経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

コロナ不況と消費税減税

2020-03-19 17:48:03 | 経済ニュース編

 新型コロナウイルスの感染拡大による国内経済への打撃が深刻化する中、政府は大規模な経済対策の検討作業を加速させているという。その中には、消費税減税を提案している人もいるが、何でも反対の共産党でもあるまいし余りにも無責任ではないか。
 そもそも1989年に消費税法が導入されてから現在の税率10%に引き上げるまでには、政治家・国民の全員が大騒ぎしながらなんと約30年もかかっているのである。
 それだけではない、既に20年前に消費増税を当て込んで、法人税と所得税の大減税を実施していることを知っている人はどれ程いるのだろうか。さらにはここ数年間にも、子供の授業料・医療費などの無料化など社会保障の充実などが先取りされていることは周知の通りである。

 従って今や国家の大財源となっている消費税を、廃止したり減税すれば良いなどと簡単に語っている人たちは、余りにも無責任であり経済オンチではないだろうか。それに消費税の存在により消費を躊躇するのは、住宅や自家用車などの高額商品や超・贅沢品の購入くらいであろう。逆に言えば、消費税率を下げても、通常の消費がそれほど増加するとは思えない。
 また消費増税後に消費がやや冷え込んでいるのは、増税前に買いたいものをまとめ買いしているからであり、しばらくすれば増税前の状況に戻るはずである。もし戻らないとしたら、それは消費税の影響ではなく、既に飽食の時代が終わり、もう買いたいものがないのだと理解したほうが良いだろう。

 そんなことは政府は百も承知だろうから、まずこの際は禁断の消費税は触らないだろう。そんな折り今度は国民民主党が「国民一人当たり10万円支給」などと言う、もっと幼稚な発想をぶちまけてきた。この党は民主党時代から単純な「現金バラマキ」しか考えられないのだろうか・・・。
 そんなことをしても、大部分の人は貯金するだけで、大した消費刺激剤にはならないし、本当に困っている人にとっては10万円など焼け石に水であろう。
 すると今度は、スイカなどのプリカに10万円分入金したものを配ったらどうだろうか、と言い出す人もいる。もしそれが期限付きで、転売できない仕組みにすれば消費に回るかもしれない。だがそれが生活必需品の購入にだけ充てられたら、結局は貯金したのと同じ結果になってしまうだろう。いずれにせよ、一律10万円という単純バラマキだけはやめたほうが良い。もう少し知恵を絞れないのだろうか、悲しくなってしまうよね。
 
 とりあえず今回の支援は、新型コロナウィルスの影響によって直接被害を受けた個人や業者だけに限定してもらいたい。そしてそれが消費にも繋がるのなら積極的に支援すればよいではないか。
 例えば国内外からの旅行者大幅減少により被害を受けた観光業界救済のため、国庫金による旅行代金50%負担とか、無給の自宅待機を強いられた臨時社員などへの休業補償など、まずは困っている人々への集中救済が優先であろう。またコロナワクチンや治療薬の開発費用の国庫負担なども考えられる。あとは順次様子を見ながら、消費活性化に有効かつ合理的な政策を打ち出せばよいのだ。

 全世界で各国が闇雲にお金をばら撒けば、やがて戦後の超・インフレ状況と同様になり、現在の蓄えは半分以下の価値になりかねない。またばら撒かれた金は、やがて何らかの形に姿を変えて、我々国民の上に負担としてのしかかってくることになるだろう。場合によっては、それが新型コロナウィルス以上の脅威になるかもしれないのだ。従ってここは慎重な検討を経たうえで、コロナ経済対策を練り直していただきたいのである。

作:蔵研人

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