ブリコラージュ

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先生!ぼくは違うやり方で解きました! あとがき

2019-08-10 09:01:59 | 中学受験

昨日教室に新刊10冊が届きました。改めて読みなおし、より多くの指導者に読んでもらいたい気持ちを強く持ちました。その気持ちをありのままに記した「あとがき」を掲載します。

 

 

あとがき

 

本書に掲載されている子どもたちの解き方のすべては、私のブログ「ブリコラージュ(旧名よりともの算数)」に一度掲載されたものです。お世話になっているポータルサイトgooによるとブログ開設から本日で3569日(7月1日付)になるそうです。つまり9年と282日、約10年になります。「10年ひと昔」の言葉が今の自分の心境に妙にマッチするので少し回想してみます。

出版のご縁は今回で8回目となりますが、初回は学研(学習研究社)様からの「算数合格コツブック」(2009年11月初版)でした。書いて伝える媒体であるブログを始めたのもその原稿書きがきっかけです。もともと文字にする作業は嫌いではなく、書き記すことで自分の考えを再確認できるため、現在も講演会や保護者会準備の原稿を書く時は心地よい緊張感があります。今もまさにその気持ちで言葉を選んでいます。

 

今年で算数指導に携わってから学生時代の家庭教師も入れてちょうど40年になります。本書で紹介しているのは近年10年間での出来事の内容となります。約10年間でたくさんの出会いがあり、子どもの無限に広がる発想、ひらめき、工夫を学ばせてもらいました。1つの問題に対しての解決法は複数存在します。いろいろな発想から解き方は生まれます。算数の指導をしていて難しいと感じるのは、生徒一人一人にとってどの発想が受け入れやすいのかという点です。子どもの発想と大人の発想は同じではありません。解き方を教えることはできてもその発想をその子が受け入れることができるかどうかは別ものです。

指導とは指して導くと書きます。算数指導の本質は問題の解き方を教えるだけではなく、その子にとって次に生かせる発想や工夫を示してあげることだと思います。指導の背景には子どもの能力の高さやすごさを知っておく必要があります。多くの指導者は答えが導き出せればそれでよしとする立式重視で結果を教える傾向が強くとても残念に思います。

子どもは自力で解決する素晴らしい能力を無限に持っています。そしてその解き方はその子が生みだした紛れもなくオリジナルな発想です。指導する側が、大人の都合の発想だけで教え込むようなことはしてほしくない。もっと子どもの能力を引き出すように子ども目線を大切にした無理のない発想で解決していく。そのような方向性に指導者が意識を持って頂くきっかけになれば本書の授業進行役としての任務は完了です。

 

最後になりましたが、本書に掲載しました解き方を発表してくれた子どもたちに感謝の意を表したいと思います。栄光ゼミナール中田校、鷺沼校、難関ゼミ、桜蔭ゼミ、Z会エクタス自由が丘校、横浜校、成城学園校、渋谷校、算数ヒラメくらぶ、それぞれで算数ワールドの同じ空間を過ごしたみなさん、素晴らしい発想をありがとうございました。みなさんのますますのご活躍を願っています。

 

令和元年7月吉日

櫻井頼朋

 

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