これから将棋をはじめるという生徒さんに、駒の動かし方や将棋のルールを覚えてもらうのは、意外に大変です。説明ばかりでは生徒さんも退屈になってしまうでしょう。そこで、カクザンは、駒の動かし方をとりあえず覚えたら、すぐに実戦練習に移るべきと考えています。
「成り」や「詰み」、「行き場のない駒」や「二歩」といった反則手は、実戦練習の中でその都度説明していくことになります。
ここで困るのが、初心者には駒が多すぎるという問題です。盤上の駒が多ければ多いほど、初心者はどの駒を動かすのが良いのかが分からず、迷うばかりで、一局を行うのにとても時間がかかります。将棋は次の手を考えて指すことが大事ではあるのですが、将棋を覚えたての段階では、考えることよりも、とりあえず駒を動かして慣れることが大切です。指で駒をつまんでパチリと指す。これを繰り返すことで、個々の駒の動かし方をまさに体で覚えることができます。自転車に乗れるようになった人が、一生、自転車の運転ができるのと同じで、体で覚えた感覚というものは忘れないものなのです。この練習こそが、もっとも最初の上達ステップとなります。
さて、将棋を覚えたばかりの生徒さんが実戦練習を行う場合、いきなり「平手」からスタートするのは得策ではありません。駒数をうんと少なくすることで、一局に要する時間が大幅に短縮され、反復練習をすることが可能になります。
具体的な方法は色々考えられると思います。カクザンは当初、「裸玉」とか「10枚落ち」といった駒落ちの手合いを採用していましたが、これだと、下手側の駒が全部揃っていて多すぎることに気がつきました。なので、現在では「トンボ」という手合いをよく採用しています。
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