私がカプセルホテルを初めて利用したのは、5年ほど前です。
理由は、親がとても歳をとって、繊細になったからです。

一度目が覚めると眠れなくなるということでした。
夜10時以降に人の出入りがあったり、誰かが起きていたりすると起きてしまい、
また、私が帰ってくるまで鍵を開けてやろうと思って待っているそうです。
その結果 その晩寝不足になると、その後何日も具合が悪いとのこと。

慰問のつもりで訪れて、疲れさせては気の毒なり。

けれど私も、帰省すれば、友達に会う時もあります。
それで、

そうだ、カプセルホテルというものに泊ろうではありませんか。

という流れになったのです。


さて 私は昔から、一人旅や、初めてのことが割と平気です。
わくわくして、カプセルホテルについて、いろいろ調べてみました。

おそるおそる初めて泊まってみると、
これがなかなか、思ったよりずっと良いものでした。


通路と自分を隔てるのは、カーテンか引き戸・ロールスクリーンです。
(最近はドアがあって、鍵をかけられるものもあるようです)

少し割高だと、ファミリーユニットもありますし、
2段のベッドを入れ子状にして、それぞれの側に、床から天井までのスペースをつけて、
さらにドアがあって、個室になっているものもあります。

しかし、基本、プライベートスペースに鍵はかけられませんので、
プライバシーやセキュリティに不安があったり、
他人がすぐそばにいると居心地悪い方には、お勧めできません。

でも、それを乗り越えられるなら、いいことはいろいろあります。

まず、大変お安いです。
平日ならば安く、またセール時にはなお安く、
手ぶらで行ってもアメニティがそろっていて、不自由しません。
大小のタオルに、たいていはパジャマもついております。

浴場や、バスタブ付きのシャワールームがあるところも、今や普通です。

外国の方が多いので、個室のお風呂は使い放題なことも多いです。

もっとも、最初はなかなか勘が働かず、当たり外れはありました。

2段ベッドであって、木の引き戸を閉めるスタイルのため、
押入れの中に隠れているような息苦しいところもありました。
和風のハリーポッターでしたが、閉所恐怖気味の人には難しいでしょう。

あるところは、ベッドの下に荷物置きがあって便利なのですが、
その収納部分が、鍵のかかる金属シャッターであるため、
近くの宿泊客が開け閉めをする音が かなりうるさかったです。



いろいろ利用しているうち、ブッキングドットコムや、エクスペディアといった予約サイトが、
始終タブレットの画面に セール情報を送ってくるようになりました。

これはと思うカプセルホテルについて、料金比較サイトをみると、
同じ日・同じホテルでも、違うサイトで1000円単位で値段の差があったりもします。

いいところを見つけると、スクリーンショットを撮って、
情報をストックするようにもなってきました。


私が決め手とするのは、以下のようなところです。

・バスタブ付きのシャワー個室か 大きなお風呂があること。
(檜の樋からお湯が出てきて、陶器のバスタブは四人ぐらい入れそう、
という、すごいところがあります)
・便利なところにあること。
・2段ベッドではないこと。増えてきてありがたいです。
・キッチンや、公共のラウンジが充実していること。
・ベッド周囲に、貴重品入れがあること。

朝食は普段食べないので要りませんが、セール時には無料でつくこともあります。


今回泊まりましたのは、京都の新京極のすぐ近く、
とても賑やかな、大通りに面した場所でした。

上記の条件を全て満たした上、新しくてシックで、清潔でした。
お客さんたちのマナーもよく、寝室部分はとても静かでした。


ホテルにより、細かい違いがあります。

パジャマがレンタルのところ。

テレビが自分のスペースにないところもありますが、これは構いません。

荷物置き場が、寝室部と別になっている場合は、
少し面倒なようではありますが、
夜中や早朝に荷物の入れ替えをされる宿泊客がいても、邪魔になりません。

ベッド下などに荷物置き場があれば、これはこれで、また便利です。


アメニティが、公共のバスルームや洗面所に豊富に置いてある場合と、
基本的なものだけがある、というところもあります。


私は、女性用と男性用のフロアが分かれいるところにしています。
カードキーで女性用区画に入るようになっており、
それさえ確保されれば、安心感があり、満足です。

また、自分のも人のも、いびきには困ってしまうので(自分については自覚なし)、
チェックインやそれ以前に、女性用寝室部分の、入り口直近のベッドをお願いします。

そうすると、向かいや隣が空室のことが多いです。
耳栓をもらいますが、使ったことはありません。

盗難が心配の方も多いでしょうが、鍵付きの貴重品入れやロッカーのないところはまずありません。



さて、目覚ましにアラームを鳴らさないでください、というところは多いです。

あるカプセルホテルは、チェックインのときにモーニングコールの要不要を聞いてくれます。
頼んでおくと、美しい女性がしゃがんでベッドの下あたりをポンポンとして、

(よろしいでしょうか・・・・)

と、小さい声で起こしてくれます。


今回は、すばらしい目覚まし装置がありました。

最初に貸し出されるiPodに 起こして欲しい時刻を入れますと、
時間になると、部屋に電気がついて、ベッドが立ち上がってくるのです。

これで起きない人はまずいないでしょう。
家にほしい(長女の部屋に)。



上から下までロールスクリーンを下ろすと、外からなら鍵がかかります。
貴重品は持ち歩きますし、しょうもない着替えだけ入ったバッグは、
下の写真にあるように(あまり良く見えませんが)
ベッド下から引き出すプラットフォームに入ります。
そのとき、ほとんど音を立てずに軽く滑り出してくるのが素晴らしく、
ロールスクリーンを下ろして、外から鍵をかければ、別個に荷物をしまいに行く必要がないです。






タオルも使い放題、コンセントもベッド脇と頭上に、合計5つもあり。






無料の朝食も美味しく、大きなラウンジには、ソファ、高いカウンター席、
普通の高さのテーブル、ボックス席、会議室。

コンセント付きのデスクが多く並ぶ、ノマドワーカーな皆様用のお部屋など、
至れり尽くせり、そして、カウンターの方々もとても親切でした。





危なくて うるさくて怖そうな、従来のカプセルホテルのイメージを、
変えることができました皆さんは、一度体験してみてはいかでしょう。


このホテル、ザ・ミレニアル・京都は、私はまた行きたいです。
調理器具や冷蔵庫、調味料まで揃ったキッチンに、ことに惹かれました。
京都の夜は早いので、遅くなると食事をするところが少ないです。
次回はこのキッチンで簡単に何か作って、一人晩酌かなと思います。









なにかと疲れる旅先にいるほうが、私は体がいつもより綺麗で、
我が家より高級なタオルや寝具があり、いつもよりぐっすり眠れるようです。