本日は15位、カリアリから２チーム分のみ。昨季終盤に就任したマラン監督を続投させて新シーズンのスタートを切った。
キエーヴォ時代はほぼ固定だったマラン監督の4-3-1-2は、ここカリアリでも当然用いられたが、中盤がダイヤモンド型の4-4-2や、冬にビルサを手に入れてからは4-3-2-1のクリスマスツリー型も本格的に運用して行った。
形は変われど、その中盤の構成には売り出し中の若手ニコロ・バレッラが必ず含まれており、チームへのエネルギー供給に余念がなかった。
オールラウンダーのイオニータもバレッラと共に中盤で存在感を強めていたが、本来活躍しなければならないブラダリッチ（クロアチア代表）は期待外れの出来に終った。
トップ下にはマラン監督のシステムを良く知るカストロを連れて来ていたが、彼が負傷してからは露骨にチームパフォーマンスが低下した。
守備面に目を向けると、「54失点」はそこまで多く感じないだろうが、これはひとえに24歳のＧＫアレッシオ・クラーニョの活躍があっての数字ではないだろうか。
総セーヴ数160はリーグトップで素晴らしいのだが、232本も枠内にシュートを打たれるチームはどうだろうか。
前線ではパヴォレッティが16得点を挙げて注目を集めたが、彼に続く得点者は見当たらず、総得点36は残留組の中で最小。
もっと言えば、ジョアン・ペドロ（７Ｇ２Ａ）をトップ下と考えると、パヴォレッティ以外のＦＷ登録者は0得点である。
ファリアスとサウを冬にレンタルで放出したが、来季のスカッドに入るかどうかは不明。
リーグ戦では２月に一度降格ラインに接近したものの、33節で残留を確定させる等、比較的安定したシーズンだったと言えるだろう。
カリアリはマラン監督と22年まで契約を延長した。
気になる事といえばここ数年、サルディーニャでの人種差別的な行為が勢いを増している点だ。
ムンタリさんの件もここだったし、ここ二年はユーヴェの選手も標的にされている。
ケアンの一件は「自分から煽りに行った」ので責任の一端はあるとは思うが、試合後ボヌッチがコメントした「カリアリのゴール裏もああいう形でやり返すべきじゃなかった」はその通りである。
16位はつい最近、デッラ・ヴァッレ兄弟からアメリカ資本へのオーナー交代が発表されたばかりのフィオレンティーナ。現在から考えると、全てが失敗に思えるシーズンだが、序盤〜中盤は一桁順位と二桁を行ったり来たりしていた。
チームの出来を語る前に市場の話を先にすると、（昨季の反省もなく）今夏も大幅な入れ替えが行われた。
どう見ても弱体化した総戦力だが、ピオリ監督はフロントからの突き上げ等、色々なものに耐え忍びながら年内を10位キープで凌ぐ。
冬市場からは（実質的に）唯一の獲得といっていいコロンビア代表ＦＷムリエルが前線の起爆剤となり、チームは彼に引っ張られる形で年明けから２月までを負け無しで過ごす。
このムリエル加入によって、決定力が激減したシメオネをベンチスタートにして切り札的に起用する方向へシフト。
ベルギー代表ＷＧミララスも真価を発揮し始めたかに思えた４月、ピオリ監督は解任された。
確かに好調だった２月までに比べ、３月は２分２敗で勝ち無し。
シーズンを通しても勝ち切れない試合が多かったのも事実だが、この守備陣ではそれも道理だ。
そして、冬にその解決策を一切与えなかったフロントにも責任はある。
恐らくだがこの時、フロント陣は既に逃げる算段を立てており、チームに投資する意思は無かったと思われる。
その後の顛末は皆様も知っての通り。
モンテッラ就任後は一勝も挙げる事なく、最後はジェノアとの談合で残留のテープを切った。
活躍した選手はごく少数。
キエーザの他に話題に上がるようになったのはＳＢクリスティアーノ・ビラーギだが、完成された選手とは言えない。
ビラーギは良クロッサー特有の、動きのグリグリした感じが強く、守勢に回った際に自身のボディバランスを失い相手に振り回されてしまう。
ポジションは全く違うがベナッシもそういうフシがあり、ここ数年、ヴィオラが技術のある選手起用に偏り過ぎた代償とも言えるだろう。
