2024年4月27日

キャンプとハイキング

先日、私が初めて回転寿司に行った時、一緒に映画を見たうちの夫の友人Cさんが嬉しそうに教えてくれたんですけど。

金曜日に有給休暇を一日もらったので、アンザック・デー(ANZAC Day)という休日だった木曜日から土日を入れて4連休になったんですって。

そして、その4連休を使って何をする予定なのかと聞くと、Cさんはキャンプに行くと言ったんです。

それも、キャンプ場のような電気や水道や Wi-Fi なんていう文明の恩恵を受ける便利な場所ではなくて、何にもない自然の山の中でキャンプをすると言うんですよ。

「天気が悪いし寒いよ」
「焚き火をするから大丈夫」
「テントで寝るの?」
「そう」

山の中で場所を探してテントを張ったり、木を集めて来て焚き火をしたり、それでお湯を沸かしてお茶を入れたり、そういうことをするのが楽しいんだそうです。

しかも一人で行くと言うんですよ。Cさんは、うちの夫よりも少し若いくらいの中年で、現在独身ですがガールフレンドはいらっしゃいますけど、おそらく彼女は雨の降る寒い山の中でテントで寝ることを楽しむタイプではないんでしょう。

4日間も山の中で一人で何をするんでしょうか。山の中を歩くんでしょうか。そして、また別の場所にテントを張るの?

私だったら退屈しちゃって一日ももたないと確信しますが、こういうのが好きな人がいるんですよね。


実は、うちの息子もトレッキングやハイキングが好きな人です。

新型コロナが始まる少し前ぐらいから痔が悪化して、ここ数年はそういうアクティビティーが出来なくなっていますが、一時期は本気でトレーニングしていました。

メルボルンから車で3時間ほど南東に行った所に、ウィルソンズ・プロムという岬があるんですけど、そこはオーストラリア大陸の最南端に位置する岬で国立公園になっています。


寝泊まり用のテントや食料なども背負ってのハイキングですし、一日に相当な距離を歩く必要があるので、息子はこの旅行に備えてかなりトレーニングをしていたんですよ。

その年の終わり頃、痔が悪化してして手術を受ける羽目になったわけですが、その検査も本当に時間がかかってね、やっと手術をすることが決まった頃に新型コロナが始まって。

公立の病院では命に関わらない手術は中止になっていた時期も長く、1年待っても順番が回って来ないもんですから、手術費用全額自己負担で民間の病院で受けるしかなかったんです。

命には関わらなくても、寝たきり生活になってしまいましたからね。

そして、1回の手術では治らず、結局3回も手術を受けなくてはいけなくて、3回とも費用全額自己負担で民間の病院で手術を受けまして、息子は何年も無駄にしてしまったんです。

3回目の手術から1年以上が過ぎたのに、いまだに少し無理をすると出血したり痛みが出たりするそうですから、これが就職の障害になっているんですが、それでも少しずつ回復して最近は長時間座り続けて絵を描くことが出来るようになっています。

今日は、友達と一緒に山登りをすると行って朝の暗いうちに出かけましたよ。山頂から日の出を見てから帰ると言っていました。

マウント・ロフティー(Mount Lofty)という我が家からそれほど遠くない山に行くと言いましたけど、地図で調べても山らしい場所はありませんでした。夫に聞いたら、山というよりバンプ(Bump)だと言いました。

バンプというのは膨らんだコブのようなもののことですから、マウント・ロフティーは山というより丘と言った方がいいのでしょう。

ゆっくり楽しんで帰って来て欲しいですが、これが原因でまた痔が悪化したりしませんように。

ホントにお気の毒な息子には、早く治って思いっきり好きなことをしてもらいたいんです。

今朝は雨も上がって青空が広がっています。現在の気温は10度。アウトドアが好きな皆さんには絶好の天気ですね。Cさんもうちの息子も、ハイキングを楽しめるんではないでしょうか。

私は暖房の効いた暖かい家の中で本を読んでいる方がいいですけど。


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2024年4月26日

会話が減っている原因

視力が落ちて読書が難しくなり、昨年の引っ越しの際に持っていた本を処分してしまいまして、家にはほとんど本がなくなりました。

読書はあきらめていたんですが、アマゾンの電子書籍 Kindle本をパソコン用アプリを使って読んでみたら思っていたよりもはるかに快適に読めるということが分かりまして、先月から読書にハマっています。

iPhone用の Kindleアプリも慣れると快適です。文字を大きくして表示しているので1ページに表示される文字数が少なくて違和感があったんですが、慣れるとむしろ読みやすいです。

