タイに暮らす:ウチのハーフキッズの日本語&タイ語

2005年生まれのお兄ちゃんK 妹のMちゃん。
好きなものを見つけた2人は今自分で日本、日本語の世界を切り拓いている

虫の声?虫の音?

2020年06月04日 | 日本の教科書を使って 
いつも余談が先ですみません。
今回もちょっとだけ。

2020年5月最後の週末
久しぶりに近くのスーパーLOTUSへ買い出しへ。
ついでに昼ご飯を*8番らあめん*(レストラン)で
食べようということに。
久しぶりすぎて 緊張しました。

タイは5月半ばから新型コロナウイルス感染症対策センター
による店舗の利用者情報管理が始まりました。 
QRコードで店舗ごとにチェックインとチェックアウトを登録します。
はっきりいって 面倒は面倒ですが 安全上の規則ですから
行います。

LOTUS入口でチェックインを済ませたのに
8番らあめん入店時にもサインを求められました。
しかも 店内はというと ソーシャルディスタンスを保つため
こんな感じでテーブルには1人のみ着席可能。


餃子を頼みたいのにシェアできないから我慢。。。でした。
でも 久しぶりの8番らあめんの五目らあめんは 美味しいですねぇ。

後から入店された年配のご夫婦、ご主人はご婦人と
一緒に座れないのが不満らしく 若い店員さんに
「一緒の車で来たし、ずっと家にいるから大丈夫だ」
強引にも同席を貫こうとしていました。
店員さんは
「規則ですから」と仁王立ち。
どうなるのか見守っていると
ご主人が根負けして
「居心地悪い!帰る!もう来ない!」
怒鳴り席を立って行ってしまいました。

なんか 気持ち良かったですねぇ。
私の中のタイは こうした違反行為をなあなあで
済ませてしまうというイメージ。
しかし今回は違いました。
若者は確実に育ってます。
違反したら罰金を支払うのは店側なのだ。
きちんとした安全管理意識を持って仕事をしている姿に
感心してしまいました。

ふと 周囲のお客さんを見ると 
小さいお子さん連れが多いんですね。
そして 家族で保たれたちょっとした距離を
楽しんでました。
いつもと違う距離に戸惑うちびっこにひらひら手を振るママ。

なんだか 新鮮。。。

さて、タイトルの虫の声?虫の音? の話です。
つい先日 知人から Reading Road
~多様な日本を読む~という教科書を頂きました。


日本語初中級レベル(N4, N3)対象です。
「和」「心」「美」「遊」「生」を各5チャプターのテーマとし、
日本の食、芸術、文学、環境問題、先端科学技術などの最新のトピックス、
また、平和と戦争、命など、グローバルな視点も取り入れた読み物が載せられています。


読み物として読んで ああ、子供に伝えたいなと
思えるトピックが多いです。

Mちゃんと読んでいて これ 面白いねとじっくり読んだのが
チャプター3にあった 「虫の声?虫の音?」 という話。

ある日本人が海外で 外国人に
「(外で鳴いている)あれは何という虫ですか?」
と聞いたところ 不思議そうな顔で そんな音は
聞こえないという。
人によって同じ音に気づいたり気づかなかったりするのか
医学的実験を始めたそうです。

結果 日本人は虫の声を 左脳(言語脳)で
外国人は 右脳(音楽脳)で聞いていることが分かったそうです。

外国人は虫の鳴く声を聞いた時、楽器や機械音、雑音
として脳が反応しているということ。
日本人は左脳で虫の声を 言語化して聞いているということ。
暑い夏に聞く「みんみんぜみ」や初秋に鳴く「つくつくぼうし」
など、せみの名前もその鳴き声で呼ばれている。

そう!
日本人は遠い昔から虫の声に感情移入し季節を感じる
風習があります。 切っても切れない季節(特に秋!)と虫。
(雨や風の音もしかり。)

音を聞き言語化して季節を感じるのは
百人一首の時代から行われてます。
百人一首の中で一番読まれているのは秋の歌。
Mちゃんに聞くと、バイブルからこちらを見せてくれました。


九十一首:
きりぎりすなくや霜夜のさむしろに
衣かたしきひとりかも寝む

後京極摂政前太政大臣(←舌を噛みそうに長い名前です)

霜が降りるように寒いきりぎりすが鳴く頃
一人寝の侘しさ、寂しさが詠まれています。

ふと、タイはどうなのだろう。虫の声ってタイ語にある?

