巷ではどうぶつの森が、いや巷どころではない、全米のゲームランキングで1位になったらしい。皆がゆるい世界にハマっているということを思うと、少しホッとする。

 ふと足元を見てみれば、我々が今置かれているのは天気が良くても自由に外出することもままならず、自宅軟禁生活のような状態がいつまで続くのか、まるで見通しが立たない状況だ。今後の仕事がどうなるのか、ちゃんと生活できるのか、どこまで耐えられるのか……。ストレスばかりが溜まり、ネット上には愚痴や文句などネガティブなコメントも少なくなく、ともすれば何かに当たり散らしたくなる人たちも一定数いるに違いない。そんな中では、とにかく相手を倒す格闘系のゲームとか、何かしら打ちまくって、これまた相手を倒すようなゲームが流行ってもよさそうなものだが、それとはまったく逆の、とにかく日々平和な、のほほんとした世界の広がるどうぶつの森が支持されていることは、皆相当疲弊しているとも言えるのかもしれないが、それ以上に何かしら救いを感じる。皆が癒しを求めているということなんだろう。

 ちなみに小生、普段ほとんどゲームをすることはなく、また1位になった「あつまれどうぶつの森」自体をプレイしたことはないが、以前のどうぶつの森には、まだ娘が小学生のころに買い与えたニンテンドウDSにて、少しの間触れたことがあり、どうぶつの森の世界自体はそれなりに知っているつもりだ。と言っても、当時小生は週末のみ自宅に帰る生活をしていたため、草取り(ゲームを立ち上げないまま放っておくと草が生えてしまう)のために立ち上げるようなものだったが……。それはともかく、世界観がいい。変な争いもなく、妬みや嫉みもなく、とにかく平和な世界に身を置くような感じ。それでいて、こだわるところは徹底的にこだわっている。中でも小生お気に入りはシンガーソングライターのとたけけクン。土曜の夜に現れ、ライブをしてくれる。結構な数のレパートリーを持ち、リクエストにも応えてくれる。「アーバンけけ」など、ゲームの中の楽曲とは思えないほどカッコいい。ちなみに、ネットで「アーバンけけ」を検索してみたら、案の定カバーした動画が数多くヒットし、世界中にファンが見つかったから、それなりに同じ思いをする人がこの世の中にいたことにつながりを感じたものだ。久々にアーバンけけを聴いてみようかしらと思ったりする。

 それにしても、この事態はいつまで続くのか。早く明るい兆しが見えてこないかしらと、今年も帰ってきてくれたツバメさんたちに救いを求めつつ思う。