ハマってしまったのは、英国イングランド北部の街カーライル在住の作家、M. W. クレイブン(M. W. Craven)の作品のうち、ワシントン・ポーという名前の刑事が主人公となるシリーズです。

最初の数冊は日本のアマゾンから日本語翻訳版が普通に買えたんですが、危惧していた通り買えなくなりましたので(基本的に日本国外からは買えないのですよ)オーストラリアのアマゾンから英語版を買って読んでいます。

英語で読むと自分が読みたいスピードで読めないと思い込んでいたんですけど、いつの間にか私の英語読書速度は速くなっていたらしくて、日本語を読むのと大差ないスピードで読むことが出来ましたから、これからはもう翻訳版を日本のアマゾンから買う必要はありません。どうせ買えないんですけど。

このシリーズのすでに出版されている5作品は全部読んでしまったので、最初に翻訳版で読んだ4作品を原書で読もうと思って英語版を買って読んでいるんですが、やはり原書で読むに限ると思ったことは「原書と翻訳本」に書いた通りです。

それはともかく、私がこのワシントン・ポーのシリーズにハマっているのを知ったうちの夫が、自分も読んでみようと思ったらしくて昨日1作目を買ったんですよ。

といっても、うちの夫は遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で目が見えなくなって来ておりまして、もう本は読めませんからオーディオブック(本の朗読を録音したもの)を買って聞くんです。

アマゾンの場合、電子書籍は Kindle(キンドル)アプリで読みますが、音読されたオーディオブックは Audible(オーディブル)アプリで聞きます。

夫は iPhone にインストールしたアプリで聞いているわけなんですけど、ヘッドフォンかイアホンを付けて聞いていますからね、用事があって話しかけても聞こえないことが多いのですよ。

近くまで行って話しかけ、話しかけられていることに気づいた夫がオーディオブックを止めてヘッドフォンを外し、それからもう一度話すという面倒くさいことをしなくてはいけません。

昨日は「アザックデー」(ANZAC Day)という祝日で午後からの出勤だったので、午前中ずっとオーディオブックを聞いていました。

ワシントン・ポーのシリーズを聞き始めたんだなと思いました。黙って座ってひたすら聞いていました。聞いている間はまったく喋りませんし、私も家事の合間に Kindle本を読んでいるから、家の中はシーンと静まり返っていました。

夫は、時々目を閉じて眠気と闘いながら、ひたすら聞き続けていました。きっと夫もワシントン・ポーにハマっちゃうに違いないと思いました。

そうしたら、違ったんですよ。

ワシントン・ポーの1作目を買ったのは買ったんですが、昨日聞いていたのはトルストイの「アンナ・カレーニナ」だったんです。

数ヶ月前に同じくトルストイの大長編小説「戦争と平和」を聞いていました。来る日も来る日も聞き続けて、何週間かかったのか知りませんけど最後まで聞き終えて、大いに達成感を感じたらしいです。

それで、今度は「アンナ・カレーニナ」を聞くことにしたと言っているのを聞いたのはもう随分前のことですよ。

まだ聞き終えていなかったのか!

聞いても聞いても終わらないんだそうです。

でも、途中で投げ出すのは悔しいので最後まで聞こうと頑張っているらしいですけど、聞き終えることが目的の読書は時間の無駄じゃあないですか?

私は「戦争と平和」のストーリーにも興味がないけど、「アンナ・カレーニナ」みたいなストーリーは全く読みたいとも思いませんよ。いかに小説としての組み立てや文章表現が優れていようとも、ああいう話に興味はないです。

「アンナ・カレーニナ」はまだまだ当分終わりそうにありません。眠気と闘いながら聞いていますが、眠気に負けてしょっちゅう寝ていますからね。

ワシントン・ポーのシリーズは、早く次が知りたくて読むのを止められなくなるタイプの本ですから、かなりの長さがある作品もあっという間に終わってしまうんですがね、「アンナ・カレーニナ」は...

