経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

いよいよ消費税10%か

2018-10-31 18:38:31 | 経済ニュース編

 1989年4月にわが国で初めて消費税が導入されて以来、早や30年近くの時が流れようとしている。そして当初の税率3%から5%、8%を経て、いよいよ来年2019年10月より税率10%時代に突入することになる。
 もちろん我々小市民にとって、消費税率アップは非常に嬉しくない税制改正なのだが、欧州のVAT標準税率が20%であることを考えれば仕方ないかなと渋々納得してしまうのである。むしろ約30年間もダラダラと増税を引き延ばしてくれたものだと妙に感心してしまうくらいなのだ。

 まあいずれにせよ、国際的な税制動向や我が国の赤字国債乱発状況を考えれば消費税率10%は遅過ぎたとしても、決して避けられない増税であることは疑いの余地もない。だが今まで増税が先送りされ続けたお陰か、いまだに来年増税されるとは信じていない消費者が大勢いる。
 それどころか、全く増税対策の準備をしていない企業も目白押しのようだ。ことに食料品等を対象とした軽減税率が複雑であり、さらには車や住宅などの課税特例やクレジットカードを使った場合のポイント還元なども囁かれており、準備したくとも動けない状況に追い込まれているのかもしれない。

 これらはいかにも国民のためと言う正義面をしながら、全て政府与党の選挙対策のために産み出された理屈だけの手法であり、実際に運用する企業側の現実的な苦労は全く考慮していないような気がする。もし準備する企業のことを考えれば、あれだけ時間があったのだがら、もっと以前に増税の詳細システムを開示すべきであろう。

 こうして急遽企業側は、税制改正に伴うシステム変更と、レジ・端末機などの買い替え、営業現場などの従業員再教育などを実行しなくてはならないのだ。そのうえポイント還元については、いまだに実施するのかしないのか、また具体的な手法も確定していないため、見切り発車でシステム変更を急がねばならない。
 さらには当然のことだが、全国一斉にシステム変更やレジ改造をするとなると、これらを請け負うシステム会社等は火の車で、血みどろの集中作業が手を広げて待っている。だからあと1年後に本当に増税が実施出来るのか、私自身もかなり懐疑的にならざるを得ないのだ。と言っても気の毒だが、各企業の経理マンたちは知らんぷりをする訳にはゆかず、何らかの準備作業に突入することになるのだろう。あと1年余、がんばれ経理マン。

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