報告遅くなりました
【講演のご報告】

八丁堀 京華スクエア―にて

カンナ・プロジェクトと望ましい地球社会「カンナ!世界へ!宇宙へ!オリパラへ!」
「今、なぜ、宇宙なのか?」説明・対話集会 
概要 
先日、2019年11月30日(土)午後1時15分より90分間

(終了後も引き続き約1時間ほど自由対話の時間を設け続行)

都心の八丁堀、京華スクエアの小会議室にて、表記タイトルで、

合わせて9人という少人数ながらも有意義な対話集会が実現しました。

出席されてご意見を披露してくださった皆様に心より感謝申し上げます。

当日の主要な話題を以下に簡単に記します。

今回出席できなかった方も

次回の集会には是非ご参加いただけますようお願い申し上げる次第です。
 

当日の話の流れは、

1)橘代表のこれまでのカンナ活動の経緯の説明

2)三橋の自己紹介と国際社会学から見たカンナ活動の解説

3)出席者による個々の人生観と社会への関わり、カンナ活動についての見解と質問

4)当日の集会のまとめ、という順序でありました。
 

1)ご承知のように橘代表は、マナー講師であり浄瑠璃作家でもあり、

恕の精神を日常生活でも実践している女性です。

彼女のカンナとの出会いから始まり、カンナの苗をその理念とともに小学校、

中学校を中心として植えて、バトンをつなぐ作業、

それを日本国中、また一部には外国までも株分けしたカンナが届いたこと、

さらにこの活動を支える「次世代グループ」が自主的学習会の末に生まれたこと、

また賛同者たちがカンナスマイルで撮影した笑顔の写真を全国1万人以上から集めたこと、

カトリック教会とプロテスタント教会の和解のシンボルとしてカンナが選ばれたこと、

そしていよいよ来年2020年には

子どもたちが育てたカンナのタネが宇宙に打ち上げられるまで至ったこと、

などをよどみない口調で、淡々と丁寧に説明されました。
2)三橋が橘代表と面識を得たのは、2011年東日本大震災の年に、

当時教鞭をとっていた東洋英和女学院大学での国際社会学の特別授業の一環として、

特別講師としてお招きした時でした。

以来、恕の精神とか、ゆるキャラかんなちゃんとか、

橘代表のカンナ活動とその精神を、外から見守ってきました。

橘代表の実践活動の精神は、私の研究上の目標である

「望ましい地球社会」の理想とするところと

合致することが多いと常に感じています。

自分は机に向かって考えることが主ですが、

それを実践する橘代表にいつも啓発されています。

ここで恐縮ながら、私の研究上の構想の一つを申し上げると、

21世紀に生きる我々個人の充実と「望ましい地球社会」とは、

どのように切り結ぶことができるのか、という点があります。

「望ましい地球社会」の定義そのものの問題も残りますが、

現代人の個人の充実という点ではすでに一つの仮説を提出しました。

それは「個人主義」と「利他主義」を統合的に使い分けるという生き方モデルです。

ある時は「個人主義」により自己実現に向かってまい進することがあっても、

またある時には、自分のことはさて置いて、

自分よりも他者や自分を取り巻く複数社会に、

何らかのサービス(貢献)を自然に提供するというモデルです。

この場合の「複数社会」とは、自分が円○の中心部に位置すると考えた場合、

ちょうど静かな池にポンと石を投げた時に作られる同心円の輪のように、

その周りには、複数の同心円の輪が形成され、

自分に一番近い同心円には「家族」が、

そのさらに周囲の円内には「地域社会」が、

そのまた外円には「国民社会」が、さらなる外円には「大地域圏」(EUなど)があり、

そしてその最後の大円には「地球社会」が形成されていると考えるものです。

さらに各個人は、これらすべての複数社会それぞれに帰属意識とともに

愛着が醸成されることが望まれます。

まあ、これは明らかに「理想主義モデル」でありますが、

その理念は、カンナ活動を展開している

橘代表の恕の精神と通底しているのではないでしょうか。

(また21世紀には、上記モデルと併行して、宇宙まで展望した、

さらに壮大な構想が求められていると考えます。)
 
3)会場には、科学者のK氏、

また橘代表をミャンマーへ招待してくれたM氏がいました。

 

M氏の計らいで、橘代表はミャンマーの尼僧院を訪れ、

そこでは子どもたちが完全に保護されているが、

ミャンマーの社会全体では孤児が多いとのこと。

 

各方面でコンヴェンションを担当するというO氏からは、

カンナ活動は、「引き寄せの法則」で人が集まってくるかもしれないが、

その資金源・資金調達はどのようになされているか、との質問があり、

三橋は、財源配分のことと解釈して「実行委員会では、

橘代表に見倣ってすべて手弁当、

自腹でやっているのできわめてクリアーです」と答えました。

 

また話がオリンピック、パラリンピックに及んで、

カンナ活動の恕の精神は、オリンピックの平和の祭典の精神とも相通じるもので、

カンナは一人ひとりの真心を伝える存在、との橘代表による説明がありました。

さらに橘代表は「一人真に欲すれば、十方真際に期す」との仏教僧侶の言葉を引用して、

カンナ活動を始めて、それをあきらめずに続けてきたからこそ、

現在の発展につながっている、とも付言しました。

代表によると、カンナを育てる里親制度により、

里親でカンナを預かってくれている人は、

現在およそ1,300人にのぼっています。

 

また甲状腺がんの専門家であるW氏は、

チェルノブイリ原発事故以来、現地を訪れ、

多数の患者を診てきており、現在でも日本とベラルーシの間を往復し、

患者の相互訪問などに携わっている、とのことでした。

 

一方、エンジニア畑で30年間活躍していたI氏は、

今現在、日本社会は転換期にあり、

これまでは大企業支配の時代であったが、

これからは地方が主役の時代となり、

今まで忘れ去られていた心を取り戻すことが大事で、

それを象徴するのがかんなちゃんで、恕の心であるとの解釈でした。

 

しかしI氏によると、

かんなちゃんが、生業(なりわい)としてやっていけるか、

との問題は残るそうです。

 

またIK氏は、地域の外国人に日本語を教えるボランティアをやってきた傍ら、

中学生に弓道を指導しており、

教え子の一人が、高校の交換留学でフランス行きに選抜された背景として、

その生徒に弓道の心得があることが理由の一つであった、

などを語ってくれました。

 

このように参加者の皆さんは、こぞって、

人と人との交流という点を重視され、

またそれを実践されていることが理解され、

ここに集まった方々は、時代を反映されているのかもしれない、

との感慨を抱いたのでした。


4)当日の集会の個人的なまとめとしては、以下の4点に集約できます。
1.橘代表によるカンナ活動は、驚異的な発展を遂げて、

来年にはカンナのタネが宇宙に打ち上げられるまでへと

何とか漕ぎつけられるようになった軌跡を振り返ると、

橘代表が、その時々の偶然の出会いや思い付きで、結果的にこうなったのであり、

決して当初の橘の計画がついに実現された、というものではなかったこと、

に想いを馳せるべきである。
2.カンナ活動の要点は、つまるところ広い意味での子供の

(そして大人の)教育であり、その普及であるということ。
3.橘代表の標語になったと思われる「恕」の精神の意味を、

さらに考察し、深める必要がある。
4.カンナちゃんは、誰が見ても可愛い存在であり、

それが象徴している意味とともに、

橘代表の類まれな美意識と創造力の結晶としていつまでも残るであろう。
 

以上
カンナ子ども夢プラン実行委員会 
委員長 三橋利光