将棋上達のステップ(その6) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は津山おもちゃ図書館将棋教室が5/5(日)、高島教室が5/19(日)の予定です。

これから将棋をはじめるという生徒さんの将棋上達法を考察しています。

 

一番最初のステップは、駒の動かし方を覚えてもらうことで、ここだけは生徒さんにクリアしてもらわないと先へは進めません。

 

問題はここからで、他の諸ルールの説明に向かうのか、いきなり実戦練習に入るのかが最初の分かれ道になります。カクザンのオススメは後者の実戦練習であることはこれまでご説明したとおりです。講師との実戦練習を通じて、その都度、「成り」や「詰み」についての説明を行い、「二歩」や「行き場の無い駒」といった反則手の説明も随時行っていくというイメージです。

 

さて、高島&操山教室では共通の対局カードを使用しています。対局カードには、その日の教室での対戦相手、手合割、勝敗結果が記録されていきます。対戦相手は他の生徒さんのこともあれば、対戦に参加いただいている保護者の方であったり、もちろん講師のこともあります。一回の教室での対局数は多い生徒さんで10局、少ない生徒さんで2~3局といったところでしょうか。一局終わることに、対局カードに勝敗結果が記録されるのですが、「○」がつくと、その生徒さんは大喜びで、保護者席で待つパパやママのところに報告に行く姿はとても微笑ましいものです。教室終了後、対局カードは持ち帰ってもらっていますが、帰り道での話題は自然とその日の勝敗結果になると思われます。

 

実は、ここでとても重要なポイントがあります。それは、講師対超初心者の生徒さんの対戦のやり方です。この手合いは「トンボ」とか「裸玉」、「10枚落」といったことが多いのですが、講師は決して生徒さんを打ち負かしてはなりません。

 

実は、この点については、将棋教室講師の間でも、大きく意見の割れるところで、講師によっては、「指導対局は絶対に手を抜かない」主義の方も多数いらっしゃいます。しかし、カクザンの考えは違います。

 

中級者以上のある程度棋力の高い生徒さんに対しては、「手を抜かない」指導法が非常に有効で、負けても「なにくそ」と、何度でも立ち向かってくるのでどんどん上達します。こういう生徒さんに対しては、講師が手ぬるい手を指すことは「百害あって一利なし」です。しかし、相手が超初心者の場合には話が違ってきます。超初心者を相手にする時の講師の大切な心得は、その生徒さんが将棋に興味をもち、将棋を続けてみたいと思ってもらうことを優先することだと思うのです。要は相手によって、指導方法も変わるということです。もし、超初心者の生徒さんを相手に、講師が徹底的に打ち負かしてしまうとどうでしょう。その生徒さんは将棋が嫌いになって、二度と将棋教室に来なくなってしまうかもしれません。

 

また、その日の対局カードの勝敗が全部「●」だったらどうでしょうか。分かりますよね。講師対超初心者の対戦には、生徒さんに全敗で帰らせないという意味合いもあるのです。ところが、そういう対局で講師役が勝ってしまうケースが発生すると、手合係はあわてます。途中からだと、良い相手との組合せが困難になってしまうことが多いのです。手合係に迷惑をかけないためにも、講師役の方にはくれぐれもご協力をお願いしたいところです。

 

実は超初心者を相手に講師役が上手に負かされるためには高度とはいかないまでも、ある種の技量が必要です。例えば「裸玉」といった手合割であっても、超初心者が相手の場合なら、普通に指していて講師側が勝ってしまうと思います。そんなバカなことはないと思われる人がいるかもしれませんが事実です。ところが、「どうやって負けたらいいのか分からない」とか言いながら「勝ってしまいました」といって対局カードを持ってくる講師役の方が以前は多かったです。そのたびに「ダメじゃないですか!!」とカクザンは泣いていましたw

 

今回は特別に、講師役の方が超初心者を相手に上手く負かされるコツの一部を公開いたします。

 

それは、「自玉は決して上へいってはいけない!」です。

 

上手の勝ちパターンは「玉」の上部脱出です。「中段玉」になった時点で、下手の棋力では上手玉を捕まえることは相当難しくなっています。

 

また、これを言っては身も蓋もないのですが、こうした手合は一局に多くの時間を割く価値はありません。できるだけ短時間で終わらせるよう、上手にヒントを与えながら、はやく詰まされることが大事です。そして、一局でも多く、他の超初心者の生徒さんとの実戦対局をこなすことが初心者教室では大事なのです。上手側が「玉」を上へ上がっていくのは、その対局にかかる時間が長引くだけで、時間がもったいないのです。

 

 

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