2月5日の東京における時系列変化です。正午を過ぎて降水が始まり、気温も「釣瓶落とし」の如く降下しました。上空の寒気の南下に加えて、滞留寒気に降った雨粒が蒸発した効果も合わさって、下層空気の冷却が進んだようです。この結果、地上から上空まで十分冷えた状態が形成されたことで、16時以降には降雪が始まりました。

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続・2024年1月は少雪傾向

2024年02月02日 | 山形県の局地気象
 前回の記事「2024年1月は少雪傾向」の続きです。

 今度は山形県内の5地点における12月と1月の降雪量に関して、平年値(1991~2020年)と今季の比較を行いました。この結果、いずれの地点も今季は平年値を下回っていました。特に、朝日連峰にある肘折では「平年値の5~6割程度」と顕著な少雪となっています。水不足など、今後の影響が気になる所です。



 また、上記5地点の平年(1991~2020年)の月降雪量の変動は次の箱ひげ図のようになります。このグラフと比べると、今季は平年の「第一四分位点」以下となる所が多く、下方の「外れ値」の水準となる所さえありました(平年の変動範囲の25パーセンタイル以下)。



 上空にも目を向けてみましょう。平年(1991~2020年)と今季(2024年)1月の850と500hPa面における気温分布(秋田)を「箱ひげ図」の形で比較しました。今季は、一時的な寒気南下もありましたが、全体的に「上方シフト」の傾向でした。


 そこで念のため、1月の850hPa面気温の平均値について統計的仮説検定(z検定)を試みた結果、有意差(今季>平年)が見られました。この上方シフトは「偶然ではなく必然」と言うことです。


 やはり「1月は暖冬・少雪だった」と言うことですね。
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2024年1月は少雪傾向

2024年01月31日 | 気象情報の現場から
 この冬は暖冬・少雪の傾向にあるため「雪のイベント」にも開催規模の縮小など、影響が出ているようです。

 以前(2019年)、「開催直前の気温上昇のリスク」を想定した「天候デリバティブ」を検討したことがあります(その論文)。これは、山形県米沢市の「上杉雪灯籠まつり」を念頭に、「1か月アンサンブル予報」を応用して天候リスクの評価を試みたものです。


 しかし、現実問題としては、そもそもの原材料となる雪が少ない「少雪のリスク」をヘッジするケースも検討した方が良さそうですね。対応策としては様々なアイデアが思い浮かびます。もし、「天候デリバティブ」のプランを想定すると、期待された利益や効果が得られない場合に、そのダメージを最小限に抑えるというアプローチが考えられます。

 また、天候デリバティブで得られた補償金を元手に、降雪装置などを稼働する方向もあるかもしれません。その場合は諸々のコストと比較して検討する必要があると思われます。


 さて、新潟県内にも目を向けてみます。ここでは上越・妙高・十日町における12月と1月の降雪量に関して、平年値と今季の比較を行いました。棒グラフからも明らかなように、12月の高田を除くと、今季は平年値を下回る傾向が現れています。



 ここで、平年値とは過去30年間(2024年の場合は1991~2020年が対象)の平均値です。そこで、この30年分の「平均値」ではなく「変動の範囲」で比較してみましょう。そこで、平年(1991~2020年)の12月と1月の月降雪量の変動を箱ひげ図に表してみました。


 この箱ひげ図において、この冬の12月、1月の値がどこに来るのかを見てみると・・・12月の高田・安塚を除いては、今季は第一四分位点以下の水準となりました。やはり、この1月は「雪の少ない冬」と言えそうです。
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2023年12月の傾向(山形県)

2024年01月05日 | 山形県の局地気象
 先日の記事「2023年12月の傾向(新潟県)」と同様に、山形県における「2023年12月の平均気温と降雪量の推移」を25日まで調べてみました。

 概ね5日~17日頃までは平年より高温傾向で推移しました。その後、平年より低温傾向に転じると顕著な降雪となりました。4地点のグラフからは、17日頃を境に傾向が大きく変わっているのが見て取れます。





 
 過去の記事「2023年12月の傾向と背景」でも述べたように、12月前半は偏西風のリッジ位相が卓越したものの、後半はトラフ位相が進んできたことで寒気の南下が顕著に現れました。

 そこで、平年(1991~2020年)と昨年(2023年)12月の高層850hPa面における気温分布(秋田)を「箱ひげ図」の形で比較しました。箱ひげ図は4つ並んでいます。左から順に、平年の09時、21時、昨年の09時、21時です。この結果、昨年12月の気温は09時、21時共に「平年よりも高めの傾向」が見られた一方、その範囲は「平年の変動の範囲内」に収まっていました。



