明日12月4日(金)より、Gallery Seekにて1年ぶりの個展を開催される森下麻子先生。
お話をお聞きしました!
今回の個展のテーマを教えてください。
"ささめごと"
「ひそひそと話す声のこと」です。小さな動物たちの話声や独り言をイメージしています。
動物たちのそれぞれの物語を想像し、彼らが約束の場所に向かう場面や、お気に入りの物たちに囲まれている場面を描いています。
また、小動物の小さな世界を表現するために、より細かく繊細なモチーフと組み合わせ、動物の世界に引き込まれるような作品を目指しました。
-以前のインタビューで制作のコンセプトについて、「小作品では小さな生き物たちをテーマに彼らの愛らしさと、凛とした命の美しさを私なりの視点で表現しています」とお聞きしました。
「愛らしさ」と「凛とした命の美しさ」はどのような工夫(またはこだわり)をすることで表現しているのでしょうか。
細かなこだわりですが、動物の表情や仕草には愛らしさを込めています。
命の美しさは「つややかさ」だと思っておりますので、瞳の潤いを瞳孔に光を入れる事で表現したり、毛並みを実物よりほんの少し整然と描くことで美しさを強調したいと思っております。
-動物そのものにも興味があるとのことですが、森下先生がこれまで観察してきたからこそ
知っている動物の特徴はございますか?
私だけが知っている特徴ではありませんが、動物の個体差はいつ見ても面白く感じます。
リスでしたら、耳がかじられていたり、しっぽが短くなっていたりしますが、これは彼らの生きてきた歴史の象徴です。
猫の耳やしっぽも同様で、傷の入り方で性格の特徴が読み取れたりと、興味が尽きません。
スズメは顔つきにバラつきがあるように感じます。
面長、丸顔などそれぞれ違っていて、そういった所から彼らの内面を垣間見れたような嬉しい気持ちになります。
絵のテーマに沿わなければ個体差を表現することはありませんが、顔つきに関しては私なりにこだわりがあります。
面長な顔の子には、凛とした表情をとってもらい、幼い顔つきの子には愛らしい表情をとってもらいます。
群像の動物の絵をご覧いただき、顔の特徴を楽しんで頂きたいです。
-森下先生の作品は様々な動物が登場しますが、動物の種類によって描く時の意識の違いなどはあるのでしょうか。
動物たちをモチーフの一部として扱うのではなく、愛情込めて表現したいと思っております。
特に意識分けをしているわけではないのですが、作品を描く上で“小さいもの”の価値観を大切にしたいと
思っていて、木の実や枝なんかを持っている様子を表現するのに、リスや鳥が自然と多く、描くようになりました。
リスは元々ビジュアルがとても好きなのですが、手がとても小さいので、そんな手で一生懸命木の実をつかんで食べたり木に登ったりしている様子を見ると愛らしさを感じます。
例えば、今回の出品作「冬支度」も三匹のシマリスの表情に変化を付けました。
一匹ずつの性格を想像しながら鑑賞して頂けたらと思います。
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