日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリア文化セミナー「イタリアの方言について」に行ってきました(2019.6.16)@吉祥寺LCIイタリアカルチャースタジオ

2019年06月20日 | イタリア関連の催し

LCI文化セミナー「イタリアの方言について」に行ってきました(2019.6.16)@吉祥寺LCIイタリアカルチャースタジオ


第1回の「現代のイタリア語ができるまで」に続いて 行ってきましたLCI「イタリアの方言について」のセミナー!!

第1回では「イタリア統一の歴史とイタリア語の成り立ち」について聞きましたが そこからどのように方言が生まれてきたかについて 今回は色々聞きました

ここLCIのセミナーは 通訳もついて 完璧なレジュメも配布していただき 内容もわかりやすくちょうどよいので 毎回参加しています♡

まず 「方言(dialetto)は どのように始まったのでしょうか?」について
これは ラテン語俗語(庶民の話した言葉) latino volgare (parlato dal popolo)が元となったのですね

で その中の 1500年代に話されていたフィレンツェ俗語(il volgare fiorentino del 1500)が イタリア語のモデルとなりました

ここで各地の方言の地図(色別)を見せていただき 方言の名前を知りました!
隣り合う国の言葉に影響されていますね
tilolese(チロル語)とか ladino e friulano (ラディン語とフリウリ語)とか 色々ありますね

なぜ フィレンツェ俗語(il fiorentino)が選ばれたのか? それはイタリア文学の発祥がトスカーナ(ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョなど) また ラテン語に近かったため 地理的にもイタリア半島の中心だったためですね

イタリア統一(1861.3.17)後に 時の教育省のブローリォ(Broglio)が 友人のアレッサンドロ・マンゾーニ(Alessandro Manzoni)に 言語統一のためにfiorentinoの普及を依頼します 

で マンゾーニは「言語統一について」という本を1868年に出版したり フィレンツェで話されていた生きた言葉の辞書を出版したり 各地の方言をフィオレンティーノに訳した辞書を出版したり トスカーナの先生を各地の学校に送り出します


これが「Sciacuare i panni in Arno(アルノ川で洗濯しよう)」 つまり「イタリア語をきれいにしよう」というスローガンですね

他にも カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険(le avventure di Pinocchio)」(1883)などもトスカーナの作家の有名な作品ですし あと 統一イタリア初の料理のマニュアル本「La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene」(1891)で有名な ペレグリ—ノ・アルトゥーズィ(Pellegrino Artusi)も フィレンツェの作家ですね ^^) _旦~~

そして 2年の義務教育(1859) 9才までの義務教育(1887)などが始まります 
この当時は先生の質も高くなく 学校も少なく 一クラスが なんと70人だったそうです!

統一時は8割くらいだったanalfabetismo(読み書きできない人の割合)が 1941年には1割強に減りました

また 1800年代にアメリカに移住したイタリア人と イタリアに残る家族との文通 
工業化により南部のイタリア人が北部で働くようになり そこでのコミュニケーションの必要性 そして雑誌・映画・ラジオ・テレビ等も イタリア語の普及に役立ちました

ただ1905年当時は 方言の軽視傾向があり さらにファシズム政権下の言語政策では italianizzazione(イタリア語化)と称して 外国語 方言 少数派言語を排除する時代だったのですね

地名や 苗字などもイタリア語化してゆきました sandwichもtramezzinoに, cocktailをbevanda arlecchina(今は使われていない)等...
ここでいつものクイズです♪ 


1970年代には 中学校(14才)までの義務教育が課され 方言はようやく「文化的世界遺産言語(patrimonio linguistico e culturale)」に認定されたのですね

文学でも Gaddaや パゾリーニ(Pasolini)等が方言を使って出版するようになります
1999年にはフリウリ語(friulano)は 歴史ある少数派言語の中でも消滅寸前であり その文化とともにイタリア国に言語として認められました

フリウリに行くと 標識などは イタリア語とフリウリ語の両方で書いてあるそうです

90年代になると 現代音楽にもフリウリ語が取り入れられ Fabrizio de Andre という歌手が ジェノヴァ方言(genovese)でアルバムを出して 大成功を収めました
サンレモ音楽祭でも 初めてヴェネツィア方言(veneziano)で歌うPitura Freskaというグループが出現し その時から規則が変わったとのこと

映画でも ネオリアリスムの作品で 方言が使われますね ベルガモ方言(dialetto bergamasco)の「木靴の樹」(E.オルミ監督)とか 「揺れる大地」(ヴィスコンティ監督)とか...イタリア人が聞いてもシチリア方言(siciliano)は聞き取れないとのこと

コメディでは ローマ特有の方言(forme dialettali tipiche romanesche)が よく使われます: mannaggia (ひどいことがあった時の言い方) ← あっ これリスニングのレッスンで聞いたことあり(^.^)
さらに テレビや小説 広告などでも...

今は 家族で話す時はイタリア語45% 方言26% ミックス32% 等だそうです


pausaをはさんで...

      *     *     *

後半は 「ヴァリエタ・レジョナーリ(Le varietà regionali)」について  

地域ごとの多様性 つまり 方言(イタリア語とは独立した言語)とは違い 限定された地域で使われる言葉です

北部で 名前の前に冠詞をつけたり (il Marcoとか) casaを 北部ではカーザ 南部ではカーサと発音する等...

あと有名なのが トスカーナで コカ・コーラをホハ・ホーラと発音する"aspirazione dell'H"...これってゴルジャ(gorgia/喉頭音化)というのですって!!

南部では遠過去をよく使うとか 子音が重なったりとか その他色々... ← あんまり深く突っ込むと 検定の時に間違えそう~(笑)

geosinonimi これは 地方ごとに変わる同義語のことですね
冒頭の写真を参考に ...料理にも色々あるのですね! これまたややこしい~( ゚Д゚)
lasagne(ラザーニャ)を 北部では pasta al fornoという等 生活用品等も 地方によって言い方が違うのですね~


そして最後は 少数派言語(minoranze linguistiche)について

イタリアでは 12グループのマイノリティ言語が認められているそうです
それらが 1999年にできた法律で 保護されることになったそうです
そして フリウリ語(il friulano) サルデーニャ語(il sardo) ラディン語(il ladino)は 言語として認可されました

ラディン語は 特に話す人が少ないとのことです ← いや...今まで聞いたことほとんどなかったですよ~ラディン語なんて!! セミナーに出て感激♡

そして さて イタリア語が公用語として話される国はどこ? 5つありますね(^.^)
イタリア移民が多い国はどこ? アメリカ 南米 ヨーロッパなど
イタリア語を学ぶ人が多いのは 第何位? これは私が「4位!」と答えをズバリ当てました♡  


ラストの イタリア人の司会が各地の方言を披露する映像には もぉ笑い転げてしまいました!! 
北から始まって 一番最後のサルデーニャのところは ダンスが好きなサルデーニャの人らしくダンスまで!!

これはイタリアに滞在して方言を聞いたことのある方は必見です!(^^)! 

そして なぜイタリア語を学び始めたかを一人ずつ話して 終了となりました!!

文化セミナー「イタリアの方言について」は こちら

LCIのリポートは こちら

素晴らしいセミナーを開催してくださいました イタリア語 x カルチャースタジオ LCI 吉祥寺様に 心よりお礼申し上げます




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