答えはノー
Mちゃんいわく、タイ語には虫の声は存在しないそうです。
大体 虫に声っておかしい、と言われました。
口から出すのが声でしょ、と。
羽をこすり合わせたり、体から発せられるのに、声はない。
音だと。

なんと風情のない、、、と思ってしまうのは 
私が日本人だからなんでしょうねぇ。

Mちゃん言うには 唯一 音がある虫はハエのみ。
”うぃー”という音。
他は 雑音でしかないと。

タイ猛暑の4月狂ったようにセミが鳴いているのを聞いて 
「やっぱりこの声!真夏を感じるねぇ」
などと言っても タイ人には理解されないということか。
そもそも いつも暑いでしょ、と言われるか。

例えば タイ語で”すずむし”という名前を知りたくて
「あそこでチンチロリンって鳴く虫の名前タイ語で何?」
聞いてもアライナ?(何言ってるの?) と言われるということか。
聞こえていないのだし そもそも虫の声は擬音語で言葉のように存在しないのだから。

タイ育ちのうちの子たちはどうなんだろう、、、
聞いてみると
”日本語では分かるけどタイ語では分からない”

日本語を話していると左脳が反応し言葉として聞こえる虫の声、
タイ語に切り替わると右脳が反応し虫の音、、、雑音になるの??

季節感のないタイに育ったけれど、日本の映画や漫画、アニメ
小説なんかに登場する 言語化された季節を感じる音の数々。
それに触れているおかげで 虫の声が聞こえる子どもたち。

なんだか 嬉しい。

絶対 京都の嵐山 鈴虫寺へ 連れて行こう!

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3 コメント

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Unknown (いぬ研究所)
2021-09-20 11:41:38
「外国人には虫の音が聞こえない」なんて明らかに科学的に怪しい説を、どうも日本人はみんながみんが信じ込んでしまっているようで不気味です。
そもそも右脳や左脳はどうとかいう話は、もう何年も前に科学的に否定されているので、気をつけてください。

セミとかスズムシとかは生息していない地域もあるので、そういう地域の人には馴染みがなくて当たり前ですが。
中国でもコオロギは象徴的な存在でそれを飼うための贅沢な容器すら作られています。韓国の人もベトナムの人も、やはり秋の美しい音色や田舎の懐かしい物として認識しておられました。
日本人って、形の上では海外と交流しているようでも、心の上では交流できていませんよね。
最近の日本人はイソップ童話も忘れてしまったのでしょうか。
Unknown (いぬ研究所)
2021-09-20 13:09:39
「虫の音」と表現するか「虫の声」と表現するかという話ですが、「虫の声」と言っているのは単なる言葉のあやで、そんなに深い意味はないはずです。
そこから角田教授とかいう変な人がエセ脳科学へと話を広げてしまって、今日のような怪しいガセネタ都市伝説が生まれたわけです。
twitterでタイ人の書き込みを読んでましたが「カエルとコオロギ」がよく一緒に語られていますね。
「口から出すのが声でしょ」はまったくの正論ですが、それは単なる言葉の定義を論じているにすぎないので、脳みそがどうとかいう話とは違うと思います。
まあ、羽をこすって音を出しているんだから、バイオリンみたいな弦楽器を連想する方が素直ですよね。
Unknown (いぬ研究所)
2021-09-22 13:07:47
鳴く虫についてタイ人と語りたければ、まずは เรไร (レーライ)から入りましょう。
セミの一種ですが、タイではけっこう象徴的な存在のひとつです。
วัดเรไร(ワット・レーライ)っていうのがあります。วัดはお寺のことですよね。
人によって昆虫の好き嫌いはありますし、夜中にカエルやコオロギがうるさくて眠れないって人もいますが、雑音だなんて思ってはいません。そこは誤解しないでくださいね。

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