しかし、いつかワシントン・ポーを聞き始めて私のようにハマったら、我が家はますますシーンと静まりかえるでしょう。


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2024年4月25日

初めて行った回転寿司

回転寿司は、もちろん日本では行ったことがありますけど、オーストラリアでは行ったことがなかったんです。

何年か前にメルボルンで初めて回転寿司の店を見た時には、オーストラリアの寿司もここまで来たかと感慨深かったものですが、私が住んでいる地域には最近まで無かったのですよ。

寿司ロールを売る店は、どのショッピングセンターにもあります。

私がオーストラリアに来た頃は、寿司と言えば「生の魚!ゲロゲロー!」というひどい反応で、日本食レストランに行くか自分で作る以外には食べる方法が無かったですけど、海苔すら手に入れるためには遠くの日本食材店まで行く必要がありました。

寿司ロールの店が増えて来た頃は、見かけると思わず買って食べていましたけどね、長粒米を茹でたのを酸っぱく味付けしたので巻いた不味くて食べられないようなひどいのを売っている店もありましたよ。

今では寿司ロールを売る店はいたるところにありますから気軽に買って食べられるんですけど、私は滅多に買うことは無くなりました。

メルボルンでは物価が暴上がりしておりましてね、太巻きより少し細めの巻き寿司を半分に切ったのが1個5ドル近くもするのです。

ですから、私はお寿司が食べたくなったら家で作ります。はるかに安上がりだし、晩ご飯が手巻き寿司やちらし寿司だと家族が喜びますから。

回転寿司のお店は少しずつ増えて、何年か前にイーストランドというショッピングセンターに「寿司次郎」というお店がオープンしたんですが、私は行ったことがありませんでした。

ところが、一昨日うちの夫と友人のCさんが映画を見に行くと言うので私も一緒に行くことになり、映画は6時からで夫が仕事から帰って来てから行ったので、映画の前に腹ごしらえをしようということになって、お店に入ってすぐに食べられる回転寿司に行ったのですよ。

オーストラリアでは、回転寿司はスシ・トレイン(Sushi Train)と呼ばれます。寿司次郎の入り口には「1皿4ドル20セントから」と書いてありました。

それって、一番安い1皿が4ドル20セントですからね、平均価格は1皿5〜6ドルだろうと思いました。それって1皿5〜6百円ということですから、回転寿司の値段としては高いですよね?

すでにたくさんの寿司が回転していたので、カウンターに座ってすぐに食べられるはずでした。

ところが…


私はね、マグロとかハマチとか鮭とか、普通の握りが食べたかったんですけど、回転しているのはどれもどれも激しく装飾されていて、マヨネーズやソースがかかっているんです。

うちの夫やCさんは、そういうやつを醤油にジャブジャブつけて食べるんですから、それは寿司じゃあないのよ!

私は迷いに迷ってあぶった鮭が乗ったのを取りました。ひとくち食べたら、

うわっ!何だこれ!

中にクリームチーズが入っていたんです。

不味くはないんですよ。寿司飯には、マヨネーズもテリヤキソースもトンカツソースもクリームチーズも合うんです。でも私が食べたいのはそういうのじゃあないの。

回転してくる寿司を見続けて、私が食べたい普通の握りは来ないと分かりましたので、マヨネーズが付いていないアナゴとクリームチーズが入っていないあぶった鮭を食べました。

オーストラリアでは、ああいうのが人気なんでしょうかね。

注文すれば私が食べたかった普通の握りを作ってくれたのでしょうけど、時間がなかったですから回転していたのだけを取って食べました。

いやあ、「また行きたい!」とは思わなかったです。

寿司はああいう食べ物と思っているオーストラリア人が日本へ旅行して、新鮮な魚で作られたホンモノの寿司を食べて感激する理由が分かりますね。


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2024年4月24日

心理セラピストへの長い道のり

このブログは、日本にいる私の家族に我が家の近況を報告する意味もありますので、今日はうちの娘の次の研修先が決まったことを書こうと思います。

現在大学院2年目の娘ですが、前期はある公立病院のリハビリテーション科で研修をしているんですが、実際にどんなことをしているかと言いますと患者さんへの心理カウンセリングをしているんです。
 
学生ですから報酬はありません。カウンセリングは一人で行いますが、監督者であるベテラン臨床心理士の指導を受けながら行っています。

後期の研修先が決まっていなかったんですが、やっと司法精神医療施設で研修をすることが決まったんです。

刑務所で犯罪者を相手にする仕事になると聞いていたんですが、刑務所ではありません。オーストラリアには「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものがありまして、刑事司法制度に関わる事件を起こした人々の中で精神障害や重篤なメンタルヘルスの問題がある人達にサポートと治療を提供する様々なサービスが含まれます。

重大な他害行為を行った犯罪者が犯行時に心神喪失状態だったという話を皆さんも聞いたことがおありでしょう。

犯罪者に精神障害があった場合には、責任能力がなかったとされて罪を問われず、代わりに医療施設で強制的に入院治療を受けさせる場合がありますよね。そうすることで犯罪の再発を防止し、犯罪を犯した者の社会復帰を促すわけですけど。

これを悪用する犯罪者もいるんですよ!

