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2019/10/02

What’s the name of the chef?




GreyHound Bus

oakland → LA → longbeach

オークランド → LA → ロングビーチ










長谷川白紙 - 草木























ミズ・ジャッキー・ブラウン、ドライビング




LA




グレイハウンド、LAターミナル









longbeachのじじいが見てるよ。
























タコス














コインランドリーは大人気















beacon INN




















あれはいつの事だったか、冬だったのは覚えている。


男が4人集まって、そそくさと蔦屋でDVDを4枚借り、

その後に、ドンキーとコンビニに寄って目につくお菓子をどんどんカゴに入れる。

みんなそわそわしていて、何かを選ぶ時に、真剣なようで、心がここに無い。

僕らはお遣いを済ませた使用人の様に足早に部屋へと戻る。



1人が言った。

「こういうのはセッティングが1番大事や。どんな状況にも対処出来るように、

危険予測をして準備万端にしとかな、、ローション買った?」

その日、僕らは部屋を宇宙船とし、玄関をコックピットとした。

コックピットには水パイプが置いてある。

「では、」

と言って、1人づつコックピットに向かい、

スイートメリージェーンに火をつけて

ボコボコボコボコ、ボコ、ボコボコ

と吸い上げ、宇宙船に戻って来る決まりだ。

ituneで音楽が流れ始め、

同時に宇宙船の壁にはプロジェクターからスターウォーズが流れた。

ジャバザハットが出るヤツだ。


1人は2度ほどコックピットへ行った後、

「もー、ダメだ。」

と言ってシャワーを浴びに行った。

シャワーを浴びながら、ロックスターになったと言った。

誰もが自分に憧れの眼差しを向け、手を挙げるだけでみんなが熱狂し、

彼は情熱的に歌った。

彼はシャワーから出たばかりなのに足が臭かった。


1人は携帯からイヤフォンで音楽を聴き、

プロジェクターとは別のPCモニターでアニメを真剣に見ながら、

頭の、おでこの辺りから、ユニコーンみたいな透明の角が生えていると言った。

学園でアイドルがなんちゃらのやつだ。


1人は、心に隙間があると言って、コックピットでしゃがみ、ケツからスポイトでリキッドをぶち込んだ。

もう、話をしても、途中で自分が何をしゃべったか忘れてしまい、会話が成り立たない。


沈黙が続き、時々、無意味な言葉が出て、意味が分からなくて笑い、また沈黙し、

映画に意見し、音楽を称賛し、この宇宙船のクルー同士お互いを褒めあった。


1人が「よし惑星探索だな。」と言って食事に出かけた。

1人が「これはおかしい。」と言った。

4人いて、前2人、後ろ2人が整列して歩くのは、自然ではないと熱弁して、

「これじゃ行進だ。普通じゃない、怪しまれる。」と取り乱しているが、

ではどうしたら良いのか、解決策が思い浮かばない。

結局、行進スタイルのまま店に着いた。

いつも行っている店だが、照明が眩しい。

傘の付いた、60Wくらいの薄暗いダウンライトが、外国の警察署の取調室を彷彿させる。

一体、僕らはこれからどうなってしまうのか、怖い、でもここは外国だからかつ丼は出て来ない。


4人ともハンバーグを注文する事になった。

1人が舌打ちをした。

「正気か?4人いて4人が同じメニューを頼むのは不自然だ、怪しまれるぞ。」

4人の男たちはそれぞれ目を合わせたが、ハンバーグ以外のメニューを選べない。

「もう、どうにでもなれ。ハンバーグを4つ。」


よく焼きの入ったハンバーグを食べる。唸るほど美味い。

1人が我慢できずに店員に声をかける。

「シェフはどんな人ですか?」



食事を済ませ、宇宙船に戻る途中、1人が立ち止まった。

「風呂に行こう」

もう1人は声を荒げた。「いいね。」

もう1人は「バイクは寒いから嫌だ」と、白い息を吐いた。

もう1人は「歩くのは嫌だ」とスネた。

みんなに緊張が走った。

1人は車で来ていたのだった。

24時間のスーパー銭湯には宗教上入れない人が3人いて、

近くの街の銭湯に行かなければならないのだが、営業終わりまで時間が少ない。

僕らはその足でコインパーキングへと向かい、

車に乗り込んだ。


車の中はひんやりとしていて、エアコンからゴーゴーと風が出ていた。

車の持ち主が「俺は運転したくない」と言った。

みんな下を向き、1人が仕方なく手を挙げた。

コインパーキングの車止めを乗り越える時、

1人が「安全運転でね」と言った。

運転手は答えなかった。

窓の外の景色が流れた。

1人が「おいおいおいおい、」と言った。

「ちょ、ちょ、ちょっとスピード出し過ぎじゃないか?」

運転手は答えた。どうやら冬場の為にアイドリングが高かったのだ。

「・・・いや、アクセル踏んでないよ、面倒くさいから、」

その言葉を遮って1人が言う。

「あ、警察だ。あれ、絶対そうだ。」

ただのスーツのおっさんにしか見えない。


ほぼアイドリングだけで銭湯近くに着いた。

駐車場には前から車を入れた。少し斜めだった。

銭湯の番台にはばばあが座っていた。

ばばあは何故かきらきらと輝いていた。

銭湯の湯は熱くて、汗が噴き出してきた。

蛇口のお湯も熱かった。

湯上りにアイスが食べたかった。

きらきらのばばあは、「アイスは無い」と言った。

「じゃあ、しょうがないやねー」と言ってばばあと頷き合った。

僕たちはいつまでも扇風機の風を受けながら、アイスの話をしていた。

ばばあが、「そろそろ閉店ですよー。」と言った。

1人が「まだ、帰りたくないなー。」と言った。

ばばあは面倒臭そうに彼のぐったりした股間に目をやった。




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