海外の誰かのツイートで、

「掃除が苦手なのは、私には時間がないからだと思っていた。
・・・・ロックダウンが始まって、そうではないのを思い知った」

というのを読みました。

どきっとしました。

私は、片付かない理由を長年の間、

だって私、忙しいから(嘘)、
居間に、娘らのものが常に流れ込むから(とても本当)

ということにしていました。

ところがこの度、私にとって生まれて初めての住環境が生まれました。

それは、

居間という共有スペースが、
本当に、食事やテレビ視聴などのパブリック専用となり、
それ以外の時間は、各人が自分のプライベートスペースを使う

となったということです。

これはひとえに、巣立っていった長女のおかげ。

まず、ほぼ空になった長女の部屋に、私が居間で使っていた諸々を運び込み、
私の部屋としました。
二階のその部屋を、私がどんなに散らかしても、
居間は無事に済むようになりました。

ドア閉めちゃえばいいんだも〜んほっといて。
・・・ あ、娘らはこれだったんだ・・・

次いで、長女が物をたくさん捨てたのに触発されたか、
次女が大胆な断捨離を敢行しました。
すると、自室が好きでたまらなくなったそうで、
三月からこっち、次女は食事時間以外は、全く人前に姿を表さなくなりました。
まるで、透明人間を下宿人に置いているような感じです。
たまに家の中で会うと、

あっ、いたの?

と言ってしまいます。

日中は大人三人が、2階の3部屋に分散してしーんとしていますし、
居間も台所も、私が散らかしたら、その通りに散らかっているばかり。

え!
片付けがすごく下手なのは私だったのかい!

ということになってしまいました。
冒頭のツイートと同じですね。

悔しいったらありゃしない。



さて、居間と台所がまあまあ普通に片付いていると、
いろいろ、面倒なことがやりたくなってきます。
人情というものでしょう。

包丁を研ぐ・パンを焼く・ぬか漬けやピクルスを作る・中華鍋を再生する、
などをやっていますが、一回で終わらなかったり、うまくいかないことも多い。

その中で、手間がかからず、やっていて楽しいのは、Kombucha作りです。

日本人でこの、「コンブチャ」という言葉を聞けば、

「・・・・・昆布茶?」

と思うのは当然ですが、これはあの甘酸っぱい昆布と梅の飲料、
とは違いまして、菌が作り出す、発酵健康飲料です。

SCOBY(スコビー)という菌床を手に入れまして、
一定量の砂糖を加えた紅茶(緑茶でも烏龍茶でもOK)に浮かべておくと、
その砂糖を栄養にするか何かして、菌がじわじわと発酵します。

そして、眼に見えるような層をなしつつ成長し、
1週間で、綺麗なピンク色となり、
炭酸を発生させ、ほんのり甘く酸っぱい、素敵なドリンクになるのです。

なんと、海外セレブが飲んでいるのだそうです。

エド・シーランも、ポール・マッカートニーも、
キーラ・ナイトレイも飲んでいるのでしょうか。

これ、もともとは、1970年代にロシアから日本に伝わってきたということです。
当時は「紅茶キノコ」と呼ばれておりました。
(まあ、紅茶に浮かべた不気味なキノコなのには間違いない)

うちの祖母が作って、まずそうに顔をしかめて飲んでいました。

その人気が再燃して欧米に伝わり、
意識の高いみなさんの間で、Kombucha! として大ヒットしたのだそうです。

アメリカにもオーストラリアにも、NZにも、
どこにでも瓶入りで、いろいろなフレーバーで売っています。
作る人も多いですが、コンビニでもスーパーでも安く売っていて、
作らなくても普通に飲めます。

日本では、日本人らしい潔癖性からでしょうか、

「家で勝手に作って、どんな菌が入ってくるかわからない、やめたほうがいい」

という意見もあります。

コンブチャクレンズ などという名前で市販もされて、一部で人気だそうです。


しかし私は、買ったりしないのです。
なぜかというと、Kombuchaは、私のペットだから。
アブドラ、と名前をつけて可愛がって育てていますので。

最初にこれを私に紹介してくれた、
よくブログネタにされている私の盟友、
フロリダに住む日本語教師のS子さんが言いました。

蓋を開けてよく聴くと、プシプシ・・・って呟いていて、可愛いのよ!
おすすめよ〜、美味しいだけじゃなくて、可愛いのよう〜ん❤️

ペットが欲しくてたまらなかった私はこれに飛び付きました。
あと、S子さんがものすごく元気で素敵なので、
私もKombuchaを飲めば、後に続けるかもしれない、と思ったこともあります。

私と、もう一人の友達のKちゃんは、まずハワイで育った、

Symbolic Colony(community) of Bacteria and Yeast

縮めて、SCOBY をAmazonより取り寄せました。

訳すると、菌と酵母の共生物?

これが、ケーキを買うと付いてくる、一番小さい保冷剤、
ぐらいの大きさのパックに入って2個来ました。

日の光に透かして、やっと見えるか見えないかの、
はかない、可愛い物でした。



最初、Kちゃんと私は密に連絡を取りながら、

育たないなぁ、寒いのかなぁ、
明るいのが嫌なのかなぁ、湯たんぽ入れてやる?

などと、過保護に騒いでいましたが、暖かくなるとなんのことはない。

うわぁぁぁ・・・・・

と言いたくなるぐらいのスピードで大きく成長しました。

私の家から巣立っていったスコビーちゃんもいました。
簡単に薄く剥がれるスコビーの層を、
タッパに入れて送ったこともあります。

冬の間は、密閉容器にスコビーだけを移して冷蔵します。
寒いとどうせあまり育ちませんし、寒い時に飲みたい飲料でもないからです。



ところが、コロナウイルスで引きこもっているうち、
忘れていたスコビーを思い出し、また育ててみる気になりました。

で、冷蔵庫の奥の方に入れてあった容器を見て、びっくり。

あの寒さの中で、蓋を押し上げる勢いで
とっても大きくなっていたからです。

その生命力!

もし、私のところで変な雑菌が混じっていて、
危ないものになっていたとしても、
その生命力だけは、無視できないものがあります。

さっそく3週間ほど前、スコビーを果実酒用の瓶に移し、
お砂糖を入れたアールグレーティーをたくさん注いであげたら、

お母さんありがとう!

とばかりに、ぐんぐん成長しました。

もはや、あの大きな瓶の4分の1以上になっています。
早く飲まないと、発酵が進んでアルコールになってしまうので、
毎日ガブガブ飲んでいます。

あ、別に痩せません。


さて、私の冷蔵庫には今、赤ワインの瓶が数本横になっています。

家人が間違えてはいけないので、蓋の部分に油性マジックで文字を入れます。


Kombucha: これは、わかりやすいですね。冷水ポットに入りきらないやつです。

えさ: スコビーに入れようとして砂糖入りの紅茶を作りますが、
作りすぎて、捨てるのも もったいないのでとってある紅茶です。
飲んでも害はないですが、甘いです。

スープ:ロールキャベツなど、たっぷりのスープで煮込んだ後、
次にスープに仕立て直すために、ワインの瓶に入れています。

☠️: これは、いちいち書くのは面倒とか、
蓋には書くスペースがないが、夫などがワインと思って飲んでしまうと、

ぶほ〜!
なにこれ!

と吐き出すようなものが入っています。
例えば、出汁だったり、捨てるに忍びない魚の煮汁とか。
相当変なものです。


毎年、農家さんなどで、ペットボトルや空き瓶に農薬を入れていて、
冷蔵庫にしまって、ラベルをしないがために、
家の人が誤飲してしまう、という事件が跡を断ちません。


うちの冷蔵庫は、

💀 飲んだら死ぬ! 💀

ほどのものは入っていませんが、
キャップをよく見てから飲まないと、

ぶほっ!

となることは必至、というものは結構あります。

てか、飲むのに適さないものが、大抵入っています。


身近なところに潜む危険、ということで、夫などにもよくよく注意を促しています。


自分でも怖くなるKombuchaの育ちぶりです。

今日もご安全にお過ごしくださいね。

Kombuchaは、大きくなっても人を襲ったりしないので大丈夫です!





これは1週間ぐらい前に撮った写真で、
さっき見たら、瓶の半分まで育っていました。