精神障害や犯行時の心神喪失状態を偽って罪を逃れようとするとか、刑務所ではなくて医療施設に入院することを企むとかね。

「カッコーの巣の上で」という映画がありましたけど、あの映画の主人公は刑務所の強制的な労働から逃れるために精神障害を偽って病院に入るわけですけど、ああいう人達がいるのですよ。

犯罪を犯した人々が、本当に精神障害があるのか偽装しているのか、精神障害は責任能力を問えないほど重症なのか。娘がすることになったのは、こういうことを判断する精神鑑定の仕事だそうです。

娘が将来やりたいと思っている仕事とは違います。娘は心的外傷体験(トラウマ)による心の問題を抱えた人を治療する心理セラピストになるのを目指しているそうですから。

大学に入ってから今年で8年目。大学院に入るために就労経験が必要だったので2年間は働いていますから8年もかかっているんです。

今年無事に大学院を卒業できたら、来年から2年間は実務経験を積むために再び指導を受けながら心理セラピストとして働きます。その間は低給料だそうですが給料はもらえますから、レストランでアルバイトをする必要はなくなります。

その2年間が終わったらやっと一人前になるんだそうですからね、10年がかりなのですよ。

頑張っています。


経済的には苦労していますが、アルバイトをしているレストラン・カフェで残った食べ物をもらえるので食費がほとんどかからない暮らしだそうですよ。

「ダンプスター・ダイビング」というのもやっていますしね。スーパーの業務用ゴミ廃棄コンテナからまだ食べられるのに廃棄された食品を勝手にもらって来るというやつです。

親からの経済的な支援ゼロでこれまでやって来たわけですから大したもんだと思いますし、そういうことができたのもオーストラリアの教育の仕組みのおかげです。

そして、何度も話題にして来ましたけど、娘は大学生になった頃はパニック障害で家から出ることが困難だったわけですよ。

大学まで行くだけで大変な苦労をしたわけですけど、あの状態からここまで変わったというのは、同じようなメンタルヘルスの問題で苦労されている皆さんには大きな励みになると思います。

こういう体験をして来たからこそ、娘は心理セラピストになって心の問題を抱えている人達の回復を助けたいと思っているわけです。回復できると知っているから。

ホントによく頑張っていますよ。


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2024年4月23日

夫婦そろって筋肉痛

うちの夫は、ここ数日全身の筋肉痛に苦しめられていましたが、今日もまだ痛いそうです。

先週の金曜日に起こした泥棒の襲撃事件のせいです。

勤めているツールショップから盗まれた商品を取り返し、盗んだ泥棒を捕まえるため、うちの夫は金曜日の勤務時間後にスタッフ数人と泥棒を捕まえに行ったのですよ。

スタッフ3人がそれぞれの車で泥棒が乗っていた車の動きを封じ、出てきた泥棒をうちの夫が後ろから羽交い締めにして地面に倒したそうですが、襲いかかった瞬間にはものすごい力を出しているわけで。

若い泥棒は逃げようと暴れますからね、警察がやって来るまでの15分間は相当な力を出し続ける必要があったそうです。

日頃身体を鍛えていないオジサンが、準備体操もせずに突然そういうことをやって、普段は使わない筋肉も使って渾身の力を振り絞ったわけですから、筋肉痛になるのは当然ですね。

痛みは翌日の土曜日よりも日曜日の方がきつそうで、その日は仕事でしたからホントにへたばる寸前でしたけど、今日もまだ痛いんだそうですよ。

暴れる泥棒を殴った右手も痛いそうです。

映画やドラマでは拳で殴り合うシーンがよくありますけどね、ああいうことをもしも本当にしたら手は大変なことになると言っていましたよ。


一方、この私はもちろん襲撃には参加していないんですけど、スーパーのショッピングカートの車輪の調子が悪いのに、それを無理して使っていたら左の腰の後ろをピシッとやってしまいまして、それがなかなか良くなりません。

痛くて寝返りもうてない有り様で、昨夜も寝る前に痛み止めを飲みましたけど、夫婦そろって「アイタタタ…」とうなりながら、歳を取ったなあと笑っています。

夫も私も、もう少し身体を鍛えないといけません。

それと、やっぱりねえ、泥棒を襲撃したりするのはこれを最後にした方がいいですよ。泥棒はナイフを持っていたんですからね、刺されていたら筋肉痛ではすまなかったです。


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