計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

学会のWeb開催

2020年06月01日 | 気象情報の現場から
 新型コロナ(COVID-19)の影響で会場開催が見送られた「日本気象学会2020年度春季大会」ですが、一部セッション(ジュニアセッション)について急遽、1週間限定で「Web開催」という形式で開催されました。

 予稿・ポスターおよび発表動画がWeb上に限定公開され、大会参加者および関係者は興味のある研究テーマのコンテンツにアクセス&コメントする(Web上のポスターセッションに近い)と言う新しい形でした。実際に参加してみて「これがWeb学会というものか、実に良い!」というのが率直な感想です。

 まず、予稿に加えて、ポスターも発表動画も「自分のペース」で「ゆっくり」と「何度でも」閲覧できるのが良いです。いつものことですが、(発表される内容は)私にとっては「目新しい内容ばかり」なので、1回見聞きしただけでは全体像を把握できないことも少なくありません。

 そもそもが自分が日頃から接触している分野とは異なるので、テーマの内容を把握し、理解するまでにはどうしても時間が掛かってしまいます。従って(周囲の目を気にせず)ポスターをじっくり読み込んだり、発表動画も(自分の都合で)何度も「一時停止」や「巻き戻し」ができるのはありがたいです。

 さらに「時間的制約が強く、遠方からの参加」となりますと、会場開催に参加すること自体が、そもそも困難です。これまで学会発表やCAMJの研究成果発表会なども含めて、日程などの都合がつかずに参加を見送ったことも数知れず。(研究が失敗してまとまらず断念…ならば潔く諦めもつくのですが、そうでない場合はなおさら無念と言うものです)。

 しかし、この形式であれば「時間的・物理的なハードル」を乗り越えることも十分可能です。これが最大のメリットと言っても過言ではないでしょう。

 一方、実際にお会いして意見交換できる「会場開催・リアルコミュニケーション」ならではのメリットもあるのは否めません。やはり、会場ならではの「臨場感」は「Web開催」では感じ取ることができません。あの臨場感を味わうことができるのも、大会参加の一つの醍醐味です。

 また、実際に発表した後の、個別での脱線話などの交流の機会を持ちやすいのも「会場開催」ならでは、かと思います(中にはその場のノリで意気投合して、その日の夜に一緒に飲みに行く方もいらっしゃるとか・・・下戸の私には考えられない展開ですが、素直に憧れます)。

 しかしながら、「時間的・物理的なハードル」を抱えた私にような者にとっては、「Web開催」は新しい参加の形=新しいチャンスのように思えました。
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