【2020年バレンタイン小話】味見係の特権【女子不在】
※これから始まるバレンタイン小話に、女子は出てきません。
※女子は、出てきません。
※これも全て、投票企画の結果なんです。
東北▽右下の霧原@frosupiひっそり結果が出てました。投票などしてくださった皆様、ありがとうございますー!! 票数と割合で考えると、華蓮よりも統治(いいねの数)が多いことになるので…… 2020年バレンタイン、政宗にチョコを渡すのは統治です!! ……なんだこれ!!(笑)
2020年02月11日 00:31
※ごめんなさい。
※バレンタイン当日の話じゃないです。
※反省してますん。
※前日譚ボイスドラマはこちら→https://mqube.net/play/20180214749747
※ミニキャラのイラストは、狛原ひのさんです。ありがとうございます!!
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バレンタイン間近のある日、お世話になっている人のために手作りチョコレートを用意しようとしていた名杙統治だったが、妹の心愛からキッチンを追い出された。
「いいから出ていって!! とりあえず3時間くらいどっか行ってて!!」
激しく拒絶されて閉ざされた扉。閉まる直前、その場に居合わせた透名櫻子が申し訳無さそうな顔をしていたが……彼女が止めに入らないということは、櫻子も心愛側ということになる。要するに、自分の味方ではない。
とはいえ。
「……」
このまま……自宅のキッチン前で律儀に待つのは時間が勿体ない。
と、いうわけで。
統治は材料一式を持って、自由に使える第2の台所がある政宗の部屋へと向かった。
「これだけチョコのニオイがすると、バレンタインって気がするよな」
二つ返事でキッチンを明け渡した政宗は、チョコレートを湯煎している彼の隣に立つと、ボウルの中を覗き込む。統治は特に表情を変えることなく手を動かしながら、頭の中で誰に何を渡すのかを数え始めていた。
「なぁ統治、今年は何を作るんだ?」
「チョコクランチだ」
「おっ、美味そうだな。ケッカも俺も大喜びだ」
こう言って楽しそうに笑う政宗を、統治は横目でみやり……ため息交じりに呟いた。
「……もらえる前提で語るのはおこがましくないか?」
刹那、政宗が口をとがらせて反論する。
「何だよ統治、俺とケッカに渡すチョコはないっていうのか?」
「予定は未定だ。確実に渡すべき相手を優先した場合は、どうなるか分からないからな」
「分かってるよ。ただ、俺は味見係だから、絶対に一つ食えるけどな!!」
そう言って胸を張る政宗に、統治はジト目を向けるしかない。
どうして彼はこうも自信満々に、こんなことを言ってのけるのだろうか。
「味見係など、頼んだ覚えはないんだがな……」
呆れ混じりに言葉を紡ぐ統治に、政宗は首を横に振った。
そして、過去から得た確証と共に彼を見つめ、自信満々に口を開く。
「統治、チョコの出来を客観的に教えて欲しいって、毎年絶対味見させてくれるんだぞ。今、この部屋には俺と統治しかいないんだから、今年も俺が味見係になるのは確定事項なんだよ」
「……」
「今年も一番に食べられるの、楽しみにしてるよ。勿論、俺の評価は甘くないからな」
そう言って屈託なく笑う彼に、統治は思わず毒気を抜かれて……肩をすくめた。
同じ時間を多く過ごしてきて、良い意味で遠慮をしない彼に味見をしてもらえば……今年もきっと、誰に渡しても恥ずかしくない一品に仕上げることが出来るから。
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……これでいいのかな?(笑)
投票企画にご協力いただいた皆様、ありがとうございました!!