父のこと


父はパワフルな人で
とにかくこうだ!と思えば
人の意見など聞かない

だけど、言うだけあって
人に泣き言を言ったり
弱音もはかない。

だから、78歳になった今でも
とにかく元気で頑固で。

強いなー、ちょっと面倒な人にだなー。
自己中だなー、一人でも大丈夫そうだなー

そう思っていた。


先日、突然の知らせ、


白血病になった。
数値だけみると、非常に悪く
1年もたない。


衝撃が強すぎて、俄かに信じられない。

白血病の知識もない。

今や不治の病ではないんだよね?

くらいの、本当に他人事的な少ない知識。

すぐに電話して、聞いてみた。

本人は意外とあっけらかんとしていて

少し拍子抜け。

でも、聞いていくうちに

内容が深刻すぎて、ついていけない。


急性白血病は、高齢者の場合

65歳より前か後かで治療方針が違う

簡単に言うと、

65歳を過ぎると

完治を目指しての治療はしてくれない

ましてや父は78

先生も積極的な治療より

半年、否、2、3ヶ月の

延命が期待できるかできないかも分からない

けど、やらないよりはマシ?

くらいの治療方針しか話してくれないらしい。

あんなに元気な人なのに

歳を理由に寛解を目指す治療方針がない。

生に向かわず、死に向かう方法しかないのかと

必死に必死に調べても

高齢者の場合の白血病に対しては

残された長くはないだろう命に対し

いかに良いQOLを、がメインの話ばかりで

望む情報が見当たらない。

望む情報=先端医療≒効果の保証
または詐欺

父は薬の開発に携わっていた人

きっとこんな浅い情報なんて知った上で

もう78歳、あと10年生きたかったけど

そんなもんだろう、と諦観


私はまだまだ

あの、ムカつく説教とか

容赦ない駄目出しとか

まだまだ必要で

人生の中でつまづきそうな時に

決して慰めてはくれないけど

一番考えて叱ってくれる人が居なくなるなんて

この歳になっても、耐えられない。



どう考えても耐えられない。


ねえ、温泉いこう、遊びにそっちにいくよ

ってこないだ話したばかりだよ。

ハワイもまた行きたいって言ってたじゃん。


まだ

何もしてあげてないよ