 続いて、850hPa面気温の平均値について統計学的検定を試みました。まずは、平年と昨年の各々について、09時と21時を一まとめにして「2標本(2群)検定」に持ち込みます。ここで、各標本(群)ともに標本の大きさは十分に大きいことから「大標本」と見做すことができます。

 従って、標準偏差σを標本標準偏差s(不偏分散の正の平方根)で代用した「z検定」を行いました。この結果、有意差(2023年>平年)が見られました。

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年明け早々の地震

2024年01月02日 | 何気ない?日常
 新年早々に「2024年能登半島地震」が発生しました。まずは、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。

 1月1日は私の住む市内でも「震度6弱~震度4」程度と大きく揺れました。海側ほど震度が大きいように見受けられました。

 さて、今はインターネットを通して、様々な情報を得ることが容易になりました。しかし、SNSなどで拡散される情報は玉石混交です。事実とは異なる情報も含まれているようです。まずは、気象庁や自治体をはじめとする公的機関の発表など、出所が信頼できる情報を優先しましょう。また、地震発生のメカニズムについては「専門家」に任せましょう。

 情報収集という観点では、コミュニティFMラジオを聴くのも一つの方法です。身近の被害状況・避難指示や避難所の案内など「地域に根差した情報」は、コミュニティFMラジオでも放送されています。インターネットのサイマルラジオ経由はもちろん、インターネットをお使いでない方でも携帯ラジオで視聴可能です。

─有事の際にラジオを聴いてもらえるよう、平時は楽しい番組をお届けしている─

 以前、コミュニティFM放送の中で聞いた言葉です。自然災害や事故・火災など、地域における「有事」の際に、身近で役立つ情報を提供するメディアが「コミュニティラジオ」です。

 しかし、日頃からラジオに親しんでいないと、「いざ有事」となっても「ラジオを聴く」ことに思い至らない・・・ということにもなりかねません。そこで、「平時から」ラジオに親しんでもらうために、楽しい番組を放送するのです。

 今は「有事」です。放送スタッフの皆さんをはじめ、リスナーの皆さんも、今、自分にできる事から始めていきましょう。
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2023年12月の傾向と背景

2023年12月27日 | 気象情報の現場から
 前回の記事で述べたように、今年(2023年)の12月は「17日頃」を境に「暖冬」から「寒冬」に転じました。これに伴い、新潟県では21~22日を中心に大雪に見舞われました。

 大気の循環場を見ると、前半は偏西風のリッジ位相が卓越したものの、後半はトラフ位相が進んできたことで寒気の南下が顕著に現れました。さらに冬型の気圧配置と日本海上の収束帯の影響も重なり、一気に冬の景色に染められたようです。



 続いて、12月21日は冬型の気圧配置となりました。日本海上では北風と西風に伴う収束帯(JPCZ)が形成され、付近では対流も活発になりまそた。上空では湿潤域が広がる他、顕著な寒気南下も重なって大気の状態は不安定になっており、大雪や強風なども予想されました。



 12月22日も冬型の気圧配置が続き、その上空では非常に強い寒気も南下しました。また、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が北陸地方にかけて延びており、その付近では対流活動も活発になりました。また、JPCZの動向に加えて、その北側に広がる「Tモード」の雲域の広がりが、平野部中心に積雪の増加に寄与したようです。

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2023年12月の傾向(新潟県)

2023年12月27日 | 気象情報の現場から
 新潟県における「2023年12月の平均気温と降雪量の推移」を25日まで調べてみました。

 概ね5日~17日頃までは平年より高温傾向で推移しました。その後、平年より低温傾向に転じると顕著な降雪となりました。4地点のグラフからは、17日頃を境に傾向が大きく変わっているのが見て取れます。






 一口に「暖冬」とは言っても、必ずしも「高温状態が続き、雪が降らない」と言うわけではありません。もちろん「高温」の時もあれば、「低温」の時もあるのです。そして、トータルの平均を取ると「高温」の側に偏るのです。

 実際の間隔としては「高温の時期と低温の時期の振れ幅が大きい」という所でしょうか。
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「あんまん」にハマる

2023年12月09日 | 何気ない?日常
 いよいよ寒くなりました。「コンビニエンスストア(コンビニ)」のレジ付近に「中華まん蒸し器(スチーマー)」が登場する季節となりました。

 しかしながら、「中華まん」は何年も(少なくとも十数年)食したことがなかったのです。おそらく学生時代?に「肉まん」を食した・・・誰かから分けてもらったものを食した?・・・のが最後だったように記憶しています。当時、私の周囲は「肉まん」派が多く、「あんまん」派は私の他には皆無のようでした。

