昨日の最終問題(その4・完) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は津山おもちゃ図書館将棋教室が4/20(土)、高島教室が4/21(日)の予定です。

11/22(日)の操山こども将棋クラブ(以下、操山教室と表記)で出題予定だった「次の一手」問題を解説しています。図1の後手玉には詰みがありますが、自玉が安全な場合には、無理に詰ましにいく必要はありません。下手な王手をかけて、相手玉を安全地帯へ逃がしてしまうのが一番まずい展開です。それよりも、「詰めろ」をかけておくのが、安全な勝ち方になります。最後に「詰めろ」のかけ方について検討していきたいと思います。

 

(図1)

 

図1からは色々な「詰めろ」が考えられます。

 

一番分かりやすいのは▲5一銀(参考図1)や▲5三銀(参考図2)だと思います。これらは後手の守り駒(角)を攻める好手で、後手は△同角と取ることができません。次に▲4二龍とすれば後手玉は即詰みです。

 

(参考図1 ▲5一銀まで)

 

(参考図2 ▲5三銀まで)

 

高野秀行六段のオススメは▲4四歩(参考図3)です。一番安い駒である「歩」で「詰めろ」をかけることができるなら、それが一番得だというわけです。この手は次に▲4三歩成~▲4二龍までの「詰めろ」になっており、後手が△4四同歩としても、▲4三金~▲4二龍でやはり即詰みとなります。

 

(参考図3 ▲4四歩まで)

 

 

 

では▲4一金や▲5三金(参考図4)のように、「金」を使う手はどうでしょうか?これらはどちらも次の▲4二龍までの「詰めろ」にはなっていますが・・・。

 

(参考図4 ▲4四歩まで)

 

○参考図4以下の指し手:△3三玉、▲4二龍、△2四玉、▲2五銀、△1五玉(失敗図)

 

「金」を最初に使ってしまうと、後手に△2四玉と逃げられた時に、「頭金」の▲2五金が打てなくなってしまいます。なので、「金」はトドメに残しておくのが良いのです。

 

(失敗図 △1五玉まで)

 

「頭金」は実戦でもよく現れる重要な「詰み形」です。有段者は色々な「詰み形」を知っていると思われるかもしれませんが、カクザンの終盤戦での狙い筋はほとんど「頭金」と言っても過言ではありません。どう攻めていけば「頭金」の形に持ち込めるか?そればかり考えているのです。なので、持ち駒に「金」と「銀」があったとしたら、「金」から先に使う手はあまり考えません。「金」はトドメに残しておかないと「頭金」が打てなくなるからです。

 

もちろん、実戦では例外もあって、先に「金」を打つ手が正解となることもあります。でも、そうしたケースはとても少ないので、初級コースの生徒さんはあまり気にしなくてもよいと思っています。

 

「『金』はトドメに残しておく」。これだけで随分戦いやすくなるはずです。実戦練習での参考にしてください。

 

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