雨の東京とサザンオールスターズ

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20代の頃はよく東京に行っていた。たまには仕事でたまにはプライベートで。
同じ会社の本社の女の子とデートしたこともあった。私が知り合った女性の中でもとても素敵な女性の一人だった。彼女は東大卒だったのだが、私は特別扱いせずに普通の女の子として対していた。それが逆に嬉しかったのか、何となくデートをできるようになった。でも、さすが東大卒。私があえて順序を省略した、普通の会話では次の次に話すべき話を投げかけると、彼女も私に対して、「きっと私はこう答えるだろう、だからその次」の話を私に返してきた。その会話がとても楽しかった。そんな決まりきった順序を省いて会話が成立できることが脳を刺激してくれた。
でも、彼女もある意味東京の湿っぽい曇天の街に住んでいる社会人の一人だった。

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名だたるブランドショップがひしめきあう東京で、それを着ようとする若者たちと、着て街を颯爽と歩き東京の「オシャレな人々」の一人になろうとする若者たち。女の子に群がる男たちと群がれることを喜びにする女たち。隙があれば金になることをしようとする人たち。その金で、貧乏な20代若者が食べれそうもないものを食べ、飲めそうもない店で女の子を連れて「いい男ぶり」を披露する。

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女の子たちは、これを着ていれば流行に乗り遅れることもなく、ひょっとしたらファッションの新しい部類に入るあでやかな服をひらめかせ、男の誘いに乗る。または男を挑発する。男は男とでそういう女性をいつも探し、自分のものにしようと時間と金と気力を注ぐ。
ともかく、東京の街には色々な欲望と失望と這い上がろうとするパワーとどこまでも落ちて行く絶望と黙っていると消えてしまいそうな自分を救い出そうとする這い上がりの力と知らぬうちに消えてしまった人々の残像が入りみだれている街だ。

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東大卒の女の子と初めてテートしたのは横浜の山下公園だった。定番中の定番だったかもしれないが、その時の彼女はとても輝いていた。夕陽を背に逆光で私を見る彼女の顔がたまらなく可愛かった。夕陽でスカートが透けて見えて、彼女の脚の形がくっきりと見えた時は、ただただ一人の可愛い女の子以外の何ものでもなかった。

でも、渋谷や六本木に行くと、そんな素朴な気持ちも持てなくなり、人の色々な欲望や絶望などがぐちゃぐちゃに交じり、空を曇らせ雨を降らせていた。
その時、私の頭の中ではいつも、サザンオールスターズの「ミスブランニューディ」が流れていた。そして、サザンオールスターズは、人の業でどんよりと曇り、そのうち堪えれなくなり雨になって降り注ぐ街にぴったりあった曲をたくさん作っていた。

そして、雨の東京には「わりとよくあるタイプの君」が今でも傘をさして、欲と夢と現実と生活と仕事の狭間でもがいている人々今でもひしめき合っている。






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by jhm-in-hakodate | 2019-04-26 01:05 | | Trackback | Comments(0)