Salsa する?

Salsaの力を信じてます。
ココロの核にしみ込んで、カラダの芯が躍動します。

くたばれ鬱病!中島らものバイブル。。

2019-05-14 18:00:18 | 

◇オスの匂いの立ち込める本 「心が雨漏りする日には」◇

夥しい本で敷き詰められた書店の棚。

なぜか一冊のタイトルに、 ふーーと引き寄せられ、何の本かも確かめずにレジへ。

家でじっくり見ると、中島らも氏の本だった。

名前は知ってるが、ずい分前に唐突に死んじゃった人。

初めて手に取った彼の本は、躁鬱病とのデタラメな共生エッセイ。

 

ページをめくり始めると、しまった・・・ トンデモナイ本を買っちまった、、と後悔。

三年前、

母のアルツハイマーと躁鬱が合体、

その特殊な症状に専門医すらお手上げに。

どうしょうもない孤独と焦りが娘のワタシを孤立させた。

だから、 躁鬱には、二度と関わりたくない。。という想いがあった。

だが、 らも氏の筆圧とういうか、潔く晒された壊れっぷりに圧倒された。

躁や鬱は薬で治るとされている。

が、

そうじゃない特殊なケースは、

樹海のように行けども行けども出口が見つからない。

 

らも氏の場合は特殊なケースで、てんこ盛りの矛盾だらけ。

専門医の指導と入院治療する真っ当な見識を持ちながら、

隙あらば、

身体をお酒で満たすことを選ぶ強烈なアルコール依存症。

 

 この二つをミックスすると、 アルコールで丼一杯の薬を流し込む、、という異常が日常になった。

小説やエッセイを書き、

DJやバンド、

そして自分の劇団で興行を打つ。

 

過剰なくらい自分を追い込むことで、

鬱を抑えたと思えば、

ハイテンションの躁に操られ、暴走をし尽くす。

 

普通の人では持ちこたえられない躁鬱の乱気流の中、

過剰摂取の薬と連続飲酒でガンガン仕事をこなしていく。

まるでオスの本能の赴くまま、、という感じ。

だが、らも氏の暴走の行く手には、

躁鬱の大きな洞穴が待っていた・・・

 

◇オスを失う時、、◇

らも氏はワーカホリックになっていた。

お酒をガソリンにして、仕事をする。

しかも眠らない。

でも死なない。

が、 

その代償として、オスを失ってしまう。

失禁、 下痢が止まらず、おむつをして出かけるとか、

男性機能の不能 歩行のふらつき

転倒

意識の混濁

そして

ナルコレプシー

(コントロール不能の突然の強い眠気で昏倒する)

 視力障害で字を書くことも、読むことも出来なくなった。

 

凡人ならココで挫折するが、

コレがダメなら、アレがあったを思いつく。。

らも氏が語り、妻が筆記というスタイルで、次々と本を出した。

52歳の突然の死まで。

 

躁鬱の一切合切をドーーーーンと綴った「心が雨漏りする日には」は、

反響が予想以上に大きかった。

樹海で彷徨う患者の深い孤独感に、響いたというより、

寄り添ったのかもしれない。

 

らも氏は オスとして、

どこまでも無茶なオスであり、スゴク優しい。

小豆相場のようにデンジャラスなのに、

懐に深く沁みる優しさを持つ人だから、

支えられる人たちに恵まれたのだと思えた。

 

そして

無茶苦茶なエッセイの中に散らばる鬱病へのあったかい手は、

こうだった。

 

◇あったかい手 ◇

1 薬は凄い!薬を飲めば、治る。

2 ナニカに依存してもイイじゃないか。。 

3 時間に圧し潰されないこと。

4 結論の先送りをする。

これは、 躁になると自殺する元気が出てくるための防衛策。

「 明日になってから考えよう。。」

 時間の先送りという思考が、抑止力になる。

5 保健所の精神保健相談に行け!

 全ての精神科医がオールマイティではない。

躁鬱のケースによって、得意とする医師を探してもらう。

この本を読み終わって、不思議な安息があった。 内容は乱気流なのに、癒される。 多分、ワタシだけじゃないと思う。
ダンス・バレエランキング←ブログランキングに参加してます!応援クリックは励みになります。ヨロシクお願いします(^^ゞ 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
中島らも・・・ (kiyasume)
2019-05-15 12:59:40
中島らも氏は確か最後は麻薬に走りましたよね・・・

彼は短い一生だったけど、よく頑張って生きた
と言う印象を持っています。。。

私も鬱を経験したものでして・・・・
精神的な病は心がズタズタになります・・・・

それ以来、私の愛読書は「ユング」です。。。

熱量の凄さ。。 (gumrie)
2019-05-15 17:57:23
こんなに
熱量の凄まじい人は
お目にかかったことないです。。

言葉の力で読み切ってしまいました、、

鬱は
徹底的に自分を苛む苦しさがあり
出口がない

中島らも氏の壮絶な共存は
前代未聞の偉業に近い、、と思えました

kiyasumeさん
コメントありがとう<(_ _)>

コメントを投稿