【エンコサイヨウ】創作的父親のお話【父の日】 | あるひのきりはらさん。

【エンコサイヨウ】創作的父親のお話【父の日】

 今日は「父の日」ですね。霧原もあげたりお膳立てしたりしながら1日を終えようとしています。

 さて、そんな日に書くブログは小説ではなくて……自作小説『エンコサイヨウ』に出てきた父親キャラを、簡単に振り返ってみようと思います。

 なんでそんなことするかっていうと……霧原が忘れないようにするため父親キャラの性格を思い返してみると、全然違うなーと思ったからです。作品を知らなくてもきっと大丈夫。よろしければお付き合いくださいまえ。

 

【前提】

 霧原自身も1人の親ですが、児童虐待を正当化するわけではありません。

 

■母親バージョンはこちら■

 

 

■手をくださない父親:山本慎吾

 主人公・ユカの実父に関しては、小説第7幕で登場させました。彼に関してはサイコパス的なというか……とにっかく口がうまい人にしようと思って。自分でも母親をやってみて何となく分かったのは、外部に理解されないのは割り切れるけど、内部に理解されないのは逃げ場もなくて本当に辛いな、ということでした。ユカの母親には悪いですが……悪意なく追い詰めていき、相手が自滅する、そんなキャラにしたかったんです。真綿で首をしめる感じですね。

 最初は色々理屈をつけてユカを監禁している父親にしようとか、母親の再婚相手で幼女に手を出す義理の父親にしようとか思ってましたので……それを考えると丸くなったなぁと思います。(そうか?)

 

■可哀想な父親:政宗の父親

 名前が……ない。名字は佐藤さんです。政宗の父親は彼の母親が彼を妊娠中に事故死するという不運の持ち主なので、可哀想だなって思いました。(小並感) 政宗の育ての親でもある彰彦と兄弟なので、まともな感覚・感性の持ち主です。写真とかあったのかなーと今ふと思いましたが、結婚後の写真は母親が自分で見るためだけにアルバムに片付けて、息子には見せてなかったんじゃないかなと思いました。だから政宗は父親の顔を知らな……いのは可哀想なので、どっかでなんか救済してあげたいですね。予定は未定です。

 

■厳格な父親:名杙領司

 名杙現当主のお父様は、和服が似合う厳格な人をイメージしてます。大きな組織を守るための厳しさと、何とか次世代に良い形でつなげようとする優しさを持った人だと思ってますが……あまり出番がないし、次に出る時は割と敵方ポジションなので(苦笑)、統治が父親の背中を見て感慨深くなるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

 悪い人じゃないんですよ。ただ、しがらみが多すぎて良い人にもなりきれないところがあるのは……本人も歯がゆいだろうなと思います。頑張ろうお父さん、息子に家督を譲るその瞬間まで!!

 あと、多分今後自分で声を付けることはないだろうという大前提で書きますが、彼の脳内CVは山寺宏一さんです。

 

■子煩悩な父親:名倉陽介

 名倉家は絶対善として書いているので、陽介さんはめっちゃいい人です。具体的にどれだけいい人かと言えば、ドン引きするくらい面倒くさい名杙家の長女を嫁にもらい、理英子の面子を保つために名杙の家業を守りながら自分は外で働いて外貨を稼ぎ、知人の息子(仁義)を引き取って一緒に育てちゃう器の持ち主です。強いな。

 名倉は名杙の分家の一つなので、陽介さんも『縁故』能力者です。でも、『縁故』能力に頼らず外で働いているのは、子どもに「こういう選択肢も選べる」ということを身を以て証明しているから。なんていい人なんだ。(自画自賛)

 

■不幸な父親:仁義の父親

 名前をど忘れしたのですが(調べろ)……仁義の父親も作品の都合で早々に退場していただいた、不幸なお父さんです。生きてればインテリイケメンハーフだったはずです。Go◯gle的なグローバル企業に勤めていたという設定なので語学も堪能だったでしょう。仁義の地頭の良さや空気を読める能力は父親譲りだと思ってます。成長した里穂と会わせたかったな……絶対優しく出迎えてくれたはずだ……。

 

■存在が空気の父親:蓮の父親

 名前忘れたのですが(だから調べろ)、6幕で一切登場しなかったくらい空気です。空気砲ぶっ放してます。

 意志がない人です。名波は女性が強い家系なのかもしれませんね。ぜんっぜん意志がない人です。名杙にヘコヘコするのは得意です。きっと慶次の取り巻きその10くらいです。腰巾着……!!

 

■凛とした父親:阿部輪太郎

 倫子の父親です。教師という仕事は倫子のキャラを優等生キャラにしようと思った時から紐付いていたのですが、彼もまぁ……作品の都合上、退場していただいたお父さんです。

 性格は真面目。なんかもう真面目で家でも仕事のことを考えているような印象です。だから倫子自身が思いっきり甘えられなかったことも多かったはずなのですが、そこに対して恨み言を言わない倫子は強い子だと思いました。

 阿部家に関しては、倫子役をお願いしている碧山さんが本文中の倫子のセリフを読んでくださったものがあります。彼女の言葉を、彼女の声で、改めて聞いてみてください。

 

■したたかな父親:名杙慶次

 めんどくせーーーー父親です。(笑)ゲスな行動を心がけていますが、霧原はいまいち好きになれません。(どういうことなのか)

 彼は華と桂樹の父親であり、2人に慶次の遺伝子が半分入っていることを考えると……慶次の頭の良さや人当たりの良さが遺伝したのかなと思いました。彼に関しては「最終的にどんな手を使っても勝つ」という強い意志で動いているのですが、まぁ……いずれしっかり清算してもらうつもりですので、今後を生暖かく見守ってやってください。

 余談ですが名前の由来は、霧原の脳内CVが藤原啓治さんだったのでこうなりました。ご冥福をお祈りします。

 

■政宗の父親:佐藤彰彦

 こう書くしかないじゃん……というくらい高い支持を獲得している彰おんちゃん。えぇ、霧原も未だに彼の退場を心底後悔しています。(苦笑)

 政宗との間には、確かに親子の絆がありました。実は霧原が第7幕の中で特に印象に残っているセリフは、政宗の

 

「俺の父さんは、立派な人でした。最期まで……親として俺を想って、守ってくれた。貴女は……あなた達夫婦は、最期まで親になりきれなかった、俺にはそうとしか思えない」

 

 なんですよ。本編の時間軸で、過去の回想ではなく第三者の前で、彼がようやく彰彦を「父親だ」と自分の言葉で言ったんです。言えたんです。主人公はユカなんですけどこのシーンに関しては政宗の見せ場でした。良かったねぇ……!!

 『お父さん』って色々な形があると思いますが、政宗にとって彼は最良で最適なお父さんでした。霧原が第1幕を書いた時は政宗がどうしてこんな性格なのか自分でも分かっておらず、家族構成も曖昧でした。第3幕で彼を掘り下げるために書き始めたところで初めて脳内に彰彦が出てきて、『佐藤政宗』というキャラクターの過去と今を一瞬でつなげてくれたので……あぁもう本当に彼は政宗のお父さんだなって……。(語彙力が消えた)

 

 彰彦は死後、『遺痕』になっていたところを領司に切られたので、もうどう頑張ってもこの世にはいないのですが(名杙本家に切られると二度と復活出来ないという設定があります)……彰彦との思い出を誰かに語る政宗を通じて、彼の姿を今後もちょくちょく書いていきたいと思います。だから思い出を教えてね、政宗。