前回では、パーティなどで盛り上がりにかけてきたときは、
自分の写真付きの証明書を出して、見せ合って笑えば、
たちまち場は盛り上がる。はず。

という、私の経験から出た話をしました。

今日は、誰かと二人きりになって、間がもたないとき
打つ手があるのかどうなのか、という話です。

二人きりというのは、悪くすると、本当に辛いです。

私は、劇作家の三谷幸喜さんが好きなのですが、
あのかたは、話し好きなのに人見知りだそうです。
あの辛さを知り尽くした人だと思います。

その様子がよく出ているのが、
三谷さんの「気まずい二人」という対談集です。
気まずい対談そのものを、立派な本にしてしまいました。
立ち読みしているだけでいたたまれなくなり、
思わず買って帰ったほどです。

余談ですが、そのとき同じコーナーに、
「誰とでも会話が15分以上途切れない方法」(うろ覚えです)
というのがあって、会話が続かずに苦労している人は、
世の中にたくさんいるのだと知りました。


さて、その場の雰囲気が、デフォルト的に、
気まずくなってしまってしまうのが普通のことがあります。

その代表的なものが、お見合いではないでしょうか。

今は、いろいろネット上で出会いがあるそうですし、
お見合いをする人は減っていると思いますが、
私が若い頃は、結構普通に、紹介で出会うことがありました。


若い頃、職場の先輩の中に、よくお見合いをする人がいました。
とても明るくポジティブな人で、
あまり悩まずによくお見合いに臨んでいました。

「会社帰りに初対面のお相手と待ち合わせなので、
隠れて見ていて、あとで感想を聞かせてくれない?」

と頼まれ、駅ででさりげなくお相手の人を見たこともあります。


経験豊富なその先輩から、いろいろな体験談を聞きました。

例えば、

・おいしいものを食べられることもあるけど、
味がわからないことがほとんどである。

・気に入られなかったらしいときは、お茶で終わることもある。
それはそれで、がっかりである。

・どうやって断ろうと、悩みながら帰宅したら、
自分が家に着くより先に、相手から断られていたことがある。
それはそれで、頭にくるものである。

・断り文句を、「ご立派すぎて」でいいのかなと思っていたら、
相手から先にそれを言われて、断るつもりだったのに、
それはそれで結構傷ついたことがある。

私もそのあと、お見合いを何回かしまして、
先輩が言っていたことが本当だと思い知りました。

素敵な人には断られますしね。
断りたかった人から断ってきてくれても、
ちっちゃいプライドが傷付きますしね。
いい勉強になりました😢


お見合いってとても不思議なものです。
初めて人と会うだけでも緊張するのに、
もしかしたら、そこからお付き合いが始まり、
うまくいけば結婚に至り、その人との家庭を築き、
家族を増やしていく。

そこまでコミットメントの必要な相手が、
全然知らない人として、目の前に現れるのです。

一回会っただけでは、人生の大プロジェクトを一緒にしたいかどうか、
わかるわけはないのに、返事だけは、すぐすることになっています。
無茶ですよね。

お見合いから戻れば、さあどうする、と すぐに訊かれます。
五回戦まではありね、ということはできないわけです。

お見合いの日は、最初から2人だけのときもありますし、
間に立ってくれた人が最初は一緒にいてくれても、
「では私はこれで・・」
と、すぐに帰ってしまいます。



これで、気まずくならない人がありましょうか。

そして、一度会って、向こうがぜひと言ってくだされば、
嫌でなければ即、結婚を前提にしたお付き合いが始まります。
ここがねぇ〜・・。

友達というものだって、知り合って何回も会って、
いろいろなことを一緒にやっていくうちに
気が合うな、と思って、もっと仲良くなるか、
そうはいかず、途中でそれ以上展開しなくなる人もいますよね。
そういう人間関係作りがほぼ許されないのがお見合い。

さて その先輩が、あるとき、

「なかなかお見合いでは切り出しにくいけれども、
お好み焼き屋に誘ってみようかと思うの」

と言い出しました。

お好み焼きは、頼んで、すぐに来ますし、
油を引いたり、かき混ぜたり、炒めてから麺を入れたり、
ひっくり返したり、コテで押さえたり、切り分けたり、
あれやこれや振りかけたり、
色々やることがあるので、間がもつのではないか。

気まずい会食に疲れてきていた先輩の苦肉の策でした。

しかし実際には、どうしても青のりが歯についてしまったり、
相手が全く何もしない場合、無駄に甲斐甲斐しくなって、
人の世話が好きな女性だと誤解されそうである。

気まずい2人が向き合って、熱い鉄板を間にして、
黙々と作業をこなしていくことになったら、
なんだか仕事のようになってしまいそうである。

そう思った先輩は、この案は自分で取り下げました。

やはり、焼肉や お好み焼きは、綺麗な服ではあれだし、
交際が深まってお互いに遠慮がなくなり、

ね、青海苔ついてる?

と 、平気で「い〜っ」とできるようになってからが良いでしょう。

私はお喋りではありますが、実は隠れ内向的で、
緊張のあまり変な喋りになり、あとで疲れてしまうことがよくあります。

お見合いも何回かしたのですが、
どんな話をしたか、楽しかったのかそうでもなかったのか、
ほとんど忘れていますので、やっぱりきつかったのかもしれませんね。

アイスコーヒーを飲もうとして頭をさっと下げすぎ、
ストローが鼻の穴に入ったことは、一度あります。


お見合いその他の、気まずいに決まっている場では、覚悟を決めて、
余計な工夫をしないで 流れに身を任せるのがいいかもしれません。

全くご参考にならない駄文を、失礼いたしました。






インスタントポットで飴色玉ねぎ。
3Lにバター一箱分と、詰め込めるだけ玉ねぎを詰めました。