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『ありがとう依存症』の激レアさん 

2019年02月16日 | エッセー
 お正月に、激レアさんの特集をやっていた。朝からやっていたようだけれど、お昼過ぎにテレビのスイッチを入れたら、すごい激レアさんを知ってしまった。感動というか人間の可能性というか、ただただ、あっぱれだった。
 30代のその男性は、今はコンビニを10店舗もつ社長さんだという。
 ただただ、ありがとうとお客さんに言ってもらいたくて、日々、ありがとうのために働いていたら、商売が繁盛し、社長さんになっちゃった。

 この男性、小さい頃はアメリカに住んでいて、小学校2年生の頃、日本に戻ってきたそう。しかし、日本の小学校に通い始めて6日目に、学校に行かなくなったと。その理由は、掛け算九九を一生懸命暗唱するという授業を受け入れることができなかったから。アメリカの授業はもっと楽しいものだったそう。それから、うろうろする仲間たちとうろうろほっつき歩く日々。見かねた親が、ある施設に入れたら、そこは、毎日のように流血騒ぎが起きるようなところで、そこを飛び出し、中学にも行かず、うろうろ仲間と恐喝したり、鉄の棒を振り回す日々を送っていたそう。
 そして、15歳の頃、スーパーで夕方のバイトをするということになったその日から、彼は本領を発揮することになる。
 仕事を覚えようと、朝8時半にはスーパーに行き、夕方まで仕事の準備運動。そして、夕方からバイトに入る、つまり、毎日ほぼ一日中バイトをしていたという。もちろん、8時半から夕方5時までは無給で。そして、ある日、お客さんから『ありがとう』という言葉をいただいて、『ありがとう』にはまっていったのだと。ただただ、お客さんの喜ぶ顔みたさにいろんなトライをする日々。今まで、『ありがとう』なんて言われたことがなかったから、うれしくてうれしくて、幸せで幸せで、おそらく、麻薬みたいなホルモンがバンバン出ちゃったのだと思う。へたをすると、ふてくされて、麻薬に手を出しそうな環境にいただろうに、そこは、生まれ持った性質なのか幼少の頃の育ちがよかったのか・・・。

 だって、足し算も、両手の指が足りなくなるとできなかったそう。例えば、12+12は、紙に、〇を12個と12個書いて、それを、また、1,2,3、・・・・と一個づつ数えていたというくらい。見かねたスーパーのバイトのヤンキー先輩が、計算機ですれば早いと教えてくれて、その時、初めて、計算機という存在を知ったというくらい浮世からも離れていたと。

 ホッチキスという存在も知らなくて、紙を束ねるときは、少しづつ紙をずらして、セロテープでとめていたと。

なんという浦島太郎くん。

 何も知らないという現実に打ち勝つために、きっと、毎朝8時半には出勤して、仕事を必死で覚えようとしたのだろう。

 そんな彼だからこそ、『ありがとう』と言われたとき、この世のものと思えないくらいの恍惚感に包まれ、また、あの恍惚感を味わいたいというだけで、日々、お客さんサービスに励んでいたと。
 否、励むというより、したいからするという自然な行為だったのだと思う。パチンコとかギャンブルとかをしたいという気持ちと同じような欲求。

 『ありがとう』依存症。

 いいね。
 環境的には、覚せい剤依存症になっても十分おかしくないに環境にいながら、正反対の道を突き進めたのは、なぜだろう。

 不良仲間からやられそうになった時、いつも一緒につるんでいた先輩が『君は、こんなところにいちゃいけない。』と言って、自分が身代わりになって助け出してくれたというようなことをおっしゃっていた。
 運が彼を味方したのだろうか。必然だったのだろうか。

 
 そんな彼は、地元ではちょっとした有名くんだったそう。

 とにかく、ありがとうと言って欲しくて、ありがとうのためならなんだってするという変な少年がいるということで。


 彼が、18歳になった時、スーパーの店長から、正社員にならないかともちかけられたそう。
 しかし、彼は、なぜだか、社長になるという目標をもってしまっていて、社長になるためにはどうしたらいいかと考え、正社員の道を断り、コンビニで働き始めた。接客が大好きだったので、接客関係の社長になるためには、コンビニで修業することが一番だと思って。
 このコンビニ時代も、またまた、ありがとうのために働き続け、ついに、23歳でコンビニの店長に。
 店長になってからの、エピソードが、これまた、すごい。


 彼のコンビニは神奈川にあるそうで、あるドライバーが免許証のコピーをして、免許証を置きっぱなしにして帰ったそう。
 それに気づいた激レアさん。
 そのドライバーの免許証から茨木県の住所だとわかり、わざわざ、茨木県まで自分で持って行ったそう。

 また、ある時、店員が、ディズニーランドのチケットを販売したのだけれど、ゴールデンウィーク用のチケットではなく、普通の日のチケットを間違って販売してしまったと後で気づいたそう。
 さぁ、どうしたでしょう?

ゴールデンウイークのいつの日のチケットかは把握していたが、どこの誰に売ったかなんて記録は残っていない。
 ただ、監視用カメラに姿は残っていた。

 なので、スタッフ全員でその監視カメラに映った姿をそれぞれの目に焼き付けて、購入したチケットの日にデイズニーランドのそれぞれのゲートにスタンバイし、何万人も通過するゲートで、目に焼き付けた姿の人を必死で探したという。
 そして、ついに見つけた・・・・のだと。

 すごいね。

 ありがとうと感謝されると、誰だって、うれしい。

 でも、そのレベルが彼はオリンピック選手なみ。

 はまったのが、ありがとう。
 ある意味、オタク?

 でも、こんなオタクなら、素敵。

 要は、ウインウイン。
 オタクだろうが、なんだろうが、ウインウインが幸せを連れてくる。

 私も、ほんの少しでいいので、彼を見習いたい。
 ただね。もし、彼に奥さんがいるとしたら、出逢ったときは、ありがとう人間の彼にとても魅力を感じたと思うけれど、一緒に生活をしていくとなると、ありがとうももはや依存症レベルなので、きついかもしれない。

 半径3メートル以内の人を幸せにできなくて、ど~よ!


 半径3メートル以内の人だけの幸せのために生きるのもどうかと思うけれど、半径3メートル以内の人のありがとうのない、ありがとうは、単なる依存症にすぎない。

 依存症とは、半径3メートル以内の人を幸せにしない病気である。

 

 

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