ナポリ行きも噂されているＭＦヴェレトゥはＰＫ成功率も含めて一番まともに活躍した中盤の選手だったかもしれない。
短気な性格を抑制できれば更に上に行けそうだ。
冒頭に書いたフロントの刷新がどう出るかは未知数だが、もはや「いない方がマシ」という指揮官と延長してしまう辺りにセンスを感じますね（裏の）。
まぁそれでも、かつてこの地でモンテッラと組んで結果を出しているプラデ氏がディレクターに戻って来る線が濃厚とのことなので、今季よりヒドい事にはならないんじゃないすかね（適当）
←ラビオか・・・まぁポグバ以外ならもう何でも・・・でも彼はママンがね・・・
コメント
コメント一覧 (4)
この解説だとフロントがだめすぎるように読めます。
キエーザも売ってくれてから交代してほしかったな。
モンテッラやガットゥーゾはまともな人間性に見えるので復活してほしい。。。
＞ラビオ
移籍金1億以上とフリー
年俸1500万と年俸700万
10番ＭＦがまだまだ必要な状況では割りといい仕事におもえる・・・
いつもとおりの事故物件の再利用ではありますが。
＞ほとんど１８０度戦術が変わりますよねぇ。
シュチェスニーすらスタメン維持があやしくなるのではというくらい不安ですね。
ケディラはアレグリのチームだと必要な人材でしたが切り時だしアウトだろうなあ。
中盤も必要ですが年老いたボヌッチキエリーニをスタメンから落とせるＣＢをとれなければ落第点ですね。
＞フロントがだめすぎるように
セリエの会長という括りの中ではデッラ・ヴァッレ兄弟はしごくまともな人間の類なのですが、それ故に出せる資金も真っ当な額だったのかもしれませんね。
＞モンテッラやガットゥーゾはまともな人間性
悪魔憑きと、カタツムリ生で食う奴ですよ？
＞年俸700万
ガキじゃなくてママンに支払われる額を公表しろと言いたいです。
選手として見るとラビオは面白い戦力になりそうですが、干され続けて干物になりかけているせいで試合勘はどうなんでしょうね。
＞ケディラ
まぁ放出で問題無しでしょうが、サッリとしてはアラン的なＭＦが一人は欲しい所でしょうね。
＞ＣＢ
デ・リフトの獲得報道が出てますが、額を見て「いい加減にしろ」と思いました。
何ですか年俸18億円て。
＞額を見て「いい加減にしろ」と思いました。
いつからこんな金満クラブになったんだろう？というくらい毎年使えるようになってますね。
この使い方するなら確かにマロッタはいらないわ。
＞何ですか年俸18億円て。
もう決まったのかな。正直取れただけで合格点でいいとおもうくらいに酷い状況なので、
デミラルは見てないのでわかりませんが、この人とって仕事しましたみたいなツラされるよりはいいです。
年寄りのボヌキエからスタメンとれる実力はあっても
ＵＣＬファイナルで通じる実力を一年でだせる可能性はほぼぜろだし。
デリフトも若いだけ即戦力なだけで腰掛け助っ人マンだろうから
数年でバルサあたりに転売することになるだろーと。代理人ライオラだし。
年俸と移籍金分のコストもその時に回収できればおっけーなザル判断だとしてもまあいいや。
くるった市場につきあうのも一昨年にボヌッチを安値で売ってルガーニベナティアに賭けて
昨年カルダーラを売ってボヌッチを戻した大マイナスに比べれば些細なことにおもえます。
給与バランス崩壊まっしぐらですがロナウド以外は勘違い戦力だらけでなのでもめたら売却で。
本音はノーライオラでやりたいけど現実にはライオラのおかげで結構稼がせてもらってるので
ウィンウィンというやつでしょうか。
＞毎年使えるようになってますね
これが、今まで比較的倹約路線でやって来た内部留保で「今後の土台となるべきスーペルな選手達」の獲得に使われるのなら、私は全然かまわないのですが、どう見ても違いますよね・・・
＞腰掛け助っ人マン
ＣＲ７の退団or引退と同時にいなくなりそうな気配がしますよねぇ。
それ以前にこの人、セリエで通用するんでしょうかね。
デミラルはボヌッチのような選手だと、どこかに書いてありましたが、不安しかないｗ
＞ライオラ
収支面で膨らみ過ぎてユーヴェは圧迫されて行くでしょうし、こいつの連れて来た戦力でユーヴェは総戦力面でダウンサイジングが進んでいる気がします。