 子供の頃は「あんまん」と言えば、母に専用(?)の「蒸し器」で蒸してもらったように記憶しています。子供ながらに「手間が掛かる(=何やら難しそう)」と認識していました。

 それから年月が経ち、アルバイトで1年近く「コンビニ店員」として従事しました。スチーマーにスタンバイしている商品が少なくなると、奥の冷蔵庫から新たな「中華まん」をスチーマーの中に補充します。スチーマーに入れた後、一定時間が経過すると販売可能となるのです。

 レジで「中華まん」のオーダーが入ると、スチーマーからトングを使って取り出して、袋に入れて渡すわけです。袋と言っても「直ぐに取り出して食べることが前提」の簡易な袋です。その当時も「専用のスチーマーが必要(=気軽には手が出せない)」と認識していました。

 要は「あんまん」は好きでも「手軽に食せる存在ではない」と認識していたのです。そもそもこの20年近く、コンビニでは「お弁当とデザート」を買うのが定番となっていたので、わざわざそこに「中華まん(あんまん)」を追加するという発想自体ありませんでした。お弁当はコンビニのレンジで温めて貰い、そのまま家に持ち帰って食することになります。

 最近、その生活スタイルも少しずつ変わってきました。最大の要因はやはり6月の「引っ越し」です。旧居ではスペースの都合で設置できなかった「冷蔵庫」と「電子レンジ」を、新居では設置することができました。



 実は冷蔵庫の下に床を守るための「専用マット」を設置しています。また、冷蔵庫自体も電子レンジを上におけるタイプを選びました。これらの家電製品を自分で選んで購入するのは初めての経験でした。

 そしてふと、近くのコンビニで「電子レンジ用の『あんまん』」見つけました。思わず衝動買いしました。おそらく十数年~20年近く振りとなる「あんまん」がこんなにも手軽になるとは。



 後日、近くのスーパーでも「電子レンジ用でも調理可能な『あんまん』」を見かけました。お皿に乗せて、軽く水を掛けて、ラップして、電子レンジで温めるだけで良いのですね。



 ・・・と言うわけで、電子レンジ手軽な「あんまん」にハマりました。
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引っ越しのその後

2023年11月18日 | 何気ない?日常
 暦は11月なので、1年を振り返るには未だ早いかも知れません。しかし、現時点で私の2023年を振り返ってみると「引っ越し」「猛暑」「牛タン」の3つのキーワードが浮かんできます。

 最初の「引っ越し」は6月下旬の引っ越しの事です。7月にアップした記事「引っ越しました」にその話題を記載しております。記事でも触れましたが、新居に入居早々「洗濯機に関するトラブル」が相次ぎました。

 給水ホースの漏水に始まり、蛇口の漏水とパッキン交換、その後は洗濯機本体の漏水・・・結局、洗濯機の買い替えを余儀なくされたのでした。新しい洗濯機や関連する品物が到着するまでの、約1か月に渡り「手揉み洗い」で乗り切りました。

 そこで、洗濯機の新旧比較写真です。左が交換前・右が交換後です。交換の際は洗濯機の下にトレイを置き、かさ上げ台の上に洗濯機を設置する形としました。排水口が床面ではなく、横の壁面から出ている形なので、スムーズな排水を実現するために考えました。



 10月上旬、キッチンの換気扇を回していた所、突然「ブオォォォォォォーーーー!!」と牛の呻き声のような異音が響き渡りました。慌てて換気扇を止め、時間をおいてから再び回すと・・・今度はピタリと動きません。そのまま少し経ってから、おもむろに羽根が回り始め、低速で回りながら「ブオォォォ・・・」と異音を立て始めました。どうやら、寿命のようです。こちらも不動産会社を通して大家さんに報告し、交換して頂きました。

 羽根を付けた状態はこんな感じですが・・・



 羽を外すと・・・年月の長さを彷彿とさせる光景がそこにはありました。



 その後、「牛タン」こと「仙台での学会発表」が終わった辺りから、次第に寒くなってきました。長く続いた「猛暑」や「秋らしくない暑さ」が続いた日々はどこへやら。折しも、天気図上では雪の目安とも言われる「上空1400m付近(850hPa面)で-6℃以下の寒気」も見られるようになりました。



 そろそろエアコンも暖房に切り替える時期がやって来ました・・・と、その矢先に「衝撃の事実」が発覚しました。新居に設置されているエアコン(1993年製)は、型番が古く「冷房専用エアコン」だったのです。夏の猛暑では重宝しましたが、「暖房」の機能は無かったのです。

 そこで急遽「電気ストーブ」を購入しました。見た目は小型ですが、それなりに暖まります。ちなみに、床の上にはジョイントマットを敷いています。



 季節は進み、天気図上ではいよいよ「上空5000m(500hPa面)で-30℃以下」の強い寒気も見られるようになりました。


 そのような時期になっても、裏起毛のタイツを穿くと足元が暖かいのです。
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5年ぶりの仙台にして、初めての牛タン

2023年10月27日 | CAMJ参加記録
 今回は前回の記事の続きになります。但し「難しいお話」は無しにして、単なる「旅行記」として記載します。

 10/23(月)~26(木)の日程で、仙台国際センターを会場に「日本気象学会2023年度秋季大会」が開催されました。

 今大会は「会場(仙台国際センター)とオンライン(テレビ会議システム:zoom)の同時開催」であり、これまではWeb上のオンデマンド形式だった「ポスターセッション」や会場で行われる「口頭発表(オーラル)セッション」も、zoom(ズーム)を介してオンラインで聴講できるようになりました。

 パンデミック以降の学会は、会場に集まる状態(三密:密集・密閉・密接)を避けるため、リモートベースがメインでした。しかし、コロナ5類移行を受けて、少しずつ以前の賑わいが戻ってきているようです。

 私は、1日目~3日目の午前までの部をオンラインで参加した後、仙台へ移動して4日目を会場にて参加しました。そして、4日目に用意されたセッション(専門分科会)にて口頭発表に臨みました。

 ちなみに、前回の訪仙が「日本気象学会2018年度秋季大会」の口頭発表(パンデミック前)だったので、ちょうど5年ぶりの仙台になります。


 10月25日(水)の夕方に仙台駅に降り立ちました。この景色を見る度に圧倒されます。大きなビルに、広い道路、歩いている人の数・・・どれをとってもスケールが違います。


 そして、大きな「SENDAI」の文字。5年ぶりの光景です。駅からそのままビジネスホテルに向かい、重い荷物を置いて街中を歩きます。

 現代にいたる仙台の基礎を築いた伊達政宗公は、和歌などの文化・芸術にも精通した教養人でもありました。街中に出ると、一瞬「ここは東京か!?」と錯覚してしまうような、お洒落な光景も見られました。今もなお仙台の地には「政宗イズム」が根付いているように感じます。


 特に「クリスロード」の賑わいを見ると、かつて歩いた「中野ブロードウェイ」の光景がダブって見える瞬間があります。そして、仙台駅の地下1階のレストラン街へ赴きます。


 今回のお目当て「その1」。人生初の「牛タン定食」です。これまで、何度も訪仙の機会はありましたが、「牛タン」を食する機会はありませんでした。そこで今回は、仙台に来て最初に行うべき事項として「牛タン定食」を予定していました。翌日には学会発表を控えているので、「ひとり壮行会」も兼ねております。肝心の「牛タン」は、食味は「牛肉」でありながら「独特の食感」を堪能しました。なるほど!これが「牛タン」というやつか!


 一晩明けて、26日の朝を迎えました。仙台市営地下鉄に乗って会場の最寄り駅に到着。そう、仙台市には地下鉄が走ってる!!!(感動)


 会場に入ると、目の前にはレッドカーペットの階段が広がっています。その割には人の気配がしません。ちょっと早く来過ぎたようです。口頭発表のセッション開始は午前10時からですが、9時位に会場入りしたのです。まあ、遅刻するよりは良いでしょう。



 今大会の口頭発表は大きく分けてA,B,C,Dの4つの会場があり、各会場が期間中毎日、午前と午後で別々のセッションが用意されました。この他にポスターセッションもオンラインで開催されました。

 ちなみに、私の参加したのは、日本気象予報士会(CAMJ)が企画した「専門分科会3」で「4日目午前のC会場」です。C会場はパッと見でも「140~150席近く」が用意されており、壇上から見た感じでは40~50名位の参加と言った感じでしょうか?とは言え、これは「かなりアバウト」な印象で語っているので、正確な数字は公式発表(あるのかな?)を待ちたい所です。

 ただ、会場に足を踏み入れた瞬間、余りの部屋の広さに圧倒されました。出入口の扉は大きくないのですが、一歩中に入ると、目の前には広大なスペースが広がっていました。多数の椅子がズラリと並んでいたのは圧巻です。やはり、学会発表の舞台ともなるとスケールが違います。

 今回はテレビ会議での同時配信の都合上、指示棒やレーザーポインターは使わず、代わりに「パワーポイントのポインタ機能」を使用するように、と当日指示がありました。実は、パワーポイントのポインタ機能・・・使ったことがありません。この時はさすがに「やばい!」と思いました。結局、「ポインタ無し」で強行突破しました。

 とは言え、発表自体は「全力で挑み、持てる力を出し切った」ので、悔いはありません。今の私はもう「抜け殻」そのものです。

 セッション終了後にCAMJの参加者で記念撮影をしました。後々「てんきすと」に掲載されるのでしょうか?


 昼休みに会場の外に出てみると、秋の晴れた空が仙台の地に彩を添えていました。午後は他のセッションを色々と覗き見て回りました。


 その夜は、また仙台駅のレストラン街で「そば御膳」を頂きました。前日が「ひとり壮行会」なら、こちらは「ひとり打ち上げ」です。


 今回のお目当て「その2」。仙台と言ったらこれでしょう、と言っても過言ではない「萩の月」。土産品として売られていますが、これは「自分用」です。訪仙の度に記念として購入するのが恒例です。後で仙台の思い出と共に美味を楽しむのが至福の一時なのです。
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この秋は「学会の秋」

2023年10月04日 | 計算・局地気象分野
 あの「記録的な猛暑」から一気に秋めいてきました。秋になると「あっという間に日が暮れてしまう」様子を「釣瓶落とし」と言いますが、最近は気温についても「釣瓶落とし」の感があります。

 さて、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋…など、色々な秋がありますが、私の場合は今年は「学会の秋」となりそうです。10月23日~26日の日程で「日本気象学会2023年度秋季大会」が仙台を会場に開催されます。

 この中の「専門分科会」の一つで「GSM地上を用いた新潟県内における降雪量ニューロ・モデルの開発」と題した発表を予定しております。

 昨年10月の記事「学会誌9月号届く」で述べた通り、学会誌「天気」9月号にて調査ノート「ニューラルネットワークを用いた山形県内の気温および降雪量の予測実験」が掲載されました。これは7年振り・2報目の「ニューラルネットワーク論文」です。

 そこで、このニューロ・モデルによる「山形県」の降雪量予測の手法を「新潟県」にも適用して実験を試みました。その取り組みについて、学会の場で報告します。



 ついでに「仙台」と言えば、銘菓「萩の月」を買うのが定番です。
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帝国は戦争によって発展し、戦争によって衰退する

2023年09月27日 | 何気ない?日常
最近(8月から)少しずつ読み進めていた本です。


山﨑圭一 先生, 2018:一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書.SBクリエイティブ,351pp.

 膨大な内容をコンパクトに圧縮しつつも、歴史の流れが掴みやすく解説されています。各章の初めに歴史全体の流れ図が掲載され、また文章の途中にも判りやすい解説図が挿入されるなど、著者である山﨑先生の豊富な経験に基づいた工夫が随所に見られます。

 また、本の記述に加えて「映像授業」を平行して受講することで、理解を深めました。
高校 世界史 映像授業 Try IT(トライイット)新里将平 先生

 こちらは「372本」の動画で構成されています。動画は1.5倍速で視聴すると丁度良いスピードです。詳細な部分についても、ユーモアも交えつつ丁寧に解説されています。このような動画を手軽に受講できるのはありがたいですね。

 世界史(通史)の範囲を「何とか一巡しただけ」なので、まだ語句や名前を覚える所までは達しておりません。ただ、とりあえず歴史の大まかな流れは掴めました。

 振り返ってみると、世界の歴史上、様々な帝国が興亡を繰り返しています。そのプロセスに目を向けると、一つの法則(のようなもの)が浮かび上がってくるのです。それが、今回の記事のタイトル「帝国は戦争によって発展し、戦争によって衰退する」です。

 強大な力を持つ「帝国」は戦争を繰り返すことで「領土」や「植民地」を拡大し、多様な民族を内包して発展します。しかし、ある程度(限界)を超えると、戦争を繰り返す度に国内は疲弊し、財政を圧迫し、さらには内政もぐらつき始めます。やがて、敗戦もしくは国内の革命勃発により、政権の崩壊を迎えるのです。但し、帝国そのものが滅亡するとは限りません。しかし「存続」はしつつも、その影響力は衰えてゆくのです。

 さて、労働組織については「ピーターの法則」が良く知られています。これは、簡単に言えば「能力の限界まで出世すると、そのポジションで無能化する」というものです。

 帝国の発展と衰退についても、ピーターの法則のような「歴史の法則」があるのかも知れません。そういえば、平家物語にも「盛者必衰の理」「たけき者もつひには滅びぬ」とありますね。
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