web教材の作り方を一緒に勉強している、日本語教師の友だちがおります。
一緒に勉強というより、手を引いて連れ回してもらっているのですが・・😅
その彼女が、星新一の名作「ボッコちゃん」を、
上級者用のテストの材料にして 作ったものを見せてくれました。

星新一の日本語はとてもシンプルで読みやすいですが、
テストでは、登場人物の心の動きなどに答えてもらう質問もあり、
上級者も挑戦しがいのある 大変面白いものになっていました。
センスのある教師が作ると、こういうことなのねと思います。


さて、星新一の名前に久しぶりに再開し、
私はたちまちにして、中学生の頃に引き戻されました。

あのころ、手に入る限りは文庫本で読みあさった星新一。
待ちきれなくて図書館で予約したこともありました。

星新一は、ショートショートという それまでにないジャンルで、
第一人者となった作家です。
全部で1001作もあるのだそうです。

今回、キウイさんと一緒に読む本として、星新一を考えました。

キウイさんは長編が好きなのですが、
私はこのごろ年取って気難しくなり、
翻訳された本を読むのが好きでなくなっています。
そこで、二人で読む本としては、
私が読んで気に入った本か、私がこれから読みたい本で、
英訳があるもの、ということで、選択が少ないです。

でも 星新一なら大好きだし、すぐ読めるしということで、英訳のある

「きまぐれロボット」「ノックの音が」「エヌ氏の遊園地」

のうち、「ノックの音が」に決め、入手しました。


届いた新潮文庫は、令和元年の版で、
まだ読む人がいるのかと思って嬉しかったです。
短冊も取っておこうと思いました。

若いころに夢中で読んだ作家さんの本が、
ブックオフでさえも見つけられないことが多い今、
星新一の作品は、古びない。
いつも新鮮なのだと思うと嬉しいです。


英訳の方は、とても古かったです。
アンケート葉書の日付にびっくりしました。






「ノックの音が」は、短編の全てが、

「ノックの音がした」

で始まる推理・サスペンスです。
それぞれがとても短いので、一度に三篇ずつ読むことに決めました。

最後のどんでんがえしがとても面白くて、おしまいにくると必ず

くすっ とか、はは!

と笑ってしまいます。


夫は読むのが私より少し遅いので、
私が次の作品の4、5ページまで読んだころ、

はは!

とか、

はは〜ん、そういうことだったのか、

と、後からついてくる感じでした。
「ノックの音が」は、惜しみながら2、3日で読み終えました。

出版されたのが昭和40年(1965年)なので、さすがに古いところがあります。

おしゃれな高級マンションが、 「3K 」であったり、
電話をかけるのに、十円玉を握って、電話ボックスに入るとか。
そういうのは、数限りなくあり、そこも面白かったです。

また、女性の話し方がとてもエレガントです。

「まあ、どうなさったの」とか、

「恵美子さんもそうおっしゃったじゃないの」

など。

まるで、小津映画を見るようでしたが、
そのあたりは、英語にちゃんと訳されているのでしょうか。

公衆電話が赤く、チェーンの飲食店は少なく、
携帯もPCもまだなくて、
音楽はターンテーブルのプレーヤーに
LPか45回転のレコードをそっと置いて、慎重に針を落とす。
レコードコンサートというものもありました。
ネットでぎゃーぎゃーいいながら、
遠方の友だちと一緒のライブ配信を見ている娘らには、
とても想像できないことでしょう。


今、あのころに戻ることができたら 面白いでしょうね。

できたら1年間、昭和にホームステイがしてみたい。

毎日歩き回って写真を撮って、
いろんな懐かしいモノやコトや風俗を 書き留めてみたいです。

夫によると、死んだら時間というものは関係なくなり、
どんな時代をも見ることができるそうですが、
それが本当なら、究極のタイムマシンですよね。
今からちょっと楽しみです。
あ、まだあっち岸に行きたいというわけではないので、そこはよろしくです。

昭和にも電気はあるのだから、充電ケーブルとiPadは持ち込めますよね?

だめかな?








おまけです。