【2019年橋下セレナ生誕祭】千葉駆が考える理想のデート・全3編【便乗短編集?】 | あるひのきりはらさん。

【2019年橋下セレナ生誕祭】千葉駆が考える理想のデート・全3編【便乗短編集?】

 ありがたいことに、キャラの誕生日にイラストを描いていただけたので……キャラ誕3周目は、そのイラストや動画などから浮かんた短文を量産してみようかと思います!!

 なお、霧原の思いついた順番で書いていきます!! それではレッツゴー!!

 

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■千葉駆が考える理想のデート・待ち合わせ編

 

 千葉駆の想い人・橋下セレナは、福岡県福岡市に住んでいる。

 彼が住んでいる宮城県石巻市から、直線距離でざっくり1000キロ。会いにいくだけでも大変な距離なのだが……だからこそ、会えた時の喜びはひとしおだ。

 

「――駆っちー、こっちこっち!!」

「あ、セレナちゃ――!?」

 とある冬の日、連休初日の福岡空港。到着口から出てきた彼を明るい声で出迎えたセレナの声に、条件反射でそちらを向いた彼は……視線の先にいた彼女の姿に、思わず目を見開いて硬直した。

 長い髪を揺らしなながら、片手を上げて近づいてくる彼女は、鮮やかな水色のワンピース。少し肌寒いくらいの気候を気にすることもなく、笑顔で彼の方へ近づいてくる。

「せ、せせせセレナちゃん!? 上着も着ないで風邪引いちゃうよ!?」

 荷物をほっぽりだして狼狽する彼へ近づくセレナは、どこからともなく上着を取り出して自分の肩にかけると、「流石に上着は着てきたよ」と、口元を綻ばせる。そして。

「再会はインパクトが大事やけんね。駆っちに私のことを思い出してもらわんと」

「えぇっ! せ、セレナちゃんのことは忘れたことないからっ……!!」

「ムフフ、それは嬉しかねぇ……」

 刹那、自分で言っておきながら耳まで赤くする駆を、セレナは笑いながら肘で小突いた。そして、視線が定まらない彼を見据え、改めて笑顔で出迎える。

 

「ようこそ福岡へ。いっぱい、楽しもうね」

 

 

参考にさせてもらったもの

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■千葉駆が考える理想のデート・動物園編

 

 その後、駆がビジネスホテルへチェックインを済ませた後、2人は福岡市内にある動物園へと向かった。

 福岡市が経営していることもあり、手頃な価格で様々な動物を楽しめる場所として、多くの市民に親しまれている。駆はセレナの案内で隣を歩きながら、動物よりも彼女の横顔を見つめる機会の方が多くなっていた。

 そんな折……。

 

「……あれ?」

 園内の歩道で立ち止まったセレナが、頭上にある木を見上げて首をかしげる。

 駆もつられて見上げてみると、視線の先にある枝に、黄色いオカメインコがとまり、こちらをじぃっと見ている、気がする。

「ど、どうしてインコがこんなところに……!?」

 確かに動物園なのでカラフルな鳥がいてもおかしくはないが、放し飼いにされているとは思わなかった。狼狽する駆に、セレナがちょいちょいとある一点を指差す。

「あの網目の穴から逃げてきたみたいやね」

「え? あ……」

 セレナが指を指した先には、ドーム状の金網で覆われ、中で鳥が放し飼いにされているエリアがあった。その一角に比較的大きめの穴が空いており、オカメインコ程度の大きさであれば、何かのはずみで脱出出来そうな気はする。

「どうしようセレナちゃん……係の人、呼んできた方がいいかな」

「そうやねぇ……」

 セレナもまた、周囲を見渡しつつ……再びインコに視線をあわせると、そっと、そちらへ向けて手を伸ばしてみせる。

「セレナちゃん……!?」

 驚いた様子の駆に「しーっ」と笑顔を見せたセレナは、鳥の方へ伸ばした指先を見据え、一度だけ頷いた。

 

 次の瞬間、枝に止まっていたインコが羽ばたいて……セレナの指先へと静かに着地する。

 とても絵になる1枚。思わずシャッターを切りたくなるほどに。

 

「セレナちゃん、凄いね……鳥、飼ってるの?」

 マジマジと彼女を見つめる駆に、セレナは首を横に振った。

「ううん。動物園の中の鳥やけんが、人に慣れとるのかなって。人懐っこくて可愛かねぇ……あ、駆っち、あっちにおる係の人、呼んできてくれるやか」

「う、うん、分かった……!!」

 我に返った駆は、インコを驚かさないようにそっとその場を後にしつつ……鳥と美少女の親和性の高さに、ニヤニヤが止まらないのであった。

 

 

参考にさせてもらったもの

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■千葉駆が考える理想のデート・翌日編

 

 福岡で一泊をした翌日、朝の10時過ぎ。

 天神で待ち合わせたセレナは、昨日とはうってかわって、より秋冬めいた格好で彼の前に現れた。

 

「せ、セレナ……ちゃん……?」

「なになに駆っち、髪型をちょっと変えただけなのに、私のこと、分からんくなったと?」

「そ、そんなことないから!! ないけどちょっとびっくりしただけだから!!」

 誠実に否定しながら頷く彼に、セレナはとても楽しそうに笑いながら……左手に持った黒のショルダーバッグを肩にかけ直し、上目遣いで彼を見上げた。

「じゃあ、早速行こうかね。飛行機の時間もあるとやけん」

「あ、そう……だね」

 リミットを意識すると、急に寂しさが押し寄せる。言葉の歯切れが悪くなった駆を気遣うように、セレナは努めて明るく声をかけた。

「今日も駆っちにはいっぱい福岡を楽しんでもらうっちゃけんね。いつか住みたいって思ってもらえるくらいにっ!!」

「えぇっ……!?」

 駆は驚きと共に口走りそうになった言葉を飲み込んで、これからの予定を語る彼女の横顔を見つめる。

 

 いつかじゃなくて、もう十分……ここに住みたい理由があるけれど。

 それを口に出して期待させるのは、残酷だとも思うから。

 だから……今は、せめて。

 

「――よしっ!! 俺、福岡の良いところをいっぱい見つけて、帰ったら政宗さんに自慢するから!!」

「ムフフ、頑張ってムネリンを悔しがらせてね!! って……それ、どういう勝負なん?」

 首をかしげるセレナの隣で、駆は一人、決意と共に空を見上げる。

 いつか――いつか、この空の下で、彼女と共に過ごせますように。

 

 

 ……という福岡旅行を妄想しながら、駆は一人、職場で記事の校正に追われるのだった。

「あー!! 俺も福岡に行きたいですよ政宗さーん!!」

 

 

参考にさせてもらったもの