STONE ROSES【63位】
ザ・ストーン・ローゼズ/ザ・ストーン・ローゼズ
The Stone Roses/The Stone Roses
1989年
【名盤ランキング成績】
ランクイン数：7
100位以内：5
最高位：7位（NME）
その他ARでも8位を記録。
ポイント：289.6
【評価ポイント】
ザ・ストーン・ローゼズはイギリス・マンチェスター出身のロックバンドで、ハッピー・マンデーズ、ザ・シャーラタンズといったバンドとともに、マッドチェスター・ムーヴメントの中心的存在として活躍した。発表したアルバムはわずか2枚だけだが、本作はそのデビュー・アルバム。その後のオアシスをはじめとするブリットポップにも大きな影響を与えたとされている。
【個人的感想】
日本の有名な音楽雑誌である『ロッキング・オン』と『ミュージック・マガジン』の間で勃発した”ストーン・ローゼス論争”は、子供のケンカのような稚拙なやりとりに、読者の一人として苦笑するしかなかった。争点は当時（1980年代後半）停滞していたブリティッシュ・ロック・シーンに、このストーン・ローゼズは救世主となり得るのか否かだったと思う。私個人の見解は、『ミュージック・マガジン』側。つまり、”否”の方だった。

ただ、このアルバム自体は好きだった。”良いメロディ”というものがほぼ絶滅しかかった時代の中で、このストーン・ローゼスの楽曲は豊潤なメロディを持ち合わせており、1960年代風サイケデリック・サウンドに同時代的なリズム感を融合したサウンドは魅力的だった。例えばだが、「Bye Bye Badman」はザ・バーズの「Draft Morning」と「Wasn't Born To Follow」を合わせたような楽曲であり、「I Am The Resurrection」では、ザ・フーの「Amazing Journey」〜「Sparks」を思わせる展開を聴かせる。これはあくまで私個人の感覚なので、異論はあるかも知れないが。

では、なぜ”否”だったかといえば、フロントに立つイアン・ブラウンにロック・スターとして不可欠なカリスマ性が決定的に欠けていたからである。彼がロック・シーンの先頭に立つ存在になるとは到底思えなかったのだ。

結果として、その予想というか予感は多分当たったのではないかと思う。彼らはその後シーンを引っ張るどころか、作品自体出すことができず、2NDアルバムが出たのは、5年後の1994年だった。この2作目『セカンド・カミング』は1作目のようなセンセーションを起こすことは出来ず、バンドは解散を迎えた。

しかし、影響力は確実に残した。オアシスのノエル・ギャラガーはストーン・ローゼズから影響を受けたことを明言しているし、多分、1990年代以降の英ロック・バンドの多くは、何らかの形で影響を受けているのだろう。そういう意味では、彼らは英国ロックを救ったと言えるのかもしれない。

「I Wanna Be Adored」


「Made Of Stone」


「Bye Bye Badman」


「I Am